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多様化・大型化する大規模木造建築への対応を強化、2026年建築基準法厳格化にも対応 木造住宅でも更に壁の少ない自由な設計を可能とする「SE構法Ver.3」販売開始
株式会社エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区、代表取締役社長:田鎖郁男 以下「エヌ・シー・エヌ」)の独自の工法である「SE構法」が、2025年4月1日に一般社団法人日本建築センターによる新たな構造評定(BCJ 評定LW0078-04)を取得しました。
エヌ・シー・エヌはこれまでも「SE構法」により多様化、大型化する大規模木造建築に対応してきました。
今回新たな構造評定を取得することで、適用範囲の拡大・性能強化による設計自由度の拡大を実現しました。
従来品よりコストを抑え、且つ性能を向上させ、より使いやすくなった「SE構法Ver.3」により、大型化する大規模木造建築の普及と建築基準法の厳格化に対しても優位性を発揮することで、エヌ・シー・エヌは更なる耐震構造の普及を目指してまいります。
新バージョン「SE構法 Ver.3」はSE構法登録施工店を対象に、2025年6月1日より販売を開始いたします。
■評定概要
件名:SE構法木質フレームシステム(SE構法Ver.3)
評定番号:BCL評定 LW0078-04
評定取得日:2025年4月1日
■「SE構法 Ver.3」の主な変更点
① 構法の適用範囲拡大による大規模木造建築への対応強化
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「SE構法」従来品 → 「SE構法 Ver.3」
階高 :4.5メートル → 6.0メートル
最大スパン:12メートル → 制限無し
最高高さ :24メートル → 30メートル
延べ面積 :3,000平方メートル → 制限無し
階数 :5階建以下(変更なし)
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② 大断面部材の標準化による大規模木造建築への対応強化
・180ミリ幅の集成材を標準ラインナップに追加。
・高耐力柱脚金物を開発。従来品のおよそ2.2倍の性能向上を実現。
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「SE構法Ver.3」
150ミリ角の短期引張力は169.5キロニュートン
2本使いで289.3キロニュートン
「SE構法従来品」
短期引っ張り耐力77.3キロニュートン
2本使いで132キロニュートン
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③ 「G-BOARD」の採用と「TN釘」の開発により高耐力壁と大空間の両立
・耐力と剛性を備えほぼ100%木質廃棄物を原材料とする構造用パーティクルボード「G-BOARD」を採用。
・「G-BOARD」の性能を最大限に発揮するため「TN(Tough Nail)釘」を開発。
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壁倍率換算は11.7倍(両面で23.4倍)に相当する短期許容耐力。
(木造仕様規定では壁倍率は2.5倍、両面貼で5倍となっている)
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・建築基準法改正によって、住宅での必要壁量が増えることに対し大空間の開放的な住宅設計が可能。
・従来の構造用合板より剛性が高く、地震時の建物変形を大幅に軽減。
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構造用合板使用時:7.6KN/cm G-BOARD:16.2KM/cm(2.1倍)
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■G-BOARD
「SE構法 Ver.3」で標準採用する構造用パーティクルボードです。木質廃材を主な原料としてEPD認証(※)を取得した工場で製造され、他の面材と比較しても面内せん断の性能が高いことが特徴です。主に建築解体材などの木質廃棄物を原料として100%リサイクルされており、環境負荷軽減に貢献する製品です。
※EPD認証:Environmental Product Declarationの略称。日本語では環境製品宣言。製品・サービスのライフサイクル全体の環境情報を定量的に算出し、第三者検証により透明性と信頼性高く見える化された仕組みのことを指します。
④ SE金物は軽く使いやすく
・特許製法のプレスリングを採用する事で金物幅がスリム・軽量になる
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「SE構法」従来品 → 「SE構法Ver.3」
金物幅:77ミリ → 61ミリ
重 量:4.6キログラム → 3.95キログラム
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・製造過程において溶接工程をなくすことでコストダウン

■SE構法
「SE構法」は、Safety Engineering(Engineering For Safety)の略であり「工学的に安全な構法」を意味します。「SE構法木質フレームシステム」は、5階建て以下の木造建築物に対応した構法で主要構造部材である柱梁にはJAS規格の構造用集成材を、接合部には専用金物であるSE金物を使用した木質ラーメンと面材耐力壁を組み合わせた架構形式が特徴の構法です。
構造評定では、大地震時の構造安全性の検討を含む構造設計が、建築基準法及び関連法令への対応と技術的に問題が無いことが審査されています。エヌ・シー・エヌは2018年に新規の構造評定を取得し、その後4回の追加・更新を行いながら、社会的なニーズへの対応と新たな技術の導入を行ってきました。今後も技術と経験をもとに、構造計算に基づく高度な耐震性を誇る木造建築システムを提供しながら、「SE構法」の追求と木構造の開発・研究を継続する自社施設「木構造技術センター(TIMBER STRUCTURE LAB.)」を中心に、安全性を最優先に考慮しながら持続可能な未来を見据えた製品開発に取り組んでまいります。
■会社概要
株式会社エヌ・シー・エヌ
代表者:代表取締役社長 田鎖郁男
所在地:〒100-0014 東京都千代田区永田町2-13-5 赤坂エイトワンビル7階
TEL:03-6897-6311 FAX:03-6770-4228
設立 :1996年12月11日
資本金:3億9,109万円 (2025年3月末現在)
従業員数:単体102名、連結145名(2025年3月末現在)
(構造設計一級建築士1名、一級建築士14名、二級建築士15名)
□事業内容
・木造耐震設計事業 住宅分野 ネットワーク展開(重量木骨の家)
住宅分野 ハウスメーカー対応(株式会社MUJI HOUSE)
大規模木造建築(非住宅)分野(特建事業・株式会社木構造デザイン・株式会社翠豊)
・その他 建築環境設計事業
BIM事業(株式会社MAKE HOUSE)
□子会社
・株式会社MAKE HOUSE
・株式会社木構造デザイン
・株式会社翠豊
□関連会社
・N&S開発株式会社
・株式会社MUJI HOUSE(無印良品の家)
・SE住宅ローンサービス株式会社