NPO法人Reジョブ大阪
SNSを中心に、失語症当事者や家族から、「リハビリが受けられなくて困っていた」、「新たな支援策に希望を感じる」といった共感の声!9月の提供開始に向けて、ネクストゴール目標達成金額設定

ことばに困る人のそばにそっと寄り添い、誰もが声を取り戻せる社会を目指している、ことばの天使株式会社(大阪府大阪市 代表:多田紀子、以下ことばの天使)は、脳卒中による失語症を経験した当事者が、自らの経験をもとに開発に取り組むAIリハビリアプリ「Speech Link(スピーチリンク)」が、クラウドファンディングでファーストゴールとなる目標金額の200万円を達成したことを発表します。 失語症で言葉に困る人が、自宅で、スマホで、安心してリハビリに取り組めることを目指したこのプロジェクトには、すでに133人以上の方々よりご支援いただきました。(4月17日18:00時点)
4月25日の「失語症の日」に向け、さらに当事者と社会をつなぐ新たな一歩を踏み出します。
日本には現在、50万人以上の失語症当事者がいると推定されています。主な原因は脳卒中です。「言いたいことがあるのに、言葉が出てこない」。 これは失語症の当事者が日常的に直面している苦しみです。 しかし、病院でのリハビリを終えた後も、多くの方が「通院リハビリは週1〜2回が限界」「自主練習が続かない」といった課題を抱えています。 実際、退院後の言語リハビリ継続率はわずか2割以下ともいわれています。
この現状を変えるべく立ち上がったのが、自らも脳卒中による失語症を経験した石渡達也(プロジェクトマネージャー)です。 脳出血による重度の失語を経験し、トレーニングを通じて社会復帰を果たした石渡氏は、「言葉を失う苦しみ」と「回復への手応え」の両方を知る当事者です。 そんな彼が、言語聴覚士(以下、ST)や開発チームとともに手がけているのが、スマホから手軽に使えるAIリハビリ支援アプリ「Speech Link」です。 【Speech Linkとは】
Speech Linkは、AIとST専門職の支援を組み合わせた“ハイブリッド型”のリハビリアプリです。 ユーザーは、宿題モードやフリートークモードなどを通じて、AIとの対話を通じて練習しながら、STによるフィードバックも得られます。
・ 📱 利便性:いつでも・どこでも、スマホで手軽にアクセス
・ 🤖 技術支援:AIによる音声認識・評価分析
・ 👩⚕️ 専門性:STによる課題とサポート
・ 📈 継続支援:スコア可視化・お気に入り宿題機能など、モチベーション維持の工夫
本アプリは、自治体の失語症意思疎通支援事業や地域リハ支援センターとの連携可能性も視野に開発されており、医療現場に加えて在宅・教育現場での活用も期待されています。

アプリの仕様
AIと会話の練習を行う。
各自のニーズに合わせたプログラム設定。宿題は、自己紹介、面談、通院、会議など実践的な内容を網羅した。
フリートークモードでは、その日にあったことなど自由に話してもらう。

言語聴覚士とのオンラインセッションを予約
月2回、言語聴覚士とのオンラインセッションをアプリから予約。zoomのURLも表示される。
【プロジェクトの反響】
3月24日よりクラウドファンディングを開始し、約3週間で200万円のファーストゴールである目標金額を突破。 SNSを中心に共感の声が広がり、支援者のうち約2割が失語症当事者またはその家族という結果も出ています。
「父が失語症で、リハビリが週2回しか受けられず、自主練習も続きませんでした。Speech Linkのようなサービスを待っていました」 「家族としても、何をすれば良いかわからなかった。アプリで補えることがあるなら心強い」 「STとして、こういう形の支援が出てきたことに希望を感じます」
また、東京都内の急性期病院・リハビリ病院の医師の協力により、院内でのチラシ掲示も実現。 Speech Linkは現在、「言葉を失った方に、再び声を届ける社会インフラ」としての成長を目指しています。
本プロジェクトにご賛同いただいている慶應義塾大学 医学部リハビリテーション医学教室の川上 途行准教授からは、以下のようにコメントをいただいております。
私自身、日々の診療の中で、入院中は意欲的でも退院後にリハビリの継続が難しくなってしまう患者さんを多く見てきました。Speech Linkは、AIと専門家のサポートを活用しながら、日常生活の中で“ことばを出す機会”を自然に増やせる点で非常に実用的かつ革新的なツールです。今後の社会実装にも大きな期待を寄せています。
【今後の展望】
現在は「まずは100人の当事者に届けること」を目標に開発を進行中ですが、最終的には1,000人以上の当事者支援を見据えています。 開発スケジュールとしては以下の通り、段階的に展開予定です。
· 2025年5月:必要最小限の製品(MVP)完成
· 2025年6月:クローズドβテスト開始(支援者・医療関係者に限定)
· 2025年9月:Speech Linkウェブ版 正式リリース(予定)
さらに2025年末以降は、次期バージョンの開発に着手し、多言語対応や他の症状(ALS、パーキンソン病など)への応用も検討しています。 Speech Linkは、「誰かの声が、明日も伝わる社会」を目指し、発展を続けていきます。
【クラウドファンディング概要】
プロジェクト名:失語症の方のためのトレーニングアプリを開発したい 実施期間:2025年3月24日〜4月30日(For Goodにて公開中) URL:失語症の方のためのトレーニングアプリを開発したい
【プロジェクト体制(監修・協力)】
総合監修:多田 紀子(言語聴覚士/ことばの天使株式会社・NPO法人Reジョブ大阪 代表)
開発統括:石渡 達也(当事者/プロジェクトマネージャー/NPO法人Reジョブ大阪理事)
技術統括:西谷 圭介(株式会社DELTA COO/株式会社Singular Perturbations CTO)
【会社概要】
ことばの天使株式会社 とは:ことばの天使株式会社(代表ST:多田紀子、住所:大阪府大阪市)は、言語障害を抱えるすべての方が「もう一度、伝えられる自分」を取り戻せる社会の実現を目指し、AIと専門職の知見を融合した言語リハビリ支援事業を展開しています。 主要サービスとして、AIと会話しながら日々の練習が行える言語リハビリ支援アプリ「Speech Link」、Zoomを活用した専門職によるオンライン個別支援「Speech Connect」、次世代の言語聴覚士を育成する教育講座「Speech Academy」を提供しています。私たちは、リハビリの自由度を高め、誰もが必要なときに適切な支援を受けられる社会インフラの構築を目指しています。将来的には、日常の中に自然とリハビリの場が存在する社会の実現を見据えています。
代表:多田紀子(言語聴覚士) 設立:2023年 所在地:大阪府大阪市都島区1-5-13 大手前センチュリービル4F 事業内容:失語症・構音障害・高次脳機能障害などを対象としたAIリハビリ支援アプリの開発/オンライン言語支援サービスの提供/言語聴覚士向け教育支援プログラムの運営
Web:https://kotoba-tenshi.com/sl
Email:kuruminomori8@gmail.com
NPO法人Reジョブ大阪とは:NPO法人Reジョブ大阪(理事長 多田紀子 住所:大阪市)は、脳損傷の後遺症である失語症、高次脳機能障害について、当事者と共に啓発活動を行っている団体。主な活動は、当事者インタビュー冊子『脳に何かがあったとき』毎月発行、支援を学ぶ『脳ケアゼミ』、全国的なイベント『4月25日 失語症の日』など。
Web:https://rejob-workers.com/
Email:npo.rejobosaka@gmail.com