株式会社メタリアル
業種特化の専門AI開発・運営を行う株式会社メタリアル(本社:東京都千代田区、代表取締役:五石 順一)は、2025年4月6日(日)に行われた日本広報学会 第7回研究フォーラムにて、「AIは“広報の相棒”になれるのか? 〜自社開発した『広報AI』の実践と未来〜」をテーマに研究発表を行なったことをお知らせします。本研究では、本年2月20日に発表した、プレスリリースの生成と採点ができる広報領域専門AI「広報AI」を用いた広報業務の生成AI代替可能性について、研究成果を紹介しました。
■研究の背景
当社では、近年、SNSやメディアの多様化により、企業の情報発信の機会が増加する一方で、広報業務の負担も拡大しています。特に、メディア露出につながるプレスリリースの作成は広報の重要な業務でありながら、効果的な発信が難しいという課題を感じていました。自社の広報業務の効率化を図るために、当社の生成AI開発技術を用いて、日経やビジネス誌などのメディアが興味を持ち、メディア露出を最大化しやすいプレスリリースの生成およびプレスリリースの採点ができる生成AIを開発し、広報担当者がより本質的な広報業務に従事するための一助となることを目的に、本研究を開始しました。

■研究手法
・当社の広報担当者とAIエンジニアから構成されたプロジェクトチームを発足させました。
・広報AIに搭載する機能の設計にあたり、プロジェクトメンバーに加え、他社の広報担当者を対象にインターネットによるアンケート調査でプレスリリースに必要な要素の調査を実施しました。
・調査結果および当社広報担当者の知見をもとに、メディアに興味を持ってもらえるプレスリリースの要素およびプレスリリースの採点項目について決定しました。
■研究結果
・広報AIには以下の2つの機能を搭載し、プレスリリース作成の効率化とメディア露出の最大化を支援する生成AIとして社内で試験運用を開始。広報業務の中から、特にプレスリリースの作成業務を生成AIで代替する可能性を検討しました。
○機能① 「AIエージェント同士の会話」から生まれるキャッチーで訴求力のあるタイトル作成、豊かな文章表現を可能にする生成プロセス(プレスリリース生成機能)
「広報AI」にプレスリリースの要点を入力するだけで、文章の生成を開始します。文章生成プロセスでは、一般的な生成AIと大きく異なる点として、複数のAIエージェント同士が「このニュースは興味深いと思わない?」「このポイントは今までにないサービスだね」などと会話しながら共感するポイントを抽出し、繰り返し文章を推敲していきます。これにより、一般的な生成AIでは実現できない豊かで魅力的なタイトルや本文を生み出すことが可能になります。
○機能② 業界初*のメディアが興味を持つかを高精度で判定(プレスリリースの採点機能)
「広報AI」は、メディアの取材傾向データを学習し、業界初*のプレスリリースのスコア化を可能とする独自のメディア掲載判定ロジックを開発しました。これにより、メディアに掲載された記事の特徴を分析し、逆算して質の高いプレスリリースを生成します。
独自の判定ロジックでは、1)話題性や消費者視点、2)データと3)実績の裏付け、4)導入部分の魅力、5)市場インパクト、6)独自性の6つの基準点を設計し、それらのスコアを上回ったものがメディアに掲載される可能性が高いと判断します。この判定は約72%の精度を実現しています。
*広報業界での「スコア化機能を搭載したプレスリリースの生成AIサービス」として(2025年4月時点 自社調べ
■研究成果と今後の展望
本研究で、プレスリリースの生成において、広報AIは一般的な生成AIよりも表現力豊かで、メディアが興味を持つような数値やファクトをタイトルに盛り込むなど、広報担当者の思考プロセスを再現したような文章の生成が可能になることがわかりました。
今後は、さらなるプレスリリースの精度向上を図るだけでなく、広報AIが生成した文章について、ファクトチェックが必要な箇所を明示し、広報担当者がより簡単に、メディアの関心を得やすいプレスリリースを作成できる機能を追加していきます。
また、現在は「新商品・新サービス発表」カテゴリーのプレスリリース作成に対応していますが、今後はその他のカテゴリーへの対応も目指し、機能拡張を進めてまいります。
■日本広報学会 常任理事 田代 順(たしろ じゅん)氏コメント
株式会社メタリアル 広報室の松本和也氏による研究発表は、広報業務の実態に根ざしつつ、生成AIの活用による未来への展望を示した点で、非常に意義深いものでした。広報部門は年々複雑化し、限られたリソースで高度な成果が求められる中、「広報AI」という挑戦的な取り組みは、実務者の共感を呼び起こすものであり、多くの可能性を秘めています。 特に印象的だったのは、複数のAIエージェントによる対話を通じて、自然かつ魅力的な文章を生成する点です。これは単なる自動化ではなく、広報の本質に迫る技術的進化といえるでしょう。また、広報実務者へのアンケートに基づいた「掲載されやすい」要素の抽出と採点機能の設計は、広報の経験知とAI技術との融合という観点からも大変興味深く拝見しました。 今後、本ツールが広報業界全体に普及し、実務の質と効率を高めるだけでなく、AIと人との協働によって新たな価値創造がなされることを期待しています。広報の未来は、すでに始まっています。
■メタリアル・グループについて
「世界中の人々を場所・時間・言語の制約から解放する」を企業ミッションとし、「対話型AI・機械学習プラットフォーム市場2023」(出典:ITR)の「翻訳市場」において国内市場No.1に位置している。
法務・医薬・金融・化学・IT・機械・電気電子など、2,000分野に対応。顧客ごとの課題解決・未来創造を目的とした完全カスタマイズAI開発サービスを提供している。
AI開発実績:翻訳AI、四季報AI、製薬会社向けAI、ゲームローカライズAI等
社名: 株式会社メタリアル
所在地: 東京都千代田区神田神保町3-7-1ニュー九段ビル
代表者: 代表取締役 五石 順一
設立: 2004年2月
事業内容: 業種特化の専門文書AIの企画・開発・運営
お問合せ先: pr@metareal.jp