フォアスカウト・テクノロジーズ株式会社
ネットワークインフラ機器のリスクが引き続き顕在化、医療機器(IoMT)の脆弱性も急増
カリフォルニア州サンノゼ — 2025年4月9日 — Forescout、世界的なサイバーセキュリティリーダーは本日、第5回目となる年次レポート「2025年版最もリスクの高い接続デバイス(Riskiest Connected Devices of 2025)」を発表しました。本レポートでは、ForescoutのDevice Cloudに蓄積された数百万台のデバイスデータを、Forescout独自の多要素リスクスコアリング手法を用いて分析し、各デバイスの設定(脆弱性や開放ポート)、ビジネスにおける重要度、インターネットへの露出度に基づいて、企業ネットワーク内で最も脆弱なデバイスを評価しています。
今年のレポートでは、IT(情報技術)、IoT(モノのインターネット)、OT(制御技術)、IoMT(医療機器のインターネット)という領域と、各業種別において、世界的にリスクの高いデバイスタイプ上位5種を分析しました。レポートの主な調査結果として、デバイスの平均リスクスコアが前年比15%増加していること、また最も危険な脆弱性を持つデバイスの50%以上がルーターであることが判明しました。さらに、業種別では小売業が最もリスクの高いデバイスを保有しており、次いで金融サービス、政府機関、医療、製造業が続いています。
2020年以降、Forescout Research – Vedere Labsは、組織ネットワーク内で最もリスクの高いデバイスの監視を行っており、デバイスそのものから直接収集したデータを活用しています。今回の最新の調査では、脅威の状況が変化しており、特にネットワークインフラ、特にルーターが、2023年以降、エンドポイントを上回って最もリスクの高いITデバイスであり続けていることが明らかになりました。攻撃者は、新たに発見された脆弱性を悪用し、大規模な攻撃キャンペーンを展開しており、今年は12種類の新しいデバイス(うち4種類は新しいIoMTデバイス)がリストに追加されました。Forescoutがこれまで観測した中で最大の前年比増加となっています。IT、IoT、OT、IoMT環境全体で攻撃対象領域(アタックサーフェス)が拡大する中、もはや分断されたセキュリティ対策では不十分となっています。
ForescoutのCEOであるBarry Mainzは次のように述べています。 「我々は攻撃者に重要な運用の鍵を渡してしまっているのです。サイバー犯罪者は従来のエンドポイントを見限り、病院、工場、政府、企業を稼働させているデバイスを標的にしています。今年だけでも、新たに4種類の医療機器がリスクの高いデバイスの上位にランクインしました。IT、IoT、OT、IoMTといったネットワーク上のすべてのデバイスを守らなければ、甚大な被害がもたらされるでしょう。」
■ 2025年版 最もリスクの高い接続デバイス レポートの主な調査結果:
ITデバイス — ルーターが最も脆弱なデバイスとして圧倒的存在
2025年版リストには、新たにアプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)、インテリジェントプラットフォーム管理インターフェース(IPMI)、ファイアウォール、ドメインコントローラーという4種類のITデバイスが追加されました。IPMIデバイスは深刻な脆弱性を抱えており、ドメインコントローラーは社内ネットワークにおける最も重要なポイントの一つです。
2023年にはエンドポイントの方がネットワークインフラよりリスクが高かったものの、2024年には逆転し、2025年もこの傾向は続いています。ネットワークインフラはネットワーク境界に露出し、管理インターフェース用の危険な開放ポートが存在することから、エンドポイントよりもリスクが高い状態が続いています。
リスクの高いITデバイスが追加されたにも関わらず、最も深刻な脆弱性を持つデバイスの50%以上は依然としてルーターであり、攻撃者の主要な標的となっています。コンピューターや無線アクセスポイントも頻繁に脆弱性が確認されるデバイスタイプです。
IoTデバイス — PoS(販売時点情報管理)システムが新たな標的に
リスクの高いIoTデバイスには、以前から問題視されているネットワークビデオレコーダー(NVR)、VoIP、IPカメラ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイスが含まれています。
今年、新たに小売店舗などで使用されるPoSシステムがリスト入りしました。PoSシステムは、キーロガーや情報窃取マルウェアなどの一般的なマルウェアによって機密情報が盗まれるほか、デバイスのメモリ内にあるクレジットカード番号やその他のデータを暗号化前に検索する専用RAMスクレイパーによる攻撃が確認されています。
OTデバイス — ユニバーサルゲートウェイとヒストリアンが初登場
今年は初めて、ユニバーサルゲートウェイとヒストリアン(運用プロセスデータを保存する専用サーバー)がリストに登場しました。これらはビル管理システム(BMS)、物理アクセス制御システム、無停電電源装置(UPS)と並んで危険なOTデバイスとされています。
ユニバーサルゲートウェイは、異なるシステム間を接続する役割を持ち、Ethernet通信とシリアル通信の両方を扱うこともあるため、OTネットワーク内でのラテラルムーブメント(横移動)や、Ethernetネットワーク上の脅威がシリアル接続されたデバイスに影響を与える可能性があります。ヒストリアンは、プログラマブルロジックコントローラー(PLC)や分散制御システム(DCS)に基づくプロセス制御システムとともに展開されており、しばしば企業ネットワーク上位レベルのデバイスとデータを共有することから、ITとOTネットワーク間の危険な接続ポイントに位置しています。
IoMTデバイス — 新たに4種類のデバイスが追加
今年は、イメージングデバイス、ラボ機器、医療用ワークステーション、輸液ポンプコントローラーという4種類の新しいIoMTデバイスが追加されました。イメージングデバイスは、古い脆弱なIT用OSで稼働していることが多く、画像ファイル共有のための広範なネットワーク接続を備えており、DICOM標準を用いてファイル共有が行われます。ラボ機器は、実験情報システムに接続されており、データ通信が暗号化されていないことが多く、データ漏洩や改ざんといった攻撃が可能です。医療用ワークステーションは極めて機密性の高い情報にアクセスでき、ダークウェブで高値で取引され、最近ではランサムウェア集団による情報漏洩も多発しています。輸液ポンプコントローラーは極めて重要であり、攻撃者が制御装置を乗っ取れば薬剤投与の設定を改ざんする可能性があります。
Forescout Research – Vedere Labsの研究責任者であるDaniel dos Santosは次のように述べています。 「現在の脅威環境は、IT、IoT、OT、IoMTにまたがっており、多くのセキュリティソリューションがサイロ化していることで危険な盲点が生まれています。定期的なリスク評価だけでなく、すべての資産をカバーする自動制御が必要です。特定のデバイスに特化したソリューションでは、この極めて複雑な環境に必要な可視性とセキュリティ制御を提供することはできません。」

本調査は、従来型および専門的なネットワークデバイスの継続的な監視を行っていない組織は、次なる情報漏洩事件の見出しになるリスクがあることを再認識させるものです。これらの盲点を効果的に解消するため、Forescoutは最近、クラウドベースの可視化・監視ソリューション「eyeScope®」を発表しました。eyeScopeのリアルタイムなデバイスインテリジェンスと、本調査で示された緊急のリスク優先事項を組み合わせることで、Forescoutは組織が最も脆弱な資産を保護するために必要なデータとツールを提供しています。
詳細は、調査レポート全文、要約ブログ、eyeScopeソリューションページをご参照ください。
Forescoutについて
Forescoutのサイバーセキュリティプラットフォームは、IT、OT、IoT環境全体にわたる完全な資産インテリジェンスと制御を提供します。20年以上にわたり、Fortune 100企業、政府機関、大手企業は、サイバーリスクの管理、コンプライアンスの確保、脅威の軽減を目的として、Forescoutを基盤として採用してきました。
Forescoutは、100以上のセキュリティおよびIT製品とのシームレスなコンテキスト共有とワークフローオーケストレーションを実現し、あらゆるサイバーセキュリティ投資の効果を最大化します。
また、Forescout Research – Vedere Labsは、デバイスインテリジェンス分野における業界のリーダーとして、独自の脅威インテリジェンスをキュレーションし、Forescoutプラットフォームを強力に支えています。
当報道資料は、2025年4月9日(現地時間)にForescoutが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。