東京海上ディーアール株式会社
東京海上ディーアール株式会社(代表取締役社長:水野一幸、以下「TdR」※1)と一般社団法人DEEP DIVE (代表理事:小原凡司、以下「DD」※2)は、日本企業へ提供する地政学リスクインテリジェンス関連ソリューションの高度化・拡充を目的とした業務提携を開始いたしました。
※1 TdRウェブサイトhttps://www.tokio-dr.jp/
※2 DDウェブサイト https://deepdive.or.jp/
1.背景
近年、世界各国では地政学的な不確実性が高まっています。特に台湾海峡、朝鮮半島、南シナ海、ロシア極東等の潜在的軍事衝突と武力紛争リスクは日本企業への大きな影響をもたらします。こうした軍事衝突をはじめとする地政学リスクの動向を継続的にモニタリングし、中長期見通しを分析し、短期的な予兆を把握することは、企業のリスク管理・危機管理にとって大きな課題です。既に地政学リスクに対応したリスクマネジメント態勢を確立した企業においても、以下(例)の課題やご要望が存在しています。
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特定の地政学リスクに関する中長期見通し・影響を評価したい
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特定の地政学リスク顕在化(例:軍事衝突)の予兆となる情報をタイムリーに把握したい
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世の中には、多くの地政学リスク情報が溢れていて、情報の取捨選択・スクリーニングが難しい
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意思決定・判断の根拠となる、事後検証に耐える情報源・情報へのアクセスが難しい
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情報源・情報にアクセスできても、情報の解釈・分析(インテリジェンス生成)に専門性を要するため、自社内部でインテリジェンス生成が困難である 等
かかる環境下にある企業に対し、TdRは地政学リスクに対応した各種ソリューションを提供してまいりました。そしてこの度、これまでの支援をより高度化・拡充することを目的としたDDとの業務提携を開始いたしました。
2.業務提携の概要
DDはデジタル領域をはじめとする公開情報分析(open-source intelligence: OSINT)と衛星情報分析を組み合わせたマルチモーダルなインテリジェンスを提供する非営利の民間組織であり、小原凡司氏(代表理事)と小泉悠氏(理事)により2024年に設立されました。設立者の両氏はいずれも、シンクタンクや大学等の研究機関で長期にわたり活躍し、中国やロシアをはじめとする地政学リスク分野の第一人者です。
TdRは10年以上に渡り、多様かつ多くの企業に地政学リスク分野のリスク管理・危機管理・事業継続管理に関する支援を提供してまいりましたが、DDとの業務提携により更に専門的かつ高度なインテリジェンス能力へのアクセスを実現し、ご支援の高度化を目指します。具体的な業務提携の概要につきましては下記のとおりです。
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TdRとDDによるソリューションの提供
台湾海峡、朝鮮半島、南シナ海、ロシア極東等の日本企業にとって影響が大きい潜在的紛争リスクの予兆を把握・評価するためのソリューションを提供します。具体的には、TdRとDDそれぞれの強みを生かし、TdRが現在提供している地政学リスクインテリジェンスサービス、アドバイザリーサービス、個別レポーティングの更なる高度化を進めます。
さらに、以上のソリューションのほかにもお客様の個別のご要望をふまえ、オーダーメイドでのソリューションをご提案・ご提供します。
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TdRとDDによる共同調査研究プロジェクトの実施
TdRは企業の総合的なリスクマネジメント支援(態勢構築・運用・高度化等)に強みを有しており、地政学リスク分野では各種規定・ガイドライン等の策定支援などを多様かつ多くの企業にご提供してまいりました。TdRが持つこれらの豊富な知見とDDが持つ専門的かつ高度なインテリジェンス能力を組み合わせることにより一層顧客のニーズにマッチした新たな地政学リスク対応ご支援サービスの開発に向けて、共同で調査研究を実施します。
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TdRとDDによる共同情報発信
TdRとDDは、企業の地政学リスク感度の向上に貢献するため、日本企業への影響が懸念される地政学的事象に関する共同レポートの発信、共同での公開ウェビナー、共同での顧客向け非公開ワークショップを企画・実施いたします。
3.今後について
TdRとDDは相互の強みを生かした業務提携により、地政学リスク分野のソリューション品質の高度化・拡充、当該分野の調査研究を通じた知見蓄積を加速させ、今後もより一層、企業の地政学リスクへの対応をご支援してまいります。
業務提携発表会の様子


以上