株式会社Surg storage
株式会社Surg storage(本社:千葉県柏市 CEO:平尾彰浩)は、大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 貴島晴彦教授との共同研究として、脳神経外科領域における商用利用可能な手術データベース(DB)の構築プロジェクトを開始しました。本プロジェクトでは、脳腫瘍、頭部血管、機能外科の3つの領域において、100施設以上のデータを集積し、世界最大規模の商用利用可能なデータベースの実現を目指します。
【プロジェクトの背景と目的】
本プロジェクトは、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院が2019年より構築を進める内視鏡外科手術のデータベース「S-access Japan」をモデルとしています。「S-access Japan」は、産業利用可能な高品質の手術動画データベースを目指し、国内外の医療機関や学会と連携して、AIを活用した手術支援システムの基盤整備を進めてきました。Surg storageはこの取り組みから誕生した、国立がん研究センター発のベンチャー企業です。
Surg storageと大阪大学医学部附属病院は、この知見を活かし、脳神経外科領域の手術データベースの構築に取り組みます。本プロジェクトでは、脳腫瘍手術、頭部血管手術、機能外科手術の高度な手技データを大規模に収集・体系化し、AI支援技術や手術支援システムの開発基盤として活用できるデータ環境を整備します。

【株式会社Surg storage CEO 平尾彰浩コメント】
手術データの利活用は、治療技術の向上に不可欠です。S-access Japanで培った5年間の経験を本プロジェクトに生かすことで、脳神経外科領域の医療AI開発や医療機器の革新が加速することを確信しています。大阪大学医学部附属病院と共に、世界的な手術データプラットフォームを構築し、より多くの患者さんの治療成果を向上させることに貢献していきます。
【大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 貴島晴彦教授コメント】
臨床現場から得られる医療データを有効に活用することは、将来の医療を見据え、限られた資金の中で効率良く医療技術や医療機器の開発には欠かせないツールになります。また、医療人の教育の面においても非常に重要な役割を果たすことが予想されます。しかし、患者情報の匿名化、データの保有権の問題などデータの取り扱いの煩雑さから、これまで機能的に活用されてきませんでした。本プロジェクトは、これらの問題を克服し、医療データの活用の先駆けとなることが期待されます。
本プロジェクトでは、世界中の外科医・研究者・AIエンジニアが活用できる「デジタル手術のハブ」を構築することを目指しています。蓄積されたデータは、次世代の手術支援AIやロボット開発に不可欠な基盤となるだけでなく、品質保証、手術手技の最適化、医療機器開発を加速させます。さらに若手医師の教育にも活用され、手術の技術向上と均質化がグローバルに進むことが期待されます。
まだまだ、克服すべき課題もありますが、本プロジェクトの実現に向けて進めていきたいと考えております。
【今後の計画】
Surg storageは、大阪大学医学部附属病院との共同研究を通じて、2025年には北米・欧州・アジアの医療機関との連携を構築し、グローバルなデータ共有ネットワークを確立します。また、脳神経外科領域における医療データの標準化を推進することで、世界共通の医療データ基盤の形成を目指します。
■S-access Japanについて
日本医療研究開発機構(AMED)先進的医療機器・システム等技術開発事業/基盤技術開発プロジェクト「内視鏡外科手術のデータベース構築に資する横断的基盤整備(研究代表者:国立がん研究センター東病院 大腸外科長 伊藤雅昭)」(2019年10月~2022年3月)として、国内の医療機関と連携し、産業利用可能な手術動画データベースの構築を進めてきました。2022年4月以降は国立がん研究センター東病院とSurg storageの共同研究費でプロジェクトを継続しています。
URL: https://www.s-access.ncc.go.jp/
■株式会社Surg storageについて
Surg storageは、2020年に設立し、国立がん研究センター発ベンチャーとして認定されました。医療動画像データの収集・管理・提供を専門とし、医療機関やAI開発企業向けにデータソリューションを提供することで、医療技術の進化に貢献しています。グローバル市場へのデータ提供も積極的に推進しています。
代表者:代表取締役社長 平尾彰浩
本社所在地:〒277-8577 千葉県柏市柏の葉6-5-1 国立がん研究センター東病院NEXT医療機器開発センター2F 機器開発室1