サティスファクトリー
3か月で43トン超の資源回収、サティスファクトリーが協力
東京国際エアカーゴターミナル株式会社(以下「TIACT」)と株式会社サティスファクトリーは、東京国際空港(以下「羽田空港」)における資源循環プロジェクトを2024年12月に協働で開始しました。TIACTの上屋内(国際線貨物ターミナル)で発生する廃プラスチックのリサイクルと資源循環を推進し、開始から3か月で合計43,515kgを回収しました。これによる環境負荷の低減は、136,637kgのCO₂排出量削減(*)に相当します。今後も持続可能な資源利用の体制構築を進め、空港から生まれる新たなリサイクルモデルの確立を目指します。
(*)CO₂排出削減量の算出には、環境省『脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システムの構築に関する調査報告書』(令和2年度)に記載の排出係数(PE:1kgあたり3.14kg-CO₂)を使用。

背景|航空業界の資源循環の取り組みが脱炭素の一手に
航空業界では、脱炭素に向けた動きが加速し、エネルギー利用に加えて資源利用の見直しが注目されています。特に航空貨物の取扱いに伴い発生する廃棄物は、従来は焼却処理されることが多く、CO₂排出の一因となっていました。そこで、適切な分別・リサイクルによって、環境負荷の改善を定量的に示すことが求められています。
成田国際空港では、2023年3月より「成田空港で資源をまた使おうプロジェクト」を通じて空港内の資源循環が進められています。その先進的な取り組みにTIACTも賛同し、資源循環の仕組みを担うサティスファクトリー協力のもと、2023年11月に検討を開始し、本プロジェクトの実施に至りました。
概要|廃プラをごみ袋に利用
本プロジェクトでは、TIACTの上屋内で排出される廃プラスチックを対象に、サティスファクトリーが資源循環のスキームを構築しました。回収された廃プラスチックは再生樹脂にマテリアルリサイクルされ、これを原料に製造された再生材ごみ袋をTIACTが利用。これにより年間172トンの再資源化が見込まれます。
成果|3か月で43トン超の資源回収
2024年12月のプロジェクト開始から3か月で、合計43,515kgの廃プラスチックを回収しました。これにより、化石燃料由来のバージンプラスチックを新たに使用する場合と比べ、136,637kg(*)のCO₂排出量排出削減効果があります。これは、東京~香港間で約272トンの航空貨物を輸送する際に発生する量に相当します。

従来、このような廃棄物は焼却処理され、CO₂排出量の増加に繋がっていました。しかし、今回のスキームによって資源としての再利用が可能となり、事業活動による環境負荷が軽減されました。また、関係各所との連携強化により、リサイクル率のさらなる向上に向けた基盤が構築されつつあります。
担当者の声|廃棄物の資源循環利用、動き始めた現場
「TIACTでの資源循環プロジェクトは、空港の持続可能な運営を目指す上で重要な一歩となりました。今回の取り組みを通じて、廃棄物の分別・回収の仕組みづくりに一層の意識が高まり、循環型社会に向けた実践的な動きを始めることができました。今後も関係者と連携しながら、さらなる展開を図っていきます。」― 東京国際エアカーゴターミナル株式会社 事業部 施設事業課
展望|さらなる資源循環を検討
2025年度にはさらなる資源循環の拡大を図るため、TIACT上屋内で発生する木製パレットや木くずの資源物化にも着手を検討しています。今後、多品目における適切な処理と再利用に向けたスキームを構築し、廃プラスチックだけでなく、あらゆる資源への展開を検討してまいります。
企業情報
東京国際エアカーゴターミナル株式会社
所在地: 東京都大田区羽田空港2-6-3
代表者: 代表取締役社長 足立 浩一
事業内容: 東京国際空港国際線地区貨物ターミナル整備・運営事業
株式会社サティスファクトリー
所在地: 東京都中央区八丁堀3-12-8 HF八丁堀ビルディング6F
代表者: 代表取締役 小松 武司
事業内容: 廃棄物マネジメント事業、環境コンサルティング事業、再資源化プロダクト事業