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TOPPANデジタル、「第5回量子コンピューティング EXPO【春】」に出展

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TOPPANホールディングス株式会社

耐量子セキュリティ技術の取り組みや量子計算に関する研究成果を紹介

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANデジタル株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:坂井 和則、以下 TOPPANデジタル)は、2025年4月15日(火)から17日(木)に開催される「第5回量子コンピューティングEXPO【春】」(会場:東京ビッグサイト)に出展します。

TOPPANデジタルのブースイメージ

  「量子コンピューティングEXPO」は、新素材・新薬などの研究開発、人員配置など組合せの最適化、セキュリティ・暗号の強化、AIへの活用など様々なシーンで活用できる量子コンピューティング技術が幅広く出展される総合展示会です。

 TOPPANデジタルブース(小間番号4-1)では、企業や研究機関と連携して取り組んでいる量子コンピューティング技術や、耐量子計算機暗号(以下 PQC)(※1)技術をはじめとする、セキュリティ分野向けの研究/開発と、量子人工知能、材料開発/評価手法などの研究を中心に紹介します。

また、今回新たにこれまでの活動の成果として、耐量子セキュリティにおいて既存暗号とPQCの橋渡しを担うハイブリッド証明書を搭載したICカードの動作検証や、量子化学計算において特定の分子系でのシミュレーション結果と実際の実験結果のギャップを削減し、計算効率の向上に成功した新規計算手法も紹介します。

 TOPPANデジタルは、量子コンピューティング技術やAI技術を、セキュリティや材料開発、自動化など様々な分野へ活用し、「DX(Digital Transformation)」と「SX(Sustainable Transformation)」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。

主な展示内容

(1) SIP第3期への取り組み

 2023年の10月より、内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/先進的量子技術基盤の社会課題への応用促進」に採択された、サブ課題「量子セキュリティ・ネットワーク」における量子セキュアクラウドの機能拡張に関する委託研究を継続中です。PQCへの移行に向け、2024年の9月には、従来の暗号とPQCの両方に対応した電子証明書(ハイブリッド証明書)を使用できるICカードやプライベート認証局の動作検証を、国立研究開発法人情報通信研究機構(本部:東京都小金井市、理事長:徳田 英幸、以下NICT(エヌアイシーティー))、ISARA Corporation(本社:オンタリオ州・カナダ、CEO:Atsushi Yamada)と共に実施しました。本展示ではSIP第3期委託研究活動の概要の他、前述のハイブリッド証明書の動作検証について紹介します。

 また、サブ課題「イノベーション創出基盤」における一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)とのスタートアップ企業支援に関する取り組みとして、量子技術を持つ国内ベンダ企業とユーザ企業とのマッチングイベントの開催実績について紹介します。

(2)    NICTとの量子暗号通信を用いた共同研究

 TOPPANデジタルとNICTは、東京QKDネットワーク上に整備された企業間量子暗号ネットワークテストベッドを活用し、安全にデータの送受信や保管を行うための運用試験を行っています。今回の展示では2024年11月に実施した、東京QKDネットワークの複数参画機関の拠点間で、量子暗号通信により情報を完全に秘匿化したままWeb会議を行う運用試験の概要をご紹介します。

(3)    大阪大学との材料開発・評価手法に関する共同研究

 TOPPANグループは、大阪大学量子情報・量子生命研究センター(QIQB)の水上渉教授と材料開発・評価に有用なアルゴリズムの研究を進めています。本共同研究を通じて、量子モンテカルロ法に基づく量子古典ハイブリッドアルゴリズムQSCI-AFQMC (※2)を開発し、計算負荷を抑えつつ、従来の高精度量子化学計算に匹敵する精度で計算することに成功し、プレプリント論文を発表しました。今回の展示では、本研究成果の概要とアルゴリズムの改良や適用範囲の拡大によって、より実用的なアルゴリズム開発を目指す取り組みについて紹介します。

(4) 東京大学との量子人工知能に関する共同研究

 2022年より東京大学素粒子物理国際研究センター(ICEPP)の寺師弘二教授と量子人工知能に関する共同研究を実施しています。量子人工知能の学習を妨げる原因として勾配消失問題(※3)や局所最小値問題(※4)などが知られていますが、特定の条件下において過剰パラメータ化という手法を用いると、それら問題へ陥ることを避けられることが分かってきました。今回の展示ではその成果についてご紹介します。また、2024年10月から量子イノベーションイニシアティブ(QII)協議会の正会員となり、ゲート型量子コンピュータの実機を活用することで、ノイズと勾配消失の関係やその対策に関する研究を推進しており、よりスケーラブルな量子人工知能の実現を目指す取り組みについて紹介します。

 

■ 「第5回量子コンピューティングEXPO【春】」について

名称:Nextech Week2025 第5回量子コンピューティングEXPO【春】

会期:2025年4月15日(火)~17日(木)

開場時間:10:00~17:00

会場:東京ビッグサイト(西展示棟)

主催:RX Japan株式会社

公式サイトURL: https://www.nextech-week.jp/hub/ja-jp.html

 

■ 「Erhoeht-X®(エルへートクロス)」について

 「Erhoeht-X®(エルヘートクロス)」とは、TOPPANグループが全社をあげて、社会や企業のデジタル革新を支援するとともに、グループ全体のデジタル変革を推進するコンセプトです。

「エルヘート」は、TOPPANグループ創業の原点である当時の最先端印刷技術「エルヘート凸版法」から名付け、語源であるドイツ語の「Erhöhen(エルホーヘン)」には「高める」という意味があります。今まで培った印刷テクノロジーの更なる進化とともに、先進のデジタルテクノロジーと高度なオペレーションノウハウを掛け合わせ、データ活用を機軸としたハイブリッドなDX事業を展開し、社会の持続可能な未来に向けて貢献していきます。

※1 耐量子計算機暗号

米国・連邦政府機関である国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)が選定した耐量子計算機暗号(Post-quantum cryptography)には、公開鍵暗号と電子署名の各々において、複数の暗号方式が含まれています。

※2 量子モンテカルロ法に基づく量子古典ハイブリッドアルゴリズムQSCI-AFQMC

量子コンピュータを分子の重要な電子配置を特定するステップで活用し、量子モンテカルロ法の確率的なサンプリングによってエネルギーや物理量を統計的に推定することでスケーラブルな計算が可能となる。

プレプリント論文:”Auxiliary-field quantum Monte Carlo method with quantum selected configuration interaction”

https://arxiv.org/abs/2502.21081

※3 勾配消失問題

量子機械学習において、パラメータの更新のための勾配が指数関数的に減衰してしまい学習が妨げられる問題。量子回路の構造や量子コンピュータのノイズなどが原因で発生することが知られている。

※4 局所最小値問題

量子機械学習において、特定の区間における最適解に陥ってしまい真の最適解を求められなくなることで学習性能が低下してしまう問題。その対策の一つの可能性として過剰パラメータ化という手法の研究が進められている。

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年4月10日 10時25分)

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