マーレジャパン株式会社
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バイオニックデザイン:ペンギンの翼に着想した新設計の空調システム向けラジアルファン
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電気自動車など狭小な搭載スペースを意識した設計
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類似ファンとの比較で60%の低騒音化と15%の高効率化を達成する革新的技術
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マネージメントボードメンバーのJumana Al-Sibaiは次のように発言:
「この開発技術でMAHLEのシステム技術の高さと、最新鋭のAIを利用する優れたメリットが明確に示されました」 -
あらゆる車両クラスに対応
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「バイオニックラジアルファン」を上海モーターショー2025で世界初披露
MAHLEは、大幅な低騒音化と高効率化を達成する先進の自動車空調システム用ラジアルファンを発表します。この新技術は、特に搭載スペースが極めて限られた車両を念頭に設計されており、開発のヒントを自然界から得ています。ファンブレードの形状は、水中で俊敏かつ迅速な動きをみせるペンギンの翼をモデルに空力特性を最適化しています。この革新的設計を採用したバイオニックファンは類似品に比べ、騒音レベルを60%減に相当する4デシベル(dB)低減することに成功しました。また、ブレード形状の最適化はモーターの省エネ化にもつながり、効率性も15%向上しました。MAHLEのこの革新技術が業界に新たなベンチマークを打ち立てたといえます。「新開発のバイオニックラジアルファンは、当社の熱管理における総合的なシステム技術力とAI(人工知能)のメリットが存分に発揮された製品です」と、MAHLEグループマネージメントボードメンバー兼サーマル&フルードシステム事業部責任者のJumana Al-Sibaiは述べています。「バイオニックラジアルファン」は、あらゆるクラスの乗用車をはじめ、中小型および大型商用車にも使用可能な製品です。優れた技術力を誇るMAHLEは、この革新技術を中国で開催される上海モーターショーで世界初披露します。上海モーターショーは、2025年4月23日から5月2日まで上海のNational Exhibition and Convention Center(NECC)で開催されます。
着想は自然界、設計はAIが支援
「ペンギンは進化の過程で、水の抵抗を最小限に抑えた超高効率な水中遊泳を可能にする翼を手に入れました。新開発のラジアルファンは、ブレード形状を最適化するにあたって、このペンギンの翼の形をモデルにしています」と、サーマル&フルードシステム事業部R&D Vice PresidentのDr. Uli Christian Blessingは述べています。MAHLEは自然界に着想を得た技術をこれまでにも複数発表しています。「バイオニックバッテリー冷却プレート」や「バイオニック高性能ファン」は、電気自動車の効率性を飛躍的に向上させる製品です。
開発工数を大幅に短縮する「高速開発」の取り組みを進める上で最も重要となるのが、自社専用のAIツールの存在です。「バイオニックラジアルファンの最適化作業において、AIの活用は極めて効果的でした。エンジニアがプロンプトを入力し、データや情報を提供すると、AIは瞬時に3,000万件を超えるバーチャルデザインを生成します」と、Uli Blessingは解説します。「社内ではこうしたAIによる作業を『超人的エンジニアリング』と呼んでいます」。MAHLEのエンジニアはAIの活用で、ブレードの最適な形状と取付け位置を決定し、迅速に試作品作成を行うことに成功しています。
省スペース化と高効率化を実現するソリューション
バイオニックラジアルファンをエバポレーター正面に取付ける構造にしたことで、空調システム全体が均整の取れたスリムな設計になっています。省スペース化の実現でその他コンポーネントへのスペースが確保されたことは、特にバッテリー式電気自動車では大きなメリットとして注目されます。MAHLEは、当開発技術を従来のファンに代わる革新的な選択肢として提供します。
上海モーターショーにおけるMAHLE
National Exhibition and Convention Centerで開催される上海モーターショーで、MAHLEはこの新しいバイオニックラジアルファンを当社ブース(ホール1.2)で初披露いたします。この他、特に大出力が必要とされる燃料電池自動車やバッテリー式電気自動車を念頭に開発された「バイオニック高性能ファン」や、電気自動車向け「バイオニックバッテリー冷却プレート」なども展示します。広さ300 m2の当社ブースの中心には、電動パワートレインにおける熱管理システムの重要性やその相互作用をシンプルにわかりやすく体験いただけるデモ機を展示します。MAHLEは未来のモビリティを構想する戦略「MAHLE 2030+」を掲げ、その一環として「電動化」「熱管理」、そして「効率的でクリーンな燃焼エンジン向けコンポーネント」の3つの戦略的中核分野に注力しています。
報道関係者の皆さまへ:本プレスリリースと関連画像は「MAHLE Newsroom」(https://newsroom.mahle.com/press/en/)でご覧いただけます。
画像の著作権:MAHLE GmbH




MAHLEグループマネージメントボードメンバー兼サーマル&フルードシステム事業部責任者

About MAHLE (本社:ドイツ/日本支社:東京都豊島区)
MAHLE(マーレ)は、今日のグローバルな自動車業界において、乗用車と商用車両分野の開発パートナーおよびサプライヤーです。 1920年に設立されたマーレグループは、電動化と熱管理の戦略的分野に焦点を当て、将来の「Climate Neutral」なモビリティの実現に取り組んでいます。また、燃料電池や水素などの再生可能な燃料で稼働するクリーンな燃焼エンジンなど、炭素排出量をさらに高効率に削減するための技術にも焦点を当てています。
現在、世界中の2台に1台がマーレのコンポーネントを搭載しています。マーレは世界中約68,000名の従業員を135の生産拠点や11のテクノロジーセンターに配置し、28か国に拠点を置いています。また、2024年には約117億ユーロの売上を計上しました。
日本においてマーレは、幅広い専門知識を活用しながら今日まで50年以上事業を継続して参りました。またアジア太平洋地域の本社機能を担うことで、日系大手自動車メーカーの国内外すべてのビジネスをサポートしています。現在、日本のマーレグループは国内17拠点に約2,600名の従業員を擁しています。
マーレジャパン公式サイト: https://www.jp.mahle.com/ja/
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