アイリス株式会社
― 20億円の出資とともにデータ連携・開発を推進 ―
AIを活用した医療機器を開発・提供するアイリス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:沖山翔、以下「アイリス」)と、感染症迅速診断キットの開発・製造・販売を手がける株式会社タウンズ(本社:静岡県伊豆の国市、代表取締役:野中雅貴、以下「タウンズ」)は、感染症領域における技術・事業開発の加速を目的とした資本業務提携を実施しました。
本提携に基づきタウンズはアイリスに対して総額20億円の出資を実施し、両社は今後、アイリスによるAIを活用した感染症診断支援技術の共同研究およびデータ連携等を通じて、新しい医療技術の社会実装に貢献してまいります。


■ 提携の背景
感染症検査市場について
感染症検査領域では、インフルエンザをはじめとする季節性疾患の継続的な流行に加え、新型コロナウイルス感染症を含む新興・再興感染症への対応が求められる中、診断技術の迅速化・高度化が急務となっています。国内では年間数千万件規模の感染症検査が実施されており、医療現場における効率的かつ的確な対応を支える技術の進化に、この時代ますますの期待が寄せられています。
アイリスの事業内容について
アイリスが開発・提供するAI搭載感染症検査機器「nodoca®」は、すでに2,000台以上が販売されており、発熱診療の現場において、迅速かつ負担の少ない検査を実現しています(2025年3月末時点)。また、2024年末には新規開発した新型コロナウイルス感染症に関するnodocaの新AI機能の承認申請を行っています。
■ 提携の狙い
本提携を通じて、アイリスとタウンズは、感染症領域における検査法の発展と社会実装の加速を目指します。タウンズによる検査技術及び体制と、アイリスが保有するAI技術そして「nodoca」を掛け合わせることにより、nodocaが対応する対象疾患の迅速な拡大を視野に入れたデータ拡充及び開発の実現を意図した提携です。
また、医療現場で得られるデータの蓄積と利活用についての将来的な取り組みを視野に入れ、アイリスは機械学習技術と医療データ活用の知見を通じて、その具現化に貢献できるよう検討を進めてまいります。
(短期での取り組み)
⚫インフルエンザや新型コロナウイルス感染症に加え、その他の感染症についてのデータ収集を含む共同研究の実施と促進
⚫タウンズの医療機関ネットワークも活用したnodocaの普及促進および現場実装の加速
(中長期での取り組み)
⚫医療データベースの構築・利活用に向けた技術連携や、データ連携を通じた新AIの開発
■ 本提携に関する両社代表のコメント
タウンズ株式会社 代表取締役社長 野中 雅貴
この度のアイリス社との資本業務提携の成立を大変うれしく思っております。
当社が注力する感染症診断領域において、本提携は次なる成長の起点となる重要な取り組みです。アイリス社が有するAI技術と「nodoca」に関する知見、そして当社の検査技術や医療機関とのネットワークを組み合わせることで、感染症診療のさらなる質の向上と効率化を目指し、現場で求められる新時代の医療の社会実装に取り組んでまいります。
アイリス株式会社 代表取締役 沖山 翔
この度、感染症検査の分野でトップクラスの実績をもつタウンズ社との資本業務提携の成立を大変うれしく思っております。
当社はこれまで、医師のもつ匠の技の普遍化と、医療現場の診療効率を高めるAI技術の開発・実装に取り組んでまいりました。なかでも感染症は、社会課題の大きさも然ることながらAIの力を通じて貢献できる余地が非常に大きい領域です。
本提携を通じて、またアイリスの有するAI技術とAI医療機器開発の知見、そしてタウンズ社が長年培ってこられた検査技術を掛け合わせることで、感染症診療に新たな選択肢を届けるとともに、この領域における社会的価値の創出を加速してまいります。
■ nodocaについて
nodocaは、咽頭(のど)の画像と問診情報等をAIが解析し、インフルエンザに特徴的な所見等を検出することでインフルエンザの診断に用いるAI医療機器です。
nodocaは累計100施設超の国内医療機関が関わり開発されました。 併せて「日本救急医学会推薦AI研究」としての研究開発、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による事業化支援、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の国産スーパーコンピューター「ABCI」の活用など、医学×情報工学の「産官学医」が連携して開発されました。
■ タウンズについて
株式会社タウンズは、感染症POCTの最大⼿企業の 1 社で、様々な診断技術を応用した体外診断用医薬品と研究用試薬を製造し、国内外へ販売しています。 主要製品となる感染症POCTの分野では、高品質な製品と顧客サービスを提供する企業として、病院及び開業医のみならず、研究機関やバイオベンチャー企業などからも広く認知されてきました。
昭和 62 年(1987 年)の創業以来 30 年以上にわたり、人々の生活に安⼼と潤いを届けることを社是とし、製品開発と改良に取り組んでいます。 近年は、POCTに加えて、先端技術を活用した受託検査サービスなど、新たな事業領域の開拓にも積極的に取り組んでおります。これからも臨床検査のニーズにこたえるべく、研究開発を続けてまいります。
【会社概要】
・会社名:株式会社タウンズ
・代表取締役:野中雅貴
・事業内容:診断技術を応用した体外診断用医薬品と研究用試薬の製造・販売
・設立:1987年
・本社所在地:〒410-2325 静岡県伊豆の国市神島761番1
・企業URL:https://www.tauns.co.jp
■ アイリスについて
「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」をミッションに掲げ、2017年に創業。現役医師である代表・沖山をはじめ、医療従事者、厚生労働省・経済産業省ほかの行政出身者、AI医療領域に特化したデータサイエンティスト、大手医療機器メーカー出身者など多数のプロフェッショナルが揃い、深層学習技術(AI技術)を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化するAI医療機器を開発しています。
【会社概要】
・会社名:アイリス株式会社
・代表取締役:沖山翔
・事業内容:AIを用いた医療機器の開発・製造・販売及び機械学習技術の研究開発
・設立:2017年11月
・本社所在地:〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 八重洲セントラルタワー7階
・企業URL:https://aillis.jp/