東陽テクニカ
1,000Vまで拡充しEV急速充電における信頼性確保、性能向上に貢献
株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野 俊也(こうの としや)、以下 東陽テクニカ)は、テュフ ラインランド ジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:岡本 邦裕、以下 テュフ ラインランド ジャパン)と協業している「電気自動車(EV)充電評価サービス」において、CHAdeMO規格での高電圧充電にも対応した評価サービスを、5月1日に開始します。経済産業省による「電気設備の技術基準の解釈」の一部改訂により、従来450V以下とされていた充電時の電圧要件が1,000Vまで拡張されたことに対し、東陽テクニカ「EV充電テストラボ」の設備を強化し対応可能な規格を拡充しました。
背景/概要
環境負荷の低減やエネルギー問題への対応といった社会課題を受け、電気自動車(EV)をはじめとした次世代自動車の開発はより活発化しています。このような中、EV開発においては各国の充電規格の違いに起因する課題が依然として存在しており、国内外のEV、EV充電器の双方において、信頼性を確保しつつ高性能な製品開発に向けたEV充電評価の需要が一層高まっています。
日本国内では、海外からの輸入車を含むほとんどのEVが急速充電器にCHAdeMO(※1)規格を採用しています。規格の違いを心配することなく充電できる環境が整っている一方、海外で採用されているCCS(※2)規格と比較すると、充電器の出力の低さに課題がありました。2024年10月には経済産業省が定める「電気設備の技術基準の解釈」が一部改正され、これまで450V以下だった充電時の電圧要件が高圧の1,500V以下に変更されました。併せてCHAdeMO規格においては、1,000Vまでの充電を行う際の拡張機能がすでに備わっています。このような動きから、EVと急速充電器の双方において、450Vを超える高圧での充電に対応できる製品開発が進んでいます。
東陽テクニカは、屋内で実車の評価が可能な「EV充電テストラボ」(※3)を整備しており、テュフ ラインランド ジャパンとの協業で「電気自動車(EV)充電評価サービス」を提供しています。2024年7月にはNACS(※4)規格(SAEJ3400)まで対象として評価できる充電規格の幅を拡げました。挙動が細かく確認できる点や信頼性の高い制御を作り込むことができる点などに高い評価を得て、多くのお客様にご利用いただいています。このたび、加速する高圧での充電対応製品の開発状況を鑑み、「EV充電テストラボ」の設備をさらに強化し、1,000VまでのCHAdeMO規格における高電圧充電まで対応できるようになりました。5月1日にこの評価サービスを開始します。これにより、高出力化が遅れているとされる日本国内での急速充電の利便性向上を推進していきます。
東陽テクニカは、国内外で開発が進むEVやEV充電器の信頼性確保、性能向上に貢献することで、脱炭素社会の実現を推進してまいります。
※1 CHAdeMO:EV用DC急速充電規格の登録商標であり、また技術開発と充電インフラの普及の活動を行う団体の名称。
協議会は2009年に設立、自動車メーカーはもちろんのこと、充電設備メーカーなど518社が参加。(2024年11月29日時点)
※2 CCS:Combined Charging System。普通充電器のコネクタ部分に直流送電コネクタを結合した(combined)形状をしていることから「コンボ方式」とも呼ばれる。北米と欧州でそれぞれ普及している。
※3 EV充電テストラボ:東京都江東区木場1-1-1 東陽テクニカR&Dセンター内。
※4 NACS:North American Charging Standard。北米における EV用充電規格。

「電気自動車(EV)充電評価サービス」主な特長
・東陽テクニカR&Dセンター内「EV充電テストラボ」にて実施
・屋内で実車の評価ができ、開発中の製品も高いセキュリティ環境で評価試験が可能
・工業製品の安全試験・認証を提供するテュフ ラインランド ジャパンと、最先端の計測ソリューションを提供する東陽テクニカが、豊富な知識と経験に基づいて提供する試験サービス
<評価可能な範囲>
・充電規格:急速充電 CHAdeMO, NACS,CCS Type1/Type2, GB/T 27930-2011/2015
普通充電 SAE J1772, NACS,IEC61851-1, GB/T 18487.1-2015Annex A(AC)
・電源容量:[定格]1,000V/200A、[短時間]1,000/400A(CHAdeMO規格の場合)
・コンフォーマンス:ISO 15118-4/-5, DIN 70122, CharIN test cases, GB/T 34657.1/2 DC,
GB/T 34658 DC
◆Webページ:https://www.toyo.co.jp/e-mobility/products/detail/tuv-toyo-testing.html
「電気自動車(EV)充電評価サービス」試験実施例

<テュフ ラインランド ジャパン株式会社について>
テュフ ラインランド ジャパン株式会社は、ドイツに本社をおくテュフ ラインランド グループの日本法人です。
1978 年に日本駐在事務所を開設し、第三者検査機関として、ドイツをはじめヨーロッパ諸国、その他海外へ輸出される工業製品の安全試験・認証を提供しています。また、日本においても担当省庁の許可・指定により国内向けの評価サービスを展開しています。
対象となる製品は、電気・電子機器や産業用機械、医療機器や自動車ほか、玩具・生活用品など幅広い分野にわたります。さらに、ISO 9001や14001など、マネジメントシステムについても、欧州最大級の認証機関であるTÜV Rheinland Certのメンバーとして監査・認証を行っています。ますます加速する科学技術の進歩とともに、再生可能エネルギー分野など新しい分野についても、常に最新の評価サービスを提供しています。
テュフ ラインランド ジャパン株式会社 Webサイト:https://www.tuv.com
<株式会社東陽テクニカについて>
東陽テクニカは、最先端の“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、技術革新を推進しています。その事業分野は、脱炭素/エネルギー、先進モビリティ、情報通信、EMC、ソフトウェア開発、防衛、情報セキュリティ、ライフサイエンスなど多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発にも注力しています。新規事業投資や M&A による成長戦略のもと国内外事業を拡大し、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
株式会社東陽テクニカ Webサイト:https://www.toyo.co.jp/