日揮HD
―米国アモジー社が開発した分解触媒を利用―
日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長兼社長CEO:佐藤 雅之、以下「日揮HD」)は、大規模アンモニア分解による水素製造の技術開発(以下「本技術開発」)に向け、米国スタートアップ企業であるアモジー社と同社の触媒活用に関する基本合意書(以下「MOU」)を締結しましたので、お知らせいたします。本MOU締結により、日揮HDが推進する大規模アンモニア分解技術開発の加速と、水素製造コスト低減などの効果を期待しています。
日揮HDは2023年より、株式会社クボタ、大陽日酸株式会社と共同でNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」(以下「本事業」)※の一環で、年産10万トンの大規模な水素製造事業への参入を視野に、アンモニアを熱分解し水素を得る技術開発を推進しています。本技術開発における日揮HDの主な役割は、全体プロセス設計・開発や、分解炉の設計・開発です。
アンモニア分解システム全体の効率向上においては、アンモニア分解触媒が重要な要素技術のひとつです。アモジー社の低ルテニウム含有触媒はルテニウム量が少なく低い反応温度でアンモニアを水素などに分解することが可能なため、全体システムの効率化および水素製造コスト低減に寄与することが見込まれます。
また、日揮HDとアモジー社との関係構築は、水素・アンモニアおよびCCUS分野における技術提案力などの強化に向けて、日揮HDが2024年に出資した英国ベンチャーキャピタルファンド「AP Ventures Fund Ⅲ」が契機となりました。
日揮HDは、本事業における技術実証プラントにおいて、2025年度内に実証プラントのFEED(基本設計)を実施し、アモジー社の低ルテニウム含有触媒を活用する予定で、高効率でCAPEX(初期投資額)を抑えた水素製造技術の実現を目指してまいります。
日揮グループは今後も革新的な技術やソリューションを持つ企業との協業も視野に連携を強め、カーボンニュートラル社会に欠かせない大規模な水素製造の技術開発を加速してまいります。

日揮HD 専務執行役員 TCO 秋鹿 正敬
「大規模アンモニア分解技術は産業規模の世界的なクリーン水素・アンモニアのサプライチェーン実現に向けた開発と商業化のための最後の要素の一つとなっています。アモジー社との協業により、低ルテニウム含有触媒を利用した日揮HDのアンモニア分解プロセスの向上に期待しています。」
アモジー社CEO and Co-Founder Seonghoon Woo
「我々のアンモニア分解触媒の最初の実証プラントへの展開はアモジー社にとって大きな達成であり、水素産業にとっての進歩でもあります。この先駆的なプロジェクトに貢献し、水素キャリアとしてアンモニアを使った大規模水素製造の発展のために重要な役割を担うことを誇りに思います。我々の触媒技術は、競争的な水素サプライチェーンを構築する上で重要な要素であるアンモニア分解の効率と費用対効果の向上に貢献できると考えています。」
(ご参考)アモジー社の概要
・会社名 : AMOGY Inc.
・代表者 : Mr. Seonghoon Woo, CEO and Co-Founder
・設立 : 2020年11月
・所在地 : 19 Morris Avenue, Brooklyn, NY 11205
・資本金 : 約USD 1 mil
・事業内容 : アンモニアのエネルギー変換モジュールシステムの開発、ならびにアンモニア分解触媒の開発および製造
・ホームページ : https://amogy.co/