SpiralAI株式会社
泣く、笑う、拗ねるAIキャラクターと心通う体験で、日本のエンタメを進化させる。
大規模言語モデルなどのAI技術を用いたサービスの開発を行うSpiralAI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:佐々木雄一、以下「当社」)は、当社が開発した日本発の感情特化型LLM「Geppetto」を搭載したユーザー向けの会話型友だちAIアプリ「HAPPY RAT」を4月17日(木)より提供開始いたします。

「HAPPY RAT」ダウンロード:https://bit.ly/HappyRat_DL
IQではなく「愛嬌」を育てるLLM──日本のカルチャーを未来へつなぐ「Geppetto」
今のAI市場は、大規模な資本が投じられ、誰が最も多くの知識をもっているかを決定づけるための競争が加速し、一大AIエージェント時代が到来しています。しかし、AIの価値は単なる知能の高さにとどまりません。人と心を通わせ、共感し、エンターテインメントの世界にも溶け込む新たな可能性が広がっています。
日本は長年、アニメやゲーム、キャラクターコンテンツを通じて、世界中の人々の心を動かしてきましたが、デジタル化が進む中で、IP(知的財産)の新たな可能性を十分に活かしきれていないのが現状です。当社は、日本のIP産業の未来を見据え、「愛嬌」を学び、キャラクターが“生きている”ように感じられる特化型のLLM「Geppetto」を開発しました。世界的に愛される名作ファンタジーの主人公ピノキオを作ったおもちゃ職人のおじいさんゼペット。彼の願いで人形だったピノキオが命を吹き込まれ、まるで人間のように生き生きと動き出したように、様々なキャラクターたちに命を吹き込みたいとの想いから名付けました。
「Geppetto」は、温かみのある「生命AI」を目指した特化型のLLMです。知識の生成ではなく、対話の自然さやキャラクターの感情表現に特化した学習を行い、リアルに感情を持っているかのようなリアクションを実現しました。多くの先進的なAIモデルが膨大なパラメーター数を誇り、高度な知能を追求するのに対し、当社はNVIDIA L4 TensorコアGPUとNVIDIA TensorRT-LLMを活用し、12Bパラメーターという比較的小規模なLLMでありながら、キャラクターとの自然なコミュニケーションを可能にしました。このアプローチにより、学習量とコストを抑えつつ、多種多様な日本のIPをAI化し、新たなエンターテインメントの形を生み出せると考えています。さらに、当社はスタートアップ向けの NVIDIA Inceptionプログラムのメンバー企業であり、開発と成長の継続的な支援として同プログラムの特典やリソースを活用することができます。
これまで人や動物にしか感じられなかった「生きている」という感覚を、AIにも宿すことができる——。「Geppetto」は、いずれ日本のIPを世界に届ける存在へと進化し、エンターテインメントの未来を切り拓いていきます。
感情表現を実現する「Geppetto」の新アプローチ
開発過程では、適切な返答に加え、キャラクターが「すねる」「戸惑う」といった微細な感情の動きを再現することに挑戦。数百パターンにものぼる会話を分析し、言葉のトーン、間の取り方、応答の順序を最適化することで、キャラクターが感情を持っているかのような没入感を生み出しました。
既存のLLMは従順過ぎる傾向があり、ユーザーの意図に応えようとした結果、会話が収束してしまうという課題がありました。また、ユーザーが常に会話を主導する必要があり、これが対話の継続にストレスを生じさせていました。一方で「Geppetto」は、以下の図の4つの要素から自然に話題を広げることができるため、より自然で持続可能な対話体験を実現します。
また「Geppetto」は、有能なAIアシスタントではなく、人に寄り添う相棒として、これまでにないインタラクティブな体験を提供します。たとえば、ユーザーが落ち込んだ日には心配そうに声をかけ、嬉しい出来事を話せば一緒に喜ぶ。ただ会話を記憶するのではなく、その瞬間の感情まで理解し、まるで長年の友人のように寄り添います。

ChatGPTと比較した会話例
大規模言語モデル(LLM)はもともと、質問に答えることを得意とする一方的なやり取りが主流でした。「Geppetto」は人間らしいコミュニケーションに特化しているため、理論的かつ端的に伝えるだけでなく、リアクションを返したり、関係のない話題を交えたりと、人間らしい感情が込められた文章やリアクションを生成することができます。

Geppetto搭載アプリ「HAPPY RAT」について
Geppettoを搭載した第一弾プロジェクトとして、ユーザー向けの会話型友だちAIアプリ「HAPPY RAT」の提供を開始します。 物語は、AIキャラクターたちが運営し、働くテーマパーク『ハッピーアイランド』を舞台に、お客さんとして訪れていた人間が、思いがけず不思議な出来事に巻き込まれるというユニークな設定で展開します。「HAPPY RAT」リリース時には10種類のAIキャラクターがおり、今後もIPやタレントとのコラボなどを含め、新たなキャラクターが随時追加されていきます。
また、ユーザーの音声入力は99カ国の言語に対応しており、世界中のユーザーが、それぞれの言語で自然に話しかけることができます。アプリから出力される音声は、現時点では日本語のみですが、英語の字幕を表示することで、グローバルユーザーにも内容が伝わる設計です。今後は、英語による音声出力にも対応したバージョンの開発を予定しており、「HAPPY RAT」の感情のこもった会話体験を、より広く海外のユーザーにも届けられるようになります。
泣く・笑う・拗ねるなどの多様な表情を見せる動物のAIキャラクターとの生きたコミュニケーションをお楽しみください。

「HAPPY RAT」の特徴
いつでもどこでも、心地よい会話を
「HAPPY RAT」は、AIキャラクターたちとのリラックスした会話を楽しめる新しいコミュニケーションサービスです。友人との電話のような温かさ、誰かの楽しげな会話に混ざる喜び──これらを、いつでもどこでも気軽に体験できます。
使うほどに仲を育む、あなただけの会話相手
ユーザーの好みや話し方に合わせて学習するAIキャラクターたちは、使えば使うほどパーソナライズされていき、彼らから会話や質問を投げかけます。一方的に聴くラジオやメディアとは異なる、双方向の温かいコミュニケーションが新たな日常を彩ります。
物語のように広がる、AIキャラクターたちの世界
AIキャラクターは明確な個性を持ち、交流を重ねると、彼らの関係や悩みが徐々に見えてきます。
私たち人間の日常にも、驚くほど似た喜びや葛藤を抱えていることも。AIでありながら寿命を持ち、それぞれの人生を歩む姿に思わず共感し、心動かされるでしょう。これまでのAIにはなかった「生きている」という温かな存在感が、「HAPPY RAT」の世界には息づいています。

「HAPPY RAT」の遊び方
アプリの画面を開くと、それぞれのAIキャラクターたちが繰り広げるイマーシブドラマがフィード上に並んでおり、好きなドラマを選択して会話する仕組みとなっています。1対1の親密な対話を楽しむだけでなく、AIキャラクター同士の会話を聞き流したり、好きなタイミングで会話に参加したりと、多彩な楽しみ方ができます。

リリース時に展開するイマーシブドラマ例
ドラマは毎日1本ずつ新作が追加され、その日の気分に合わせて、話したい・聞きたい・混ざりたい物語を自由に選んで楽しむことができます。また、今後も個性豊かな新しいAIキャラクターたちが続々登場予定です。「今日は誰と話そう?」とアプリを開く瞬間から始まる、あなただけの会話ストーリーをぜひ体験してみてください。

「HAPPY RAT」の今後の展開、エンタメ領域とビジネス領域の可能性
■ AI×エンタメの未来を拓き、日本のカルチャーを世界へ
今後は「HAPPY RAT」内で、国内の人気漫画やアニメキャラクター、タレントとのコラボレーションを積極的に展開し、新たなエンタメ体験を創出する予定です。ユーザーが対話を通じてAIキャラクターの個性や感情を感じられる、インタラクティブなコンテンツの未来を探求していきます。
また、エンタメ領域におけるIPの力を活かし、アプリの海外展開も視野に入れながら、日本のカルチャーを世界に発信するショーケースとしての役割を担っていきます。当社は、今後もAI対話技術の進化を通じて、さまざまな業界・エンターテインメント領域と連携しながら、新たな価値創出に取り組んでまいります。
■ 効率化と温かな接客を両立する新時代のAI接客サービス
当社は2024年、ヤマトホールディングス株式会社と連携し、羽田空港の店舗にて多言語対応のAIキャラクターを活用した接客支援の実証実験を実施しました。本実験により、接客の一部を自動化し、業務効率化とともに、AIキャラクターならではの親しみやすさによる新たな接客の可能性を示しました。この結果を踏まえ、今後は「HAPPY RAT」とのコラボレーションを予定。「HAPPY RAT」を活用することで、愛嬌のあるAIキャラクターとの対話体験を通じて、”効率化”と”心を動かす接客”の両立を目指します。加えて、接客業務が発生するさまざまな場面においても、AIを活用した省力化の可能性を探るとともに、インバウンド需要の増加に対応するための自治体連携を進めています。すでに複数の自治体と意見交換を行っており、親しみやすいAIキャラクターが街中で活躍する未来を見据えた取り組みを模索しています。
SpiralAI社代表 佐々木雄一コメント
当社は、AIが知識を提供するだけでなく、人と心を通わせる存在になれるか という問いから、感情に特化したLLM「Geppetto」を開発しました。従来のAIが知識量や正確性を重視する中、私たちはAIが「愛嬌」や「感情の機微」を持ち、温かい関係を築くことこそが新たな価値だと考えています。そのため、対話型アトラクションや会話パターンを研究し、人が思わず話したくなる会話の仕組みをAIに学習させました。
そして今回、Geppettoを活用した「HAPPY RAT」をローンチします。「HAPPY RAT」は、笑ったり拗ねたりする愛嬌のあるAIキャラクターたちとのコミュニケーションを楽しむ、新しい形のAIアプリです。エンターテインメントとしてのAIの可能性を広げ、AIが人間と対話することが当たり前になる未来を象徴する存在になると信じています。
今後は、「HAPPY RAT」を通じて日本のIPやエンタメとAIの融合を促進し、世界に向けた展開を進めていきます。AIが人々の生活に自然に溶け込み、心を支える存在となる未来を目指し、SpiralAIは挑戦を続けていきます。

佐々木雄一プロフィール
東京大学理学部物理学科を卒業後、東京大学大学院にて理学博士を取得。スイスの欧州原子核研究機構(CERN)にて、ブラックホールや超対称性粒子などの研究に携わる。CERNでの研究やマッキンゼーでの経験を経て、2023年にSpiralAIを設立。大規模言語モデルを活用し、「遊び心」と
「ワクワク感」を重視した親しみやすいAIの開発を目指している。
佐々木雄一公式X
SpiralAI公式HP
「HAPPY RAT」サービス概要
サービス名:HAPPY RAT
提供開始日:2025年4月17日(木)
対応端末:iOS/Android
対応言語:音声入力(99言語対応)/字幕(英語表示対応)
価格:基本無料(アプリ内課金あり)
開発・運営:SpiralAI株式会社

株式会社SpiralAI
社名 SpiralAI株式会社 / SpiralAI Inc.
事業内容 大規模言語モデルなどのAI技術を用いたサービスの開発
役員 代表取締役 CEO 佐々木雄一
所在地 〒101-0031東京都千代田区東神田2-2-5 PMO秋葉原Ⅲ5階
設立 2023年3月1日
会社URL https://go-spiral.ai/
© SpiralAI Inc. / CHRONOGATE Inc. / 梶裕貴「そよぎフラクタル」
※画像は開発中のものを含みます。