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【レポート】紫外線が増加する季節到来!日本の日焼け止め市場、単なる”日焼け防止”から”年中の美容ケア”へと進化

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株式会社ミンテルジャパン

~次なるトレンドは「美容」と「時短」?~

 市場調査会社「Mintel Group」の日本法人である株式会社ミンテルジャパン(東京都千代田区)は、ミンテルジャパンレポート「サンケア・トレンド – 日本 – 2024年」にて、サンケア市場が成長を続ける中、日本では新しい日焼け止めのトレンドが鮮明になっていることを明らかにしました。消費者が求めているのは「紫外線から肌を守る機能性」「美肌効果をもたらす美容価値」そして「毎日続けやすい使いやすさ」の3つを兼ね備えた製品です。これらの要素を持った多機能型の日焼け止めが、日本の次世代サンケア市場をリードしています。

※ミンテル、ロンドン本社を含め13か国にオフィスを構え、美容やライフスタイル、食品・飲料分野における消費者調査に強みを持つ市場調査会社。2021年より日本市場向けにミンテルジャパンレポートを発刊。

 日本における日焼け止めの使用目的は劇的に変化しています。もともとは「紫外線による肌ダメージを軽減する」ため、夏に使用されることが多かったのに対し、現在は「シミやしわなど長期的な肌ダメージの防止」「アンチエイジングや肌の健康維持」といった継続的な紫外線対策として使われています。つまり、単なる「日焼け予防」からシフトし、美容効果を重視する傾向が顕著になっています。

 ミンテルの調査によると、日本の女性の35%が季節を問わず日焼け止めを使用しており、これは曇りや雨の日でも例外ではありません。従来の夏季限定の使用から、年間を通じた紫外線対策へと意識が変化しています。特に注目すべきは、「美肌仕上げ効果」や「太陽光を美容光に変える」といった美容機能を強化した製品が、市場に次々と登場していることです。一方で男性ユーザーの間では、「面倒くさい」という理由で日焼け止めの使用を避ける傾向があります。この課題に対応するため、スティックタイプやオールインワン製品など、使いやすさと時短を重視した製品開発が進んでいます。

※本リリースの調査結果をご利用いただく際には、必ず【ミンテルジャパンレポート『サンケア・トレンド – 日本 – 2024年』より】とご明記ください。

ミンテルジャパンレポートについて詳しくはこちら:https://www.mintel.com/jp/jr-apr-2025-1

拡大し続ける世界のサンケア市場
健康への配慮から美容価値まで広がるサンケアの意義

 世界におけるサンケア市場は新型コロナウイルスまん延時に減少した国も多いですが、急激な成長を続ける中国市場をはじめとして、全体にも成長が見られます。サンケアの中で「日焼け止め」が多勢を占める傾向は世界共通ですが、この日焼け止めへの意識の高まりがサンケア市場の伸びの背景にあるようです。特に、皮膚がん予防の意識から、日焼け止めへの啓発活動が活発な欧米の多くで伸びがみられます。また、日本市場は、新型コロナウイルスの収束後、夏の長期化と日焼け止めの使用増加により、マイナス成長からプラス成長に転じています。

 ミンテルではサンケア製品を「日焼け止め」「アフターサンケア(日焼け後の肌をケアする)製品」「セルフタンニング製品* 」に区分けしていますが、多くの国で日焼け止めがサンケアと同義に捉えられるほど日焼け止めの市場占有率は高くみられます。一方、オーストラリアやイギリスではセルフタンニングの割合も高く、こうした国ごとの市場特性の大きな違いもサンケア製品市場の特性と言えます。

*人工的な着色により肌の表面を小麦色に染めて日焼けしたような肌を演出する化粧品

出典: Mintel Market Sizes

 欧米とアジアでは日焼け止めを使う理由に大きな隔たりがあります。欧米では、アメリカの日焼け止めユーザーの84%ドイツでも57%が皮膚がんリスクを減らすために日焼け止めを使用しています。しかし、中国の日焼け止めユーザーで皮膚疾患を日焼け止めの使用目的*に選んだ人はわずか16%にすぎません。

 2022年のレポートにもあるように、アジア諸国と欧米諸国では皮膚がんの罹患率に大きな隔たりがあり、最も多いオーストラリアやニュージーランドと日本人の罹患率では約100倍違うと報じられています。アメリカやドイツはここまで高くないものの、やはり日本や中国、韓国などに比べると非常に高いのは事実で、こうした危機感の差も日焼け止めの使用目的を大きく異なるものにしている要因の1つでしょう。

 中国の日焼け止めユーザーの使用目的*は、タンニング**予防(61%)、色素沈着・シミ予防(45%)、肌の老化予防(41%)と、美容目的が上位に並び、前述の皮膚疾患予防の16%を大きく引き離しています。これは日本の日焼け止めユーザーでも同様の傾向です。

しかし、美容を日焼け止め使用目的にしているのがアジア諸国だけかというとそうでもありません。アメリカ人の69%ドイツ人の24%が肌の老化を防ぐためとしており、皮膚がんへの懸念よりは低いものの美容への関心度も十分に高いことがわかります。

*上位3つの合計、**黒くなるタイプの日焼け(Sun tanning)

調査対象: 米国:日焼け止め製品を使用しているインターネットユーザー1,234人

出典: Mintel、2022年10月

 また、日焼け止め効果の高さを示すSPFやPAの値が高い製品を好む傾向は世界で高まりつつあります。こうした流れを受けて、紫外線防御剤にも様々な技術的進化が見られます。配合することでSPF値を底上げする「SPFブースター」成分も複数登場しており、処方技術と合わせて、日焼け止め製品は進化を続けています。

 一方、SPFやPAの表示数値には上限が設定されているケースが多く*、この数値による製品の差別化は難しいため、紫外線防御機能以外の、様々な訴求による日焼け止めの特徴づけも行われています。

 例えば、アメリカの消費者**の67%は大気汚染への抵抗力をつける製品に興味を示しており、これに対応した製品が数多く存在します。例えば「Fluid Face Cream SPF 50+」は、ブルーライトからの保護のほか、皮膚の鎮静化や汚染物質防止機能も備えるマルチな日焼け止めです。美容効果を付与する例も多く、世界ではナイアシンアミドを配合した製品が増加中。また、安全性使い勝手の良さなども重要な訴求ポイントとして挙げられます。

 *例えば日本の場合SPFは50+、PAは++++までとされている。 **Mintel グローバル消費者調査より、2022年10月

 先に記したように、アメリカの消費者の67%は大気汚染物質への抵抗力をつける(アンチポリューション)製品に興味を示しています。ブラジルの日焼け止めユーザーも30%以上がアンチポリューションへの興味を示しているほか、53%はブルーライトにも注目しています。日焼け止めはすでに紫外線ケアに留まらない、マルチな防御機能を求められつつあるようです。

Fluid Face Cream SPF 50+ 
ブルーライト保護の他、皮膚の鎮静化や大気汚染からの防御機能も備えるマルチな日焼け止め

Protective Metamorphosing Sun Water

SPF 50+ UVA/UVBとブルーライトから保護する化粧水タイプ

美容に訴えかける日焼け止めが続々と登場!
「美肌仕上げ効果」「太陽光を美容光に」に注目が集まる

 日本人が日焼け止めを使用する理由には、欧米のような皮膚がんリスクを減らすためなどの健康リスク対策ではなく、シミを防ぐ、シワ・たるみを防ぐなどの美容目的が多くみられます。この傾向は特に女性に顕著で、シミを防ぐために日焼け止めを使用している女性は8割以上です。一方男性の場合は「日焼けで肌が痛くなるのを防ぐ」を挙げる人が女性より多く、レジャーなど強い紫外線を浴びる状況を想定していることがうかがえます。

 日焼け止めユーザーが製品を購入する際、最も重視するのは「SPF/PAの高さ」で、20%が1位に選んでいます。一方5位までの合計では「使用感の良さ」がSPF/PAを上回ります。また、「価格の低さ」はスキンケアでは非常に強い購入条件ですが、日焼け止めの場合は上記2つと「使い勝手の良さ」に次ぐ4位というのも、この製品種の特徴と言えるでしょう。そして、日焼け止めを使用しない理由で最も多いのは「面倒くさいから」ですが、非使用者男性の20%は「適度な日焼けは健康に良い」(女性非使用者は8%)と考えており、紫外線に関する情報が行き届いていない状況もうかがえます。

調査対象: 日焼け止め製品(サプリメントを含む)を使用している18歳以上のインターネットユーザー1,210人

出典: Mintel、2023年12月

 ミンテルが行った消費者調査結果によると、日焼け止めを使用している日本人女性の46%は、日焼け止めに軽いメイクアップ効果を求めている一方、塗布後の透明性はあまり重視していない傾向があります。美肌効果を持つ日焼け止めの需要は高いと言えるでしょう。

 POLA 「B.A ライト セレクター」は、紫外線と近赤外線はカットしながら、肌に良いとされる赤色光は透過させることで、肌を守りながら、赤色光による光美顔器のようなケアするという発想の日焼け止めです。これまでにない新しい発想のこの製品は非常に業界内の注目が高く、2020年の各誌ベストコスメを総なめにする勢いでした。同製品は2024年にリニューアルされ、そのコンセプトをさらに進化させています。

日焼け止めを使用している日本女性の4割が一年中使用
男性にとって、日焼け止めは「面倒くさい」

日本人消費者で、何らかの日焼け止め製品(日焼け止め効果のあるメイクアップ製品やスキンケア製品、サプリメントなどを含む)を使用している人は、全体の6割に達しますが、女性の大多数(85%)が使用しているのに対し、男性は36%と、大きな差があります。また、サンケア製品市場の構成比を反映するように、日焼け止め以外はあまり使われていないというのが実情です。同様の調査は2021年にも実施されていますが、各製品の使用率や、男性女性共に日焼け止めユーザーと非ユーザーの比率などはほぼ同じで、2年余りの間に大きな変化はなかったという結果になっています。

調査対象: 18歳以上のインターネットユーザー2,000人

出典:Mintel、2023年12月

 また、冬場など紫外線が弱い季節で、かつ曇りや雨の日も日焼け止めを使用するという「常時ユーザー」は3割以上おり、そのほとんどは女性です。日焼け止めは夏のケアアイテムと考えられがちですが、全女性の35%は季節や天候を問わず日焼け止めを使用しており、女性にとって日焼け止めは日常のお手入れアイテムで、夏場だけのケア製品ではないということがわかります。一方、そもそも使用者が少ない男性の場合、常時使用している人は男性全体では3%程度と女性に比べて圧倒的な差があります。男性はレジャー時にのみ使用するという人の割合が多いのも特徴で、日常生活にはまだまだ取り入れられていない現状がうかがえます。

*「日差し強」は夏や初夏など日差しの強い季節、「日差し弱」は冬や秋など日差しの弱い季節。

調査対象: 日焼け止め製品を使用している18歳以上のインターネットユーザー1,210人 (男性360人、女性850人)

出典: Mintel、2023年12月

 そして、日焼け止めを使用する理由で最も多いのは「シミができるのを防ぐため」で、33%が1位に選んでおり、5位までの合計では73%と圧倒的です。「シワ・たるみを防ぐ」も44%おり、美容目的で使用する人の多さを示しています。単純に「日焼け」を気にしている人(62%)や「日焼けで肌が痛くなるのを防ぐ」目的で使用している人(43%)も多く、日焼けによる肌ダメージを気にしていることがうかがえます。

 一方、欧米に多い「皮膚がんを防ぐ」目的で使用している人は27%にとどまり、「紫外線アレルギー(13%)」と合わせて、疾病を理由として使用している人は少ないことがわかります。質問項目が少し異なるため単純な比較は難しいですが、2021年の調査でも消費者の関心事はシミやシワ、あるいは単純な「日焼け」であり、皮膚がんや免疫を気にしている人は少なく、紫外線による人体への影響の啓蒙はほとんど進んでいないようです。

調査対象: 日焼け止め製品を使用している18歳以上のインターネットユーザー1,210人

出典: Mintel、2023年12月

 日焼け止め製品を使用する理由において、全体に割合の多いシミですが、女性だけに限定すると8割以上がこれを使用理由に挙げているほど、女性はシミを気にしています。また、シワを防ぐ目的の人も半数に及んでおり、男性のそれらと比較すると、女性がアンチエイジングにいかに熱心かがうかがえます。29%は肌の乾燥も気にしており、女性が日焼け止めを使用する理由として、美容がいかに大きな要素であるかがわかります。

 男性の場合は、半数はシミを気にしており、美容目的の使用も確かに多いと言えますが、注目すべきは「日焼け肌になるのを防ぐ(53%)」「日焼けで肌が痛くなるのを防ぐ(53%)」という部分。男性は、日常での使用よりもレジャーなどで使用する人が目立ち、そうしたシーンで強い日差しを浴びたとき、肌が直接的なダメージを受けることを気にしている様子がうかがえます。

調査対象: 日焼け止め製品を使用している18歳以上のインターネットユーザー1,210人

出典: Mintel、2023年12月

 日焼け止めを使用していない理由を男女別に見ると、面倒くさいからという理由で日焼け止めを使用していない人が多い点は同じですが、いくつか大きく差が出た項目があります。

 まず、日焼け止め非使用者の男性は、20%が「適度な日焼けは健康に良い」と考えており、これは女性の8%に比べて2倍以上です。逆に「日焼け止めの感触や匂いが嫌い」「肌が敏感で、製品が肌に合わない」は女性に多く、男性では少ないことがわかります。ここには、「日焼け止めの使用を面倒と考え、使わずに済ませたいと考える」男性と、「面倒臭さから使用しない人と、使用したいが使えない人が混在」する女性という差異が見えてきます。

 日本の場合は、そもそも日焼け止めを使用している割合は男性に比べて女性の方が非常に多いですが、日焼け止めを使用していない女性でも、日傘やシャツなど日焼け止め製剤以外のもので日焼けを防いでいるとする人が15%います。これは男性では4%にすぎないことからも、日本人の女性は男性に比べて、紫外線防御にかなり積極的であり、女性に比べて男性が紫外線防御に無頓着な様子がうかがえます。

調査対象: 日焼け止め製品を使用している18歳以上のインターネットユーザー1,210人

出典: Mintel、2023年12月

 では、消費者が興味をもっている日焼け止めの技術や特性は何でしょうか。

 最も求められているのは、「塗りなおさなくても日焼け止め効果が持続する(37%)」という機能で、「美容効果(35%)」がほぼ同数で続きます。「軽いメイク効果」「日焼け後の肌ダメージ軽減」「天然由来の日焼け止め成分」「敏感肌用」なども21‐26%が興味を示しており、日焼け止めに求められる要素の多様性を感じさせます。

 一方、世界的に広がりを見せるエシカルについては、「環境にやさしい」こそ17%が興味を持っているものの、フェアトレードや動物実験なしなどの「倫理的な製品」については6%しか興味を持っておらず、この分野の日本における未成熟ぶりがうかがえます。

調査対象: 18歳以上のインターネットユーザー2,000人

出典: Mintel、2023年12月

■ミンテル ジャパンレポートについて

新製品開発のヒントになるグローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るレポートシリーズ。「美容・化粧品」、「ライフスタイル」、「食品・飲料」分野のレポートをサブスクリプション方式でご提供しています。グローバルと日本、双方の視点でトレンドを捉えることが可能です。

■ミンテル 世界新商品データベース(Mintel GNPD)について

世界86ヵ国の日用消費財の新商品を、原料や訴求内容から検索することができるデータベースです。世界各国に配置されたミンテルの調査員が、日々新商品の収集を行うことで、毎月約4万点の商品パッケージ情報をデータベース化し、GNPDを構築しています。商品のあらゆる情報を掲載しているため、様々な視点から世界の製品トレンド分析を行うことが可能です。

■市場調査会社ミンテルの強み

ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、GNPDに蓄積されたデータや独自の消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開しており、「消費者が何をなぜ求めているかを探るエキスパート(Experts in what consumers want and why.)」をコーポレートスローガンとしています。

■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)

ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。

その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。

≪ご利用条件≫

情報の出典元として【ミンテルジャパンレポート『サンケア・トレンド – 日本 – 2024年』より】の明記をお願いいたします。

■会社概要

企業名   :株式会社ミンテルジャパン

本社所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 

       丸の内ビルディング18階

代表    :リチャード・カー

設立日   :2008年03月

事業概要  :トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等

WEBサイト:https://japan.mintel.com/ 

出典:PR TIMES

本プレスリリースの内容や詳細についてのお問合せは以下までご連絡ください。

企業プレスリリース詳細へ (2025年4月23日 10時00分)

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