TIGER
高断熱・長寿命・不燃の真空断熱材を用いて、輸送時の温度維持に必要なCO2を削減
熱制御テクノロジーで世界をリードするタイガー魔法瓶株式会社(社長:菊池嘉聡、本社:大阪府門真市)は日本通運・岐阜プラスチック工業と協業し、2025年5月以降順次、2025年大阪・関西万博(以下、「万博」といいます。)会場内外での保冷輸送に、新開発のステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP[ティビップ]:TIGER Vacuum Insulated Panel)を用いた保冷輸送器材の活用を開始します。
ステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)は、ステンレスを使用し、パネル内部を真空状態にすることで熱伝導を非常に低く抑えた高性能な断熱材です。当社が100年以上にわたって進化させ続けてきた真空断熱技術を応用して新開発しました。ステンレスの使用により、従来の非ステンレスの真空断熱材では得られなかった不燃性と高断熱性の長期間維持が可能となりました。
ステンレス密封真空断熱パネルは、輸送用の保冷コンテナや建築資材に活用することで温度維持に必要な電気エネルギーの使用を抑えることができ、CO2削減に貢献する環境に配慮した持続可能な資材です。



今回、日本通運・岐阜プラスチック工業との協業により、初めての本格的な実証実験の場として、①真空断熱リーファーコンテナ ②真空断熱プロテクトBOX ③真空断熱ロールBOXを万博会場内外の保冷輸送(保管)に活用いたします。
当社は2023年に創立100周年を迎え、祖業の「真空断熱技術」は宇宙分野にも挑戦するなど進化を遂げております。強みである「真空断熱技術」と、磨き続けてきた「ステンレス加工技術」を組み合わせたステンレス密封真空断熱パネルにより、世界のカーボンニュートラルに貢献してまいります。
【万博での実証事例】

1 真空断熱リーファーコンテナ
屋外設置(保管用)
ステンレス密封真空断熱パネル追加実装有無での消費電力比較(省エネ見える化)、二酸化炭素排出量比較を実施

2 真空断熱プロテクトBOX
会場内/会場外輸送用
万博会場内各パビリオン/飲食店等への保冷貨物輸送に真空断熱プロテクトBOXを活用

3 真空断熱ロールBOX
会場内/会場外輸送用
万博会場内各パビリオン/飲食店等への保冷貨物輸送に真空断熱ロールBOXを活用
ステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP[ティビップ])の特長
パネル内部を真空状態にすることで熱伝導を非常に低く抑えた高性能な断熱材です。
一般的な真空断熱以外の断熱材と比較して、非常に薄い厚みでも高い断熱効果を発揮します。この特性により、省エネやスペース効率を重視する分野での使用が期待されます。また、ステンレスの使用により、従来の非ステンレスの真空断熱材では得られなかった不燃性と高断熱性の長期間維持が可能となりました。


【ステンレス密封真空断熱パネルの仕組み】
二重にしたステンレス箔の内側を真空状態にし、断熱性能を高めた断熱材です。さらに、形状を保つために芯材となる素材を中に入れて封止しています。

■「高断熱・長寿命・不燃」を実現
内部を真空状態としているため、熱伝導率0.0025W/m・K以下※1と従来の断熱材の約10倍~25倍にあたる高い断熱効果を発揮。
さらに、ステンレス素材を使用して、魔法瓶の真空断熱技術をパネル化することで、従来の真空断熱材では得られなかった不燃性と高断熱性の長期間維持が可能に。
30年以上という長期間の真空断熱を維持※2する「長寿命化」と「不燃」による安全性を実現しました。

※1 厚み10mm、サイズ440mm角以上の試作品をJIS A 1412-2 に基づき測定した初期測定値(自社測定法により算出)
※2 使用素材のガス透過性能実測値からの推計値(自社測定法により算出)
※国土交通省「表示・評価方法基準(省エネ)における検討方針」より引用。
■驚きの薄さを実現
発泡ウレタンの約1/10の薄さで、同等の断熱効果を得られます。
※厚み10mm、サイズ440mm角以上のTIVIPの試作品の熱抵抗R=0.01/0.0025=4.00㎡K/W、厚み100mm、サイズ440mm角以上の硬質ウレタンフォームの熱抵抗R=0.1/0.024=4.16㎡K/W
※国土交通省「表示・評価方法基準(省エネ)における検討方針」より引用した熱伝導率をもとに算出した厚みのイメージ図です。実際の厚みは製品や使用条件によって異なる場合があります。

万博での実証実験における協業パートナーについて
大阪・関西万博内での活用においては、当社が新開発したステンレス密封真空断熱パネル「TIVIP」を岐阜プラスチック工業の軽量・高強度素材である樹脂製ハニカムパネル「テクセル」でサンドイッチすることで、TIVIPを保護し軽量かつ強固な断熱ユニットパネルとなっております。
この断熱ユニットパネルを日本通運の輸送梱包ツールである「プロテクトBOX」などに採用することで、高性能な保冷輸送が可能となりました。従来の冷凍・冷蔵・定温輸送では、温度維持のために蓄冷材や蓄熱材の使用が必須でしたが、資材を不要とし、電力使用量の大幅な削減を実現します。

なお、タイガー魔法瓶ではご家庭で不要になったステンレス製ボトルをメーカー問わず回収・再資源化しており、今回使用する「テクセル」には回収したボトルのPP樹脂をリサイクルして使用しております。

日本通運はNXグループの中核会社として、航空、船舶、鉄道、トラック、倉庫、ITを駆使し、高品質でサステナブルなロジスティクスをグローバルで提供しています。また大阪・関西万博における「推奨物流事業者」「場内貨物取扱指定事業者」です。

プラスチック製の産業資材、工業部品、医療用部品の製造販売および日用雑貨品、水道管継手の製造。非常に高い比強度・比剛性を持った優れた次世代のハニカムコア材TECCELLを製品化しています。TECCELLはロジスティクス分野において、無限の可能性を追求します。
『未来社会ショーケース事業』「フューチャーライフエクスペリエンス」でも展示予定
「ステンレス密封真空断熱パネル技術」は、カーボンニュートラルに資する最先端技術の開発・実証にチャレンジする企業を後押しする事業である、大阪府の「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の支援を受け、開発・実証を行っております。
この度、「ステンレス密封真空断熱パネル技術」の一部を、2025年10月7日から10月13日までの期間、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』「フューチャーライフエクスペリエンス」にて展示します。
■日時 2025年10月7日(火)から10月13日(月)
■場所 万博会場内(西エントランス広場側)
フューチャーライフヴィレッジ フューチャーライフエクスペリエンス
■展示内容 タイガー魔法瓶 ステンレス密封長寿命不燃真空断熱パネル技術開発・実証
※「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」事業者合同でのブースとなります。
■ご注意事項 「フューチャーライフエクスペリエンス」へのご来場には、別途万博入場券が必要です。
ご購入に関しては公益社団法人2025年日本国際博覧会協会公式Webサイトをご覧く
ださい。
■主催 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
法人のお客様向け産業機器ソリューションページを本日より公開
タイガー魔法瓶の公式サイトでは、本日よりステンレス密封真空断熱パネルを含む法人のお客様向けの産業機器ソリューションをご案内するページを公開いたしました。

タイガー魔法瓶 産業機器ソリューションページ
https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/for-business/
法人のお客様からのお問い合わせはこちら
https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/support/inquiry/inquiry-industrial-equipment/
ステンレス密封真空断熱パネルに関する動画はこちら
■タイガー魔法瓶について
1923年に日本国内向け「虎印」のガラス製魔法瓶の製造で創業。「世界中に幸せな団らんを広める。」というVisionの実現を目指し、100年以上にわたり「温度」に関する技術を追求しております。「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」を応用し、真空断熱ボトルを始めとする家庭用/業務用の真空断熱容器(魔法瓶)、炊飯器等の調理家電、輸送・建築・宇宙・医療等の分野での産業用部品及び製品の製造販売を、世界約60か国以上で展開しています。