河出書房新社
オールカラー総図鑑点数740点! 昆虫学者・丸山宗利氏「昆虫への理解が深まる快感に、ページをめくる手が止まらなくなるだろう」。
株式会社河出書房新社(本社:東京都新宿区 代表取締役:小野寺優)は、『ビジュアル図鑑 昆虫 驚異の科学』(原題 The Complete Insect: Anatomy, Physiology, Evolution, and Ecology)を、2025年5月20日に刊行いたします。

地球上のほぼすべての生息地に生き、350万種という最も多様性に満ちた生物「昆虫」。本書は、読者を昆虫の世界に誘い、その驚異的な生態に、解剖学・生理学・進化・生態学、そして博物学的な観点である自然史の側面から迫ります。また、貴重な写真540点を含む総図版数740点を収録した、オールカラー368ページの大図鑑です。昆虫の魅力や美しさ、そして多様さをビジュアルで楽しみ探求することができます。


本書は、アメリカ自然史博物館の学芸員かつ同博物館に併設されたギルダー大学院の教授であるデイヴィッド・A・グリマルディ博士を編集顧問に迎え、アメリカや日本の大学に所属している昆虫に関する各分野の泰斗が集まって編纂されました。昆虫の「構造と機能」「翅と飛翔」「発生、変態、成長」「自然史」「人間と環境への影響」など、あらゆるテーマを網羅した大人のための昆虫図鑑です。
CGや高性能顕微鏡写真を駆使し、最新の科学的知見をもとにあらゆるテーマを徹底的に解説します。本書の日本語版監修に携わった昆虫学者・丸山宗利氏が、
「昆虫や生物学に興味を持つ人ならば、昆虫への理解が深まる快感にページをめくる手が止まらなくなるだろう。日本語でこれに類する網羅的な教科書はこれまでになく、その点でも極めて価値が高い。昆虫に関する疑問や不思議について、大抵のことは本書を読めば解決してくれるものと思う」
と太鼓判を押す、昆虫好きの方や自然を愛する方にとって、最新にして必読の驚異の図鑑です。
知りたかったこと、不思議だったことがすべてわかる、まさに昆虫の教科書とも言える充実の内容です。
■本書の特長
①昆虫の驚異の生態に、解剖学・生理学・進化・生態学から迫った、本格的な昆虫図鑑。
②筋肉や神経系、呼吸や排泄、生殖などの基本的な構造から、成長や変態、捕食、社会性、人間との関係まで、一冊で昆虫の科学をコンプリート。
③生きている昆虫の活き活きとした写真 はもちろん、CGや、高性能顕微鏡写真など、多様で貴重な写真が541点掲載。総図版数740点!
④用語や先行研究を解説したコラム多数。
■目次より
1 イントロダクション
昆虫とは何か?/海洋昆虫はどこにいるのか/昆虫どうしの系統関係の重要性/化石が語る進化 /現生昆虫の目とその系関係/昆虫の種の数は?/昆虫の種はなぜこれほど多いのか
2 構造と機能
昆虫の体のつくり/外皮/筋肉/神経系と感覚系/呼吸器系/循環器系/消化と排泄/分泌腺/生殖/生物学的限界を超える
3 翅と飛翔
翅の進化とその構造/翅の獲得と喪失/飛翔/飛翔のエネルギー論/飛翔だけではない翅の機能 /翅と神経系
4 発生、変態、成長
昆虫の生活史/染色体/性の決定/生殖様式/交尾/卵形成と精子形成/胚発生/産卵/卵の構造、サイズ、形状/昆虫の変態/例外的な変態/幼生期の昆虫/幼虫に似ている成熟個体/表現型可塑性とは何か/変態の内分泌機構/脱皮と「現 状維持」ホルモン/昆虫の成長/過度に大きな体の部位:誇張形質/休眠
5 自然史
水生 vs. 陸生/水生昆虫/捕食戦略/捕食者が獲物に与える影響/最強の捕食者/寄生者と捕食寄生者/社会性/植物と昆虫の相互作用
6 人間と環境への影響
生態系への貢献/農作物への影響/昆虫が媒介する病気/農業と医療/モデル生物/進化生物 学的研究/持続可能な食品/昆虫の減少
■本書より




■著者(編集顧問)紹介
デイヴィッド・A・グリマルディ(David A. Grimardi)
昆虫学者、ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館の学芸員かつ同博物館に併設されたギルダー大学院の教授。専門はハエ目(双翅目)および昆虫の地質学的記録。とりわけ琥珀に閉じ込められた昆虫化石の研究に力を注いでいる。昆虫の進化、生態、多様性、そして昆虫がいかにして陸地を支配するようになったかに広く関心を抱いており、論文等の出版物は280点におよぶ。その中に、マイケル・S・エンゲルとの共著『Evolution of the Insects』(Cambridge:2005年)がある。
■日本語版監修者紹介
丸山宗利(まるやま・むねとし)
東京都出身。昆虫学者。北海道大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。国立科学博物館、フィールド自然史博物館(シカゴ)研究員を経て2008年より九州大学総合研究博物館助教、2017年より准教授。アリと共生する昆虫を専門とし、国内外で数々の新種を発見。『昆虫はすごい』(光文社)、『アリの巣をめぐる冒険』(幻冬舎)、『神秘の標本箱―昆虫―』(KADOKAWA)、『学研の図鑑LIVE 昆虫 新版』(学研)など監著書多数。 2024年度日本動物学会「動物学教育賞」を受賞。
■訳者紹介
中里京子(なかざと・きょうこ)
翻訳家。訳書にジェイコブセン『ハチはなぜ大量死したのか』(文藝春秋)、ミルマン『昆虫絶滅』、グレーバー『がん免疫療法の突破口』(2点、早川書房)、スクルート『ヒーラ細胞の数奇な運命』(河出書房新社)ほか多数。
■書誌情報
書名:ビジュアル図鑑 昆虫 驚異の科学
著者:デイヴィッド・A・グリマルディ(編集顧問)
訳者:中里京子
日本語版監修:丸山宗利
仕様:B4変型判/上製/368ページ
対象読者:中高図書館、大学図書館、公共図書館、昆虫愛好家
初版発売日:2025年 5月20日
定価:6490円(本体5900円)
ISBN:978-4-309-25477-7