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株式会社ストラテジックキャピタルが日本製鉄株式会社への株主提案を公表

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株式会社ストラテジックキャピタル

Shareholder Proposal to NIPPON STEEL.

弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び弊社(以下「提案株主」と総称します。)は日本製鉄株式会社(以下「日本製鉄」又は「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しております。

提案株主は、今般、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送いたしましたので、本件を公表いたします。

日本製鉄は、2025年3月末時点で、上場子会社を5社有していますが、そのうち4社のPBRは1倍未満であり、子会社の怠慢な経営を放置しています(なお、当社はそのうちの1社である山陽特殊製鋼株式会社をPBR僅か0.66倍の株価で完全子会社化のうえ非公開化することを公表しています。)。また、当社の上場子会社は、預け金・貸付金といった形で多額の余剰資金を日本製鉄に預け入れることで資本効率の悪化を招いてきたほか、取締役の大半が日本製鉄の出身者となっており、実質的に当社の天下り先となっています。

また、親会社である日本製鉄のPBRも1倍を割れている状況ですが、当社の代表取締役は低迷する株価とは対照的に多額の報酬を受け取っています。

今般の提案株主は、このような日本製鉄グループの怠慢な経営の是正に向けたものです。株主提案の内容及び提案の理由は下記の通りですが、ポイントは、①上場子会社の少数株主保護を行うこと(適切な開示、問題のある上場子会社への対応等)、②代表取締役に対し株式報酬を付与するとともに、固定報酬・業績連動報酬・株式報酬の割合を変更すること、及び③代表取締役に対する報酬にクローバック条項を追加することです。

今後開設予定の特設サイトでは、提案の背景及び提案に関する詳細な説明を掲載いたします。特設サイト開設は、弊社ホームページ(https://stracap.jp/)にてお知らせいたします。

なお、提案株主は当社の子会社の一つである大阪製鐵株式会社(以下「大阪製鐵」といいます。)の株主でもあり、大阪製鐵に対しても定時株主総会に向けた株主提案を行う予定です。

目次

[1] 提案する議題の内容

1.子会社管理に係る定款変更の件

現行の定款に以下の章及び条文を新設する。

第7章 子会社の管理

第36条

1.本会社が親会社となっている上場子会社について、本会社及び上場子会社の株主価値最大化及び上場子会社の少数株主保護の観点も踏まえ、次に掲げる点を取締役会で1年に1回以上審議し、本会社が金融商品取引所に提出するコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、当該報告書の対象となる事業年度内に行われたその審議の内容を開示する。

(ア)上場子会社として維持することが本会社及び上場子会社の株主価値向上にどのように資するか(完全子会社化等による非公開化を行わず、敢えて上場子会社として維持する理由など)

(イ)親会社として上場子会社の経営に規律を持たせ、かつ、上場子会社の少数株主の利益を保護できるガバナンス体制となっているか

2.上場子会社の前事業年度中の最終取引日時点のPBR(普通株式の株価を1株当たり連結純資産(発行済株式数から自己株式数を控除するほか、企業会計基準適用指針第4号「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」に従い算定した数値をいう。)で除して算定した数値をいう。)が1倍未満である場合、又は前事業年度末の自己資本利益率が8%未満である場合、当上場子会社の経営計画の妥当性を取締役会で1年に1回以上審議し、当上場子会社へ改善計画の策定を要請するとともに、本会社が金融商品取引所に提出するコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、当該報告書の対象となる事業年度内に行われたその審議及び当上場子会社への要請の内容を開示する。

3.上場子会社の発行する株式が上場する各証券取引所の定める上場維持基準に抵触している場合(上場維持基準に抵触するに至る可能性が高いと客観的に考えられる場合を含む。)、当上場子会社の少数株主利益を確保する観点から適切な対応方針(本会社による完全子会社化や吸収合併による非公開化を含む。)を取締役会で1年に1回以上審議するとともに、本会社が金融商品取引所に提出するコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、当該報告書の対象となる事業年度内に行われたその審議の内容を開示する。

2.代表取締役に対し、譲渡制限付株式報酬を付与すること及び固定報酬、業績連動報酬、株式報酬の構成比を変更するための報酬決定の件

本議案は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対して支給する報酬の上限を現在の年額34億8000万円以内(うち、社外取締役分は年額1億6800万円以内)から変更することなく、代表取締役に対する報酬に譲渡制限付株式報酬(以下「株式報酬」という。)を導入するとともに、代表取締役に対する報酬における固定報酬、業績連動報酬及び株式報酬の構成比を変更することを求めるものである。

現行の代表取締役に対する報酬制度及び変更後の代表取締役に対する報酬制度は以下のとおりとする。

当社の取締役に対する報酬に関する事項であって、以下に定めのない事項は、現行の報酬制度及び本定時株主総会で決議された他の議案の規定に従う。

(現行の代表取締役に対する報酬制度)

1.代表取締役の報酬は固定報酬と業績連動報酬により構成される。

2.業績連動報酬に係る指標は、実力ベース連結事業損益(連結事業損益から在庫評価差等を控除したもの)を用い、業績連動報酬の基準額は6000億円の達成時とする。

3.上記2の基準額達成時の固定報酬と業績連動報酬の比率は50:50とする。

(変更後の代表取締役に対する報酬制度)(下線は変更箇所を示す。)

1.代表取締役の報酬は固定報酬、業績連動報酬及び譲渡制限付株式報酬(以下「株式報酬」という。)で構成される。

2.業績連動報酬に係る指標は、実力ベース連結事業損益(連結事業損益から在庫評価差等を控除したもの)を用い、業績連動報酬の基準額は6000億円の達成時とする。

3.上記2の基準額達成時の固定報酬、業績連動報酬及び株式報酬の比率は30:30:40とし、固定報酬及び業績連動報酬の金額は、いずれも株式報酬の金額を上回ってはならない。

4.株式報酬は「譲渡制限付株式」を付与する。本議案に基づき、株式報酬の支給対象となる代表取締役(以下「対象取締役」という。)に対して「譲渡制限付株式」の付与のために支給する報酬等は金銭報酬債権とし、その総額は年額13億2480万円以内とする。各対象取締役への具体的な支給時期及び配分については、「役員人事・報酬会議」の諮問を経て取締役会において決定する。また、対象取締役は、当社の取締役会決議に基づき、本議案により支給される金銭報酬債権の全部を現物出資財産として給付し、当社の普通株式について発行又は処分を受けるものとし、これにより発行又は処分される当社の普通株式の総数は、400000株以内(ただし、本株主提案がなされた日以降、当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含む。)又は株式併合が行われた場合その他本制度に基づき発行又は処分される当社の普通株式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、当該総数を、合理的な範囲で調整する。)とする。なお、その1株当たりの払込金額は取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、当社の取締役会において決定する。また、これによる当社の普通株式の発行又は処分並びにその現物出資財産としての金銭債権の支給に当たっては、当社と対象取締役との間で、以下の内容を含む譲渡制限付株式割当契約(以下、「本割当契約」という。)を締結することを条件とする。

本割当契約の内容の概要

(1)譲渡制限期間

 対象取締役は、本割当契約により割当を受けた当社の普通株式(以下「本割当株式」という。)の払込期日から当社又は当社子会社の役職員の地位のうち当社の取締役会が予め定める地位を退任する時点の直後の時点までの期間(以下「譲渡制限期間」という。)、本割当株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下「譲渡制限」という。)。

(2)譲渡制限の解除

 当社は、対象取締役が、当社の取締役会が予め定める期間(以下「役務提供期間」という。)中、継続して、上記(1)に定める地位にあったことを条件として、本割当株式の全部について、譲渡制限期間が満了した時点をもって譲渡制限を解除する。ただし、当該対象取締役が、任期満了、死亡その他の正当な理由により、役務提供期間が満了する前に上記(1)に定める地位を退任した場合には、譲渡制限を解除する本割当株式の数及び譲渡制限を解除する時期を、必要に応じて合理的に調整するものとする。また、当社は、上記の定めに従い譲渡制限が解除された直後の時点において、なお譲渡制限が解除されていない本割当株式を当然に無償で取得する。

(3)正当な理由以外の理由による退任時の取扱い

 上記(2)の定めにかかわらず、対象取締役が譲渡制限期間中に、正当な理由以外の理由により上記(1)に定める地位を退任した場合には、当社は、本割当株式を当然に無償で取得する。

(4)組織再編等における取扱い

 上記(1)の定めにかかわらず、当社は、譲渡制限期間中に、当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転契約その他の組織再編等に関する事項が当社の株主総会(ただし、当該組織再編等に関して当社の株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認された場合には、当社の取締役会の決議により、譲渡制限期間の開始日から当該組織再編等の承認の日までの期間を踏まえて合理的に定める数の本割当株式について、当該組織再編等の効力発生日に先立ち、譲渡制限を解除する。また、当社は、上記に定める場合、譲渡制限が解除された直後の時点において、譲渡制限が解除されていない本割当株式を当然に無償で取得する。

(5)その他の事項

 本割当契約に関するその他の事項は、当社の取締役会において定めるものとする。

3.代表取締役に対する業績連動報酬にクローバック条項を追加する件

本議案は、代表取締役に対する業績連動報酬の支払いを繰り延べ、本定時株主総会以降に株式を取得し、新たに当社の連結子会社又は持分法適用会社とした企業(既存企業の株式を新規に取得する場合、既に出資している既存企業の株式を追加で取得する場合及び新規に会社を設立する場合を含む。以下「子会社等」という。)に関連した損失(のれん、無形資産、有形固定資産の減損損失を含むが、これに限られない。以下同じ。)が発生した場合に、以下の内容にて当該業績連動報酬の一部を没収することを求めるものである。

対象とする業績連動報酬の繰延額、没収事由となる子会社等に関連した損失への該当性及び減算する具体的な金額は、「役員人事・報酬会議」の諮問を経て、取締役会で決議する。

(1)支払いの繰り延べ及び没収の対象となる報酬の種類

株主総会の決議に基づいて代表取締役に支払われる業績連動報酬であって、本定時株主総会以降に決定し、支払いが行われるもののうち、「役員人事・報酬会議」が支払いの繰り延べ及び没収の対象として適法であると認めたもの、または、対象となる代表取締役が支払いの繰り延べ及び没収に同意したもの

(2)報酬の支払いが繰り延べられる期間

5年間(以下「繰延期間」という。)

(3)支払いを繰り延べていた報酬の取り扱い及び報酬の没収

(ア)本定時株主総会以降に株式を取得した子会社等に関連する損失が繰延期間中に発生しなかった場合

当社は、繰延期間の満了時に、対象となる代表取締役に対し、支払いを繰り延べていた報酬の総額に法定利率相当の金利を加算して支給する。

(イ)本定時株主総会以降に株式を取得した子会社等に関連する損失が繰延期間中に発生した場合

当社は、繰延期間の満了時に、対象となる代表取締役に対し、子会社等の株式を取得した時点から当該損失が発生した時点までの業績を基準に算定した業績連動報酬について、連結事業損益から当該損失額を期間按分により費用として控除したうえで算定し直し、減算した金額を支給する。

[2] 提案の理由

1.子会社管理に係る定款変更の件

当社は2025年3月末現在、上場子会社を5社(うち1社は非公開化予定)有しているが、そのうち4社のPBRは1倍未満であり、子会社の怠慢な経営を放置している。

加えて、親子上場においては子会社の少数株主との利益相反リスクがある。例えば、当社上場子会社は長年にわたり、当社に対し多額の資金を低い金利で供与してきたが、それは当該子会社の株主資本コストに全く満たず、資本効率の低下と少数株主の利益棄損を招いた。

当社が従来通り支配株主として便益を享受することを望むのであれば、これら子会社を完全子会社化・非公開化すべきである。親子上場を維持する場合は、双方の株主の共通の利益拡大と子会社の少数株主の利益保護を図ったうえで、敢えて親子上場を継続する理由等をコーポレート・ガバナンス報告書に明記すべきである。

また、上場維持基準に抵触し、またはその可能性が高い上場子会社については、より一層の少数株主保護が求められる。

2.代表取締役に対し、譲渡制限付株式報酬を付与すること及び固定報酬、業績連動報酬、株式報酬の構成比を変更するための報酬決定の件

本議案は、代表取締役の報酬に株式報酬を導入するとともに、固定報酬、業績連動報酬及び株式報酬の構成比を変更することを企図している。

現在、当社の代表取締役の報酬は固定報酬と業績連動報酬が50:50の割合で構成されており、株式報酬は設けられていない。

当社は最重要指標としてグローバル粗鋼生産能力1億トン、連結事業利益1兆円を掲げているが、適切な価格で投資・買収等が行われない限り、株主価値が向上するとは限らない。

当社グループは、上場子会社及び親会社である当社いずれの株価も低迷している。現会長兼CEOの橋本英二氏がはじめて代表取締役に就任した2016年以降、当社のPBRは一度も1倍を上回ったことがない。

そのため、代表取締役に対する株式報酬を導入し、株主価値向上のインセンティブを強化すべきである。

なお、今後、USスチールをはじめとした大型買収等が実現した場合は、業績連動報酬の基準額も見直すべきである。

3.代表取締役に対する業績連動報酬にクローバック条項を追加する件

本議案は、代表取締役に対する業績連動報酬の支払いを繰り延べ、将来的に当社が買収等を行った企業に関連する損失が発生した場合に、その一部を没収することを求めるものである。

当社は、最重要指標として、グローバル粗鋼生産能力1億トン、連結事業利益1兆円を掲げ、現在、USスチールの買収を目指している。当該買収は大きな成長可能性を有する一方、買収による規模拡大が株主価値拡大に繋がるかといった観点では懸念が残る。

現状、当社の国内上場子会社の大半はPBR1倍割れが常態化しており、それらを見る限り、当社の買収対象となった子会社の企業価値が買収により必ず高まるといえるかは疑わしい。

そのため、当社が本定時株主総会以降に買収等を行った企業に関連し、減損等の損失が発生した場合、当該損失額を加味したうえで業績連動報酬を算定し直し、減算した金額を支給すべきである。

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株式会社ストラテジックキャピタル

株式会社ストラテジックキャピタル

会社経営陣との対話や株主の権利行使などを通じて、企業・株主価値の向上を目指します。

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年4月17日 15時30分)

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