Pestalozzi Technology株式会社
ALPHA関連の保有特許は4件目

■特許概要
ALPHAではこれまで、児童・生徒が自身の体力テストの結果について考えるきっかけとなるよう、学校で実施される体力テストの結果8種目(※)に対して、「同学年の児童・生徒の平均値」を表示する機能を設けておりました。今回取得した特許による新機能「全国月齢平均」は児童・生徒が登録した生年月日に応じて「同学年及び生まれ月が同じ児童・生徒の平均値」をALPHA内で算出・表示するものです。この発明によって、特に小学校・中学校など、月齢による体力・運動能力の差が大きいと考えられる時期に「同学年との比較」だけでなく「同学年かつ生まれ月が同じ児童・生徒」と体力・運動能力を比較できるようになり、自身の体力・運動能力に関する現状認識をこれまで以上に手助けすることができます。この点は文部科学省が新学習指導要領で掲げている「個別最適な学び」に沿ったものであると考えております。

なお今回の開発の前段として、児童・生徒の生まれ月が体力・運動能力に与える影響については、事業を通じて得た体力テストのデータを研究・分析して得たエビデンスに基づいており、同研究内容は日本体育測定評価学会第23回大会で発表済みです。詳細はこちらをご覧ください。
※体力テスト8種目
握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、20mシャトルラン/持久走、50m走、立ち幅とび、ボール投げ
■今後の展望
今回特許を取得した全国月齢平均機能により、児童・生徒本人の体力・運動能力の現状認識を手助けするだけでなく、保護者や教員の児童・生徒の体力・運動能力に対する現状認識をサポートする事にも有用であると考えられます。
今後も弊社はパーパスである「運動データを価値あるものに」の実現に向けて、ALPHAが学校教育場面で更なる価値発揮ができるよう、研究と機能開発に励んでまいります。
■特許情報
・特許番号 7640154
・登録日 2025年2月25日
・特許権者 Pestalozzi Technology株式会社
■発明者コメント1
Pestalozzi Technology株式会社 代表取締役社長CEO 井上 友綱
私たちは「運動データを価値あるものに」をパーパスに、子どもたち一人ひとりの体力・運動能力のデータが、学びや成長につながることを追求してきました。
これまでにも複数の特許を取得し、教育現場で実際に活用される機能として形にしてきましたが、今回新たに「全国の同学年かつ同じ生まれ月の子どもたち」との体力比較が可能になった特許を取得しました。月齢による体力差を踏まえたこの新機能は、児童・生徒が自分自身の成長を前向きに受け止め、無理なく努力目標を持つきっかけとなります。体力テストを単なる順位や数値ではなく自己理解と学びにつなげる、そんな教育のあり方を皆さまと共に育んでいければと願っております。
また、弊社は今後も知的財産の積み重ねを通じて、運動データに新たな意味を与え、皆様にとって価値あるサービスとなるように進化を続けてまいります。
■発明者コメント2
Pestalozzi Technology株式会社 日本健康・運動データ総合研究所 主任研究員 神舘 盛充
本特許は、教育現場における子どもたちの成長や運動能力の発展を、新たな視点からサポートする革新的な取り組みです。従来、小学校低学年においては体格や体力に生まれ月の影響があるという認識が主流でしたが、最新の研究からは、中学生にまでその影響が及び、我々の分析では、高校生においても身長や測定種目によっては、生まれ月が成長に多面的な影響を与えている可能性が示唆されています。この現状を踏まえ、早生まれの子どもたちが自らの成長過程に対して不必要な苦手意識を持つことなく、実際には周囲と比べても十分に遜色ないという前向きな認識を得られるよう、各学年に適した成長指標を明確化しました。これにより、指導者が適切な声かけやサポートを行うことで、子どもたちが自信を持って運動に取り組める環境作りを実現できると確信しております。