株式会社ウィザス
~ 卒業・入社で減退する学びへの積極性、学ばない社会人65% ~
教育を軸としたサービスを展開する総合教育サービス企業の株式会社ウィザス(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:生駒富男)は、2025年に創業50周年を迎えました。幼児教育から、学習塾、高校・大学、能力開発・キャリア支援、および日本語学校まで、幅広い教育サービスを提供しているウィザスグループは、教育全般のより良い発展に資することを目的として、幼児から学生、および社会人の「学び」に対する意向を調査しました。
本調査は2025年3月にWebアンケートを用いて実施しました。調査対象は、都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、幼児から大学・専門学生までの子供がいる保護者1,120名と、同じく都市部に居住する20歳~69歳の会社員・職員(公務員等)1,014名の、合計2,134名です。
■保護者のプロフィール

■会社員・職員(公務員等)のプロフィール

調査の結果、日本の保護者は子供の将来に、できるだけ良い進学や、できるだけ良い就職を期待しており、そのため、学ぶ機会としての受験勉強に肯定的な傾向にあることが分かりました。2025年現在の保護者は教育に熱心で、特に「礼儀」を重視する傾向にあります。国際感覚の育成には消極的ですが、英語教育には肯定的でした。これは英語教育を受験勉強の一環と考えている可能性を示唆しています。AIの利用については、その弊害を気にしてか、意見が割れる結果となりました。社会人になると年齢を重ねるにつれて、学びへの積極性が減退していくことが明らかとなりました。なお、学びを続けている社会人には役職者が多いようです。
保護者の意向もあり、子供は幼児から学生にかけて多くの学びを得ているものと考えられますが、社会人になると学びに消極的となることが浮き彫りとなりました。子供には学びの機会を与えている反面、大人は学んでいないというのは不都合な現実かもしれません。
調査サマリー
1.子供にもっとも期待していることは、「良い進学先」と「良い企業」
2.教育には学力よりも、まず礼儀! 礼儀に注力する保護者78.8%
3.子供の成長につれて、受験に肯定的となる傾向。小学校受験の49.8%から就活の85.0%に
4.国際感覚の育成には消極的も、英語教育には熱心! 幼児・小学生への「英語教育」有益、約8割
5.AI利用、保護者の意見は真っ二つ。小中高の各世代で
6.2025年最新! 世代ごとの教育トピック総まとめ。幼児から大学・専門学生まで
7.社会人になると学びへの積極性が減退していく・・。50代がもっとも低く26.3%
8.スキルアップに取り組んでいるのは37.7%、社会人の消極的な姿
9.目的は生産性向上、結果的に昇進も! 課長級以上は57.3%がスキルアップ実践
1.子供にもっとも期待していることは、「良い進学先」と「良い企業」
幼児から大学・専門学生の子供がいる保護者1,120名を対象に、子供の将来に期待することを聞いたところ、「できるだけ良い進学先に進んで欲しい」と「できるだけ良い企業に入って欲しい」がトップでした(図1)。2025年現在、保護者は進学や就職を第一優先と位置付けており、現実的な将来を思い描いている傾向にあることが分かりました。
次いで、「周りから尊敬される人になって欲しい」が27.7%でした。この回答を世代ごとにみてみると、尊敬される人への期待は、世代を経るごとに少なくなる傾向がみられました(図2)。子供が成長し、進学や就職が現実味を帯びるにつれて、やや抽象的な「尊敬される人」への関心が薄れていくのではないかと考えられます。


2.教育には学力よりも、まず礼儀! 礼儀に注力する保護者78.8%
実際の教育で力を入れていることを確認したところ、「礼儀」がダントツのトップでした(図3)。日本人の礼儀正しさは、保護者の教育方針によるところが大きいと考えられます。次いで、「主体性」「社会性」「学力」の育成に力を入れていることが分かりました。先の設問(図1)で、良い進学先、良い企業への期待がみられましたが、進学、ひいては就職に必要な「学力」よりも、「礼儀」に注力していることが明らかとなりました。
なお、このなかで、もっとも注力されていないのは「国際感覚」の42.9%でした。

3.子供の成長につれて、受験に肯定的となる傾向。小学校受験の49.8%から就活の85.0%に
各世代の保護者ごとに、子供の学びにとって受験(※1)が有益と思うか聞いたところ、世代を経るごとに、受験を有益と考える傾向にありました(図4)。小学校受験は約半数の49.8%、大学受験は75.8%、就活・インターンは85.0%が肯定的でした。良い進学先、良い企業を期待する保護者にとって、その過程にある受験はとりわけネガティブなものでもないようです。
※1:各世代の保護者ごとに、該当する受験についての意向を確認。例えば、幼児の保護者であれば小学校受験に対する意向

4.国際感覚の育成には消極的も、英語教育には熱心! 幼児・小学生への「英語教育」有益、約8割
2020年度に小学校での英語が教科化されて5年。幼児、および小学生の保護者が英語教育にどのような意向であるか確認したところ、約8割が有益と回答しました(図5)。しかしながら、先の設問(図3、図4)で国際感覚の醸成には積極的でないこと、受験には肯定的であることから、保護者は英語教育を受験勉強の一環と考えている可能性を示唆しています。英語を学ぶ目的をあらためて確認する必要があるのかもしれません。

5.AI利用、保護者の意見は真っ二つ。小中高の各世代で
2022年11月にChatGPTが公開されて以降、教育現場でもAIの利用についての議論がなされ、文部科学省からガイドライン(※2)が出されています。そこで、小学生から高校生の保護者に生成AIの利用についての意向を確認したところ、その意見は真っ二つでした(図6)。否定派は、子供が自分自身で考える力を育成できないことを懸念していると思われますが、世界はすでにAIの時代に突入しており、好むと好まざるとに関わらず、これと関わっていかなければなりません。ガイドライン等を参考にして、AI利用についての議論を深めることが重要だと考えられます。
※2:生成AIの利用について(https://www.mext.go.jp/a_menu/other/mext_02412.html)

6.2025年最新! 世代ごとの教育トピック総まとめ。幼児から大学・専門学生まで
世代ごとの教育トピックについて、各世代の保護者に対して、それが学びにとって有益と思うか聞きました。
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「習い事(スポーツ、音楽など)」は、幼児から高校生までの幅広い世代で有益と捉えている
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「金融教育(お金に関する知識)」は、小学生で有益と考える傾向
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「国際教室(外国人児童と共に学ぶ)」「通級指導(障がいのある生徒と共に学ぶ)」は、このなかでは有益と回答する割合がやや少ない。多様性を認めて共に学ぶことのメリットを啓発する必要性を示唆
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「学校外の授業(塾、家庭教師など)」は、中学生にとって特に有益。受験対策へのニーズは高い
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「部活動」は、中高ともに有益と考える傾向。地域移行などを含めた今後の在り方は重要な論点






7.社会人になると学びへの積極性が減退していく・・。50代がもっとも低く26.3%
会社員・職員(公務員等)として働いている20~69歳の社会人1,014名に、「一般教養や社会情勢についての知識習得、自主的なスキルアップなど、広い意味での『学び』に取り組んでいますか」と聞いたところ、全世代では35.0%が取り組んでいると回答しました(図13)。年代別では20代が42.9%ともっとも高く、50代にかけて26.3%まで減少しています。
さらに、学びに取り組んでいない人を対象に、その理由を聞いたところ、「学びにさける時間がないから」が27.5%とトップ、次いで「学ぶ必要性を感じないから」が15.9%でした(図14)。


8.スキルアップに取り組んでいるのは37.7%、社会人の消極的な姿
続いて、スキルアップに限定して、これに取り組んでいるか聞いたところ、何かしらに取り組んでいる人は37.7%でした(図15、「特に取り組んでいることはない」の62.3%以外)。
これまでみてきたとおり、保護者の意向もあり、子供は幼児から学生にかけて多くの学びを得ているものと考えられますが、社会人になると仕事に必要なスキルの向上にも消極的であることが浮き彫りとなりました。子供には学びの機会を与えている反面、大人は学んでいないというのは不都合な現実かもしれません。

9.目的は生産性向上、結果的に昇進も! 課長級以上は57.3%がスキルアップ実践
スキルアップに取り組んでいる人にその目的を聞いたところ、「自分自身の生産性をあげるため(業務知識等の向上)」がダントツのトップで56.3%、次いで「給与アップのため」が33.0%でした(図16)。キャリアアップにもつながる「転職するため」「昇進するため」はやや少なく、それぞれ16.0%、13.4%でした。

さらに、役職ごとにスキルアップに取り組んでいる人の割合をみたところ、一般社員、契約・派遣社員は3割程度であるいっぽう、主任・係長級は50.0%、課長級以上では57.3%にのぼることが分かりました(図17)。スキルアップの目的として「昇進」をあげる人の割合はあまり多くありませんが(図16)、スキルアップに取り取り組んでいる人に役職者が多いのは確かなことのようです。
※注:役職「その他」の回答者を除く

<調査概要1>
調査名称:お子さまの教育方針についてのアンケート
調査期間:2025年3月10日~3月11日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳で、幼児から大学・専門学生までの子供がいる保護者
調査数 :1,120名
調査方法:Webアンケート
特記事項:本調査レポートの図1~図12に該当
<調査概要2>
調査名称:スキルアップや学びについてのアンケート
調査期間:2025年3月7日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~69歳の会社員・職員(公務員等)
調査数 :1,014名
調査方法:Webアンケート
特記事項:本調査レポートの図13~図17に該当
株式会社ウィザスについて
株式会社ウィザスは、「顧客への貢献」「社員への貢献」「社会への貢献」という3つの貢献を通じて、教育分野を中心に、一人ひとりの夢の実現に取り組む総合教育サービス会社です。すべては「成功」へのプロセスと考える“プラスサイクル”思考を基にした高校・大学事業、学習塾事業、キャリア支援事業を中心に、「社会で活躍できる人づくり」を実現できる最高の教育機関を目指しています。
社 名 :株式会社ウィザス
代表者 :代表取締役社長 生駒 富男
所在地 :〒541-0051 大阪府大阪市中央区備後町3-6-2 KFセンタービル
設 立 :1976年7月10日
資本金 :12億9,937万5,000円
従業員数:正社員 1,045名(連結子会社含む 2024年12月末現在)
事業内容:総合教育サービス
URL :https://www.with-us.co.jp

50周年記念ロゴに込めた想い
ウィザスグループがグループ内で寄り添いながら、今までも、これからも共に成長し続ける様子を表現しました。
本プレスリリースに関するお問い合わせ先
株式会社ウィザスPR事務局(奈良アクア・ラボ株式会社内)
担 当:井手・宮田
TEL:090-6516-2876 、090-2074-5317
E-mail:k.ide_aqua@kcn.jp 、k.miyata_aqua@kcn.jp
ウィザスグループ全般に関するお問い合わせ先
株式会社ウィザス 経営戦略本部 グループ広報部
担 当:小笠・司城
所在地:〒541-0051大阪府大阪市中央区備後町3-6-2 KFセンタービル
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E-mail:ogasa.michitoshi@with-us.co.jp 、shijo.masaomi@with-us.co.jp