三井不動産株式会社
旧防衛庁の土地の記憶を引き継いだ桜が東京ミッドタウンから防衛省へ
東京ミッドタウン(港区赤坂 / 事業者代表:三井不動産株式会社)は、かつて防衛庁があった場所に誕生した複合都市で、隣接する港区立檜町公園と合わせて約4haの広大な緑地とオープンスペースを有しています。開発に際して、旧防衛庁敷地内に残された約40本の桜(ソメイヨシノなど)や、クスノキなどの高木を含む約140本を引き継ぎ、2007年の開業以来大切に育んできました。
また、「土地の記憶を残す」という開発理念のもと、2013年より自然と共生する街づくりの取り組みとして、旧防衛庁から引き継いだ桜(ソメイヨシノ)の木から取木・接木を行い、桜のDNAを継承していく「桜継承プロジェクト」を推進しています。
このたび、「桜継承プロジェクト」にて圃場で育成していた、旧防衛庁の土地の記憶を引き継いだ桜の苗木(ソメイヨシノ)が、新宿区市ヶ谷の防衛省敷地内に植樹されました。
三井不動産株式会社および東京ミッドタウンマネジメント株式会社は、時間と共に熟成する緑あふれる「経年優化」の街づくりを進めています。過去から受け継いだ緑、街とともに創りあげた緑を、これからも50年、100年と大切に守り、育み、つないでいきます。


■防衛省への桜譲渡の背景
ミッドタウン・ガーデンには、旧防衛庁時代から継承した約140本の樹木を含む、計400本の木が植えられており、開業以来大切に育んできました。
継承した約140本の樹木のうち、桜は約40本あり、現在も毎年美しい花を咲かせています。しかし、一般的にソメイヨシノの寿命は約60年とされており、これらの木も今後10〜20年ほどで寿命を迎える見込みです。そこで、東京ミッドタウンでは、「土地の記憶を残す」という開発理念のもと、2013年5月より旧防衛庁から引き継いだ桜の木から取木・接木を行い、桜のDNAを継承していく取り組み「桜継承プロジェクト」※1を推進してきました。

一方、防衛省では、広大な敷地を有する現市ヶ谷庁舎の景観保持の一環として、ソメイヨシノ等の植樹が検討されていました。その中で、かつて旧防衛庁時代に六本木で植樹されていたソメイヨシノのDNAを継承した苗木があることを知り、本プロジェクトへ関心を寄せていただいたことから、今回の植樹に結びつきました。
六本木から市ヶ谷への庁舎移転に際して、旧防衛庁から東京ミッドタウンへと受け継がれたソメイヨシノ。防衛省・自衛隊70周年および市ヶ谷移転25周年を記念して、その所縁ある苗木10本が植樹されました。
今後は市ヶ谷の地でも旧防衛庁時代の記憶を引き継ぎ、往時の見事な桜を再現することが期待されています。

<桜継承プロジェクト ※1>
「土地の記憶を残す」という開発理念に基づいて、旧防衛庁時代から引き継いだ桜の木を継承していく取り組みで、2013年5月よりスタートいたしました。老木の枝から取木・接木された苗木は、茨城県古河市で育成、2015年3月にはそのうち2本が東京ミッドタウンの敷地内に植樹されました。
現在は、茨城県古河市から千葉県木更津市に育成地を移し、今後、老木と若木の世代交代を進めながら、より自然に近い形で桜を受け継ぎ、この地の美しい景観を未来へとつないでいきます。


■東京ミッドタウンの生物多様性に関する取り組み
・グリーンベルトの形成
東京ミッドタウンの広大な緑地は、青山から六本木を経て赤坂に至るグリーンベルトの一部を形成しています。この「緑のネットワーク(緑の地域軸)」は、都心に潤いをもたらすとともに、ヒートアイランド現象の緩和や都会の生態系維持にも貢献しています。

・植栽管理や芝生の育成
ミッドタウン・ガーデンには100種類以上の植物が生育しており、四季の移り変わりを感じることができます。また、青々としたミッドタウン・ガーデンの芝は、2年以上の歳月をかけて種類を決定。ベースに夏芝を敷き、秋頃に冬芝の種を上から蒔くことで、夏芝が枯れる頃に冬芝が生えて入れ替わり、その繰り返しにより、evergreenの芝生を実現しています。これらの緑を守るため、管理スタッフが常駐し、きめ細やかなメンテナンスを行っています。
・「THE BIRD handbook」の作成・配布
東京ミッドタウンでは、東京都の保護上重要な野生生物種を示したレッドリストに掲載されているオオタカ、ダイサギ、トビ、モズを含め、計6目18科25種の鳥類を確認しています。来街するお客様に気軽に都心の鳥を知っていただく取り組みとして、野鳥を紹介する「THE BIRD handbook」を作成し、館内にて配布も行っています。

東京ミッドタウンの環境への取り組み 詳細はこちら
緑を考える | 東京ミッドタウンについて | 東京ミッドタウン
■東京ミッドタウンについて
「東京ミッドタウン」は、かつて防衛庁があった土地にホテル(ザ・リッツ・カールトン東京)、文化施設(サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHTなど)、商業店舗、オフィス、住宅、医療施設、緑地などが集約された大規模複合都市です。
三井不動産グループは、時を経るごとに味わいを増し、魅力を増していく「経年優化」を街づくりの思想に掲げています。安心・安全の観点でも時代に合わせたアップデートを行い、「東京ミッドタウン」が年数を経るごとに魅力を増し、訪れる皆さまやテナント各社にとって「行きたくなる街」であり続けることを目指します。


所在地 |
東京都港区赤坂 9-7-1 ほか |
敷地面積 |
約 68,900 ㎡(地区計画面積 約 102,000 ㎡) |
延床面積 |
【全体:約563,800㎡】 ・オフィス:約311,200㎡ ・住宅:約 96,500㎡(410戸) ・サービスアパートメント:約21,000㎡(107戸) ・ホテル:約43,800 ㎡(248 室) ・商業:約71,000㎡(約130 店舗) ・その他(コンベンションホール、美術館など):約20,400㎡ |
開業日 |
2007年3月30日 |
公式サイト |
■三井不動産グループのサステナビリティについて
三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「& マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。
また、2024 年 4 月の新グループ経営理念策定時、「GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)」として、「1.産業競争力への貢献」、「2.環境との共生」、「3.健やか・活力」、「4.安全・安心」、「5.ダイバーシティ&インクルージョン」、「6.コンプライアンス・ガバナンス」の6つを特定しました。これらのマテリアリティに本業を通じて取組み、サステナビリティに貢献していきます。
【参考】
・「グループ長期経営方針策定」 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/innovation2030/
・「グルーブマテリアリティ」 https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/approach/materiality/