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2025年有料動画配信サービス利用動向調査

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株式会社 ICT総研

■有料動画配信サービス利用者数は2025年に3,890万人、2027年に4,120万人へ拡大
■定額制動画配信サービスの利用率は31.8%、PPVサービス利用率は6.8%
■有料動画サービス利用率はAmazon Prime Videoが66.2%でトップ、Netflixが36%で2位
■定額制動画配信サービス満足度はdアニメストア,Netflix,YouTube Premiumが高い支持を獲得
■スマホによる動画サービス利用者は71.5%へと増加、パソコン利用者は減少
■無料・低価格なら広告付きプランでも容認、利用者の50%が「価格重視」

 株式会社 ICT総研 (東京都中央区)は4月23日、「2025年 有料動画配信サービス利用動向に関する調査」の概要をまとめた。

■ 有料動画配信サービス利用者数は2025年に3,890万人、2027年に4,120万人へ拡大

 インターネットとマルチデバイス環境の発展に伴い、動画配信サービスは生活に深く浸透している。かつては補助的な娯楽だったサブスクリプション型動画配信は、今や音楽・ゲームと並ぶ生活インフラの一部として定着した。

 かつては1本あたり数百円で視聴するペイパービュー(PPV)方式が主流だったが、月額1,000〜1,500円程度で豊富なコンテンツを見放題で楽しめる「定額制サービス」が登場したことで、利用者数は急増した。 加えて、若年層を中心にテレビ離れが進行し、「見たい作品を、見たいタイミングで視聴する」オンデマンドスタイルが主流となっている。

 2020年末(12月末)時点の有料動画配信サービス利用者は2,630万人で、このうち定額制サービスの利用者数は9割弱にあたる2,330万人であった。2022年末には3,390万人の利用者のうち定額制サービス利用者は3,100万人へと急増し、さらに2024年末には3,450万人へと拡大した。有料動画配信サービス利用者は増加傾向を続け、2027年にはPPV利用者と合わせて4,120万人にまで拡大すると予測する。今後も定額制サービスの利用者は増加し、2027年には3,830万人に達する見通しだ。

■ 定額制動画配信サービスの利用率は31.8%、PPVサービス利用率は6.8%

 ICT総研が2025年4月にWebアンケート調査を通じて動画配信サービスの利用実態を調査した結果では、無料動画サービスのみを利用しているユーザーは全体の65.2%と多数派を占めている。一方で、有料サービスの中では定額制サービスの利用者が31.8%と一定の存在感を見せており、ペイパービュー(PPV)サービスを利用しているユーザーは6.8%にとどまった。有料サービス全体の利用率は38.6%となるが、その大部分は定額制サービスである。

 また、動画配信サービスを一切利用していない層も16.0%みられ、一定数の非接触ユーザーが存在していることも明らかになった。その他の利用形態と回答したユーザーは0.3%で、全体に占める割合としてはごくわずか。

 注目すべきは、無料サービス利用者(65.2%)のうち、今後有料サービスへ移行する可能性を秘めた潜在顧客層の厚さである。過去の調査結果と比較しても、定額制サービスの利用率は微増傾向にあり、段階的な市場の広がりが確認できる。これはコンテンツの多様化や価格の手ごろさ、そして家族やグループでの共有利用といった柔軟な利用スタイルが支持を集めている結果とも言える。

 一方で、今後の普及拡大に向けた課題も存在し、その一つが通信インフラへの負荷増大である。特に、4K・8Kといった高画質動画や長時間コンテンツの普及により、固定ブロードバンドサービスのデータトラフィックは、著しく増加している。現在の多くのインターネット接続サービスでは、どれだけデータを消費しても月額料金は定額のままであるが、将来的にはモバイル通信と同様に容量課金制への移行が議論される可能性もある。仮にそのような価格体系が導入されれば、動画配信サービスに対するユーザーの利用頻度や満足度に影響を及ぼしかねない。

 5Gの普及によって外出先でも高速・大容量通信が可能となった今、一人ひとりのユーザーが動画コンテンツを視聴する機会は飛躍的に増加している。そのため、コンテンツ提供企業としては、回線環境や視聴端末の多様化に合わせた柔軟なサービス設計が今後ますます重要となる。

■ 有料動画サービスの利用率はAmazon Prime Videoが66.2%でトップ、Netflixが36%で2位

 有料動画配信サービスに関する調査の結果、最も多く利用されているのはAmazonの「プライム・ビデオ」で、全体の66.2%のユーザーが視聴していることが分かった。Amazonプライム会員の付帯サービスとして提供されており、動画視聴に加えて、音楽、書籍、買い物に関する各種特典が付く総合型サブスクリプションとしての魅力が高く評価されている。

 加えて、Amazonプライム・ビデオ利用者のうち、7割以上が「広告付きプラン」を利用しているという結果が得られており、広告表示を受け入れることで料金を抑える視聴スタイルが、ユーザーの間で急速に定着しつつあることが分かる。

 2位のNetflixの利用率は36.0%。オリジナル作品や海外ドラマ、ドキュメンタリーなど多様なコンテンツが揃い、世界的なブランド力を持つ。同社も近年、価格を抑えた広告付きベーシックプランを導入しており、Netflix利用者のうち過半数が広告付きプランを選択しているという結果が出ている。高品質なコンテンツを維持しつつ、より手頃な価格帯での提供を可能にする戦略が、着実に浸透し始めていることがうかがえる。

 以下、3位にはU-NEXT(17.6%)、4位はYouTube Premium(10.2%)、5位はDisney+(9.3%)が続いた。U-NEXTとDisney+では現時点で広告付き/なしの明確な料金区分が存在しないが、Disney+は海外ではすでに広告付きプランが導入されるなど、広告体験の有無や月額料金の柔軟性を軸とした競争の流れが続いていくと見られる。

 各サービスの利用傾向を見ると、「コスパ重視」のプライム・ビデオ、「作品クオリティ重視」のNetflix、「コンテンツの幅と量重視」のU-NEXTなど、ユーザーごとに明確な選定基準があることがわかる。有料動画サービス市場は引き続き競争が激化しており、独自コンテンツや機能面、広告の有無によるプランの多様化での差別化が、今後の利用者獲得の鍵を握ると考えられる。

■ 定額制動画配信サービス満足度はdアニメストア,Netflix,YouTube Premiumが高い支持を獲得

 動画サービスの利用者に対して、最も頻繁に利用する定額制サービスの満足度を4段階評価で確認した結果、dアニメストアが84.6ポイントでトップとなった。84.5ポイントで2位につけたのは前回の調査時に満足度が4位であったNetflixで、以下にYouTube Premiumが82.8ポイント、U-NEXTが82.5ポイントと続く。

■ スマホによる動画サービス利用者は71.5%へと増加、パソコン利用者は減少

 アンケート調査によると、動画配信サービスの利用端末として最も多かったのはスマートフォンで、71.5%のユーザーがスマホを通じて無料・有料の動画サービスを利用していると回答した。前年の調査時と比較しても、スマートフォンの利用率は引き続き増加傾向にあり、動画視聴の“日常デバイス”としてその地位をさらに強めている。

 一方、パソコンでの視聴率は46.9%となり、前回の49%からやや減少した。かつて主流だったパソコンでの視聴は、スマートフォンやスマートテレビの普及により相対的にシェアを落としてきており、「ながら視聴」や「移動中の視聴」が可能なモバイル端末に利用がシフトしていることが背景にあると見られる。

 タブレット端末の利用率は27.3%で、前回の26%と比べて若干の上昇が見られる。画面が大きく操作性も高いため、スマホよりも快適な視聴体験を求める層から支持されている。

 スマートテレビ(21.3%)やストリーミングデバイス(12.1%)といった大画面・据え置き型デバイスでの利用も一定のシェアを維持しており、映画やドラマなどの長尺コンテンツを高画質で楽しみたいユーザーの需要に応えている。特にスマートテレビの利用率は、家庭内のリビングでの視聴の定着を示唆しており、テレビ向けUIの改善やリモコン対応アプリの進化が視聴のしやすさを後押ししている。

 また、ゲーム機(4.7%)やレコーダー/STB(4.1%)経由での視聴も一部ユーザー層で行われており、YouTubeやNetflixなどのアプリを家庭用ゲーム機や録画機器にインストールして利用するスタイルが見受けられる。

 このように、動画視聴デバイスは「手軽さ」と「没入感」のバランスによって選ばれており、利用シーンに応じた端末の使い分けが進んでいることがうかがえる。

■ 無料・低価格なら広告付きプランでも容認、利用者の50%が「価格重視」

 有料動画配信サービスの利用者3,625人を対象としたアンケート調査の結果から、「無料/安くなるなら広告付きでも構わない」と回答した人が50%に達したことが明らかとなった。これは、視聴者の半数が「広告が表示されるかどうか」よりも「価格」に重きを置いていることを示しており、広告付き低価格プランのニーズが高いことを裏付ける結果となっている。

 次いで多かったのは、「広告頻度が少なければ気にならない」(30%)という回答であり、広告そのものよりも“頻度”や“ボリューム”がストレス要因であることがうかがえる。また、「動画が見られれば広告は気にならない」(26%)や「広告のタイミングや長さが気にならない」(25%)といった回答も一定数存在し、ユーザーの中には広告の存在を“視聴の妨げ”と捉えない層も少なくない。

 また、「動画の前後に入る広告なら許容できる」(13%)や「コンテンツの途中で広告が入るのは不快」(7%)といったタイミングへのこだわりを示す意見も見受けられた。広告表示のタイミングや構成が視聴体験に与える影響を軽視できない要素であることがわかる。

 このように、視聴者は「価格・広告表示の頻度・タイミング・広告の質」など複数の観点で広告の受容度を判断していることがわかる。今後は広告付きプランを展開する各社においても、単なる料金の安さだけでなく、「いかにストレスなく広告を見せるか」「広告そのものの質をどう高めるか」が、視聴継続やサービス満足度に直結するポイントとなってくるだろう。

【本資料の調査結果・推計データについて】

* この調査は、動画配信サービス運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,333人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。アンケート実施日は2025年4月10日から4月18日。

* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。

* 本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。

* 本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。

* 本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。

ICT総研ホームページ
https://ictr.co.jp/report/20250423.html

■株式会社ICT総研について
ICT総研は市場調査会社・シンクタンク出身者を中心に2011年に設立された独立系調査会社です。
主な事業内容:ICTおよびその他分野に関する市場調査、コンサルティング、出版
資本金:1000万円
代表者:代表取締役 齊藤 和
従業員数: 企画スタッフ・リサーチャー・アナリスト 合計20名(契約スタッフを含む)
URL https://ictr.co.jp/

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年4月23日 10時00分)

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