シーズアンドグロース株式会社

新卒採用専門コンサルティング会社のシーズアンドグロース株式会社(本社所在地:東京都中央区、代表取締役 河本 英之、以下「SAG」)は、FA機器・動力伝導要品の総合商社である藤川伝導機株式会社(以下「藤川伝導機」)に対し、オーダーメイドのメンター制度を導入しました(藤川伝導機では「コーチャー制度」と呼ぶ)。
2023年7月より本制度を導入したことにより(総合職の外勤営業が対象)、2024年12月までに、新卒の退職率が約5割低下したことをお知らせいたします。
※メンターとは・・・先輩社員が新入社員の相談役となり、業務のサポートやモチベーション維持を図るために任命された社員です。企業により、メンターをつける対象者(新入社員~3年目など)や、メンター社員の属性(メンターをつける対象者と同部署あるいは他部署など)、実施時期などは異なります。
背景・課題
昨今、入社3年以内の離職率が増加し、企業における『人材の定着』が課題となっています。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」によると、従業員数30~99人の事業所で、3年以内に離職する大卒の割合は42.4%、100~499人の事業所では35.2%と、3年以内の離職率は増加傾向にあります。
※参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00007.html

中堅・中小企業では、マンパワーも限られることから、新入社員の育成は現場社員に一任せざるを得ない企業も多くあります。そのため、本来ならば「若手社員が新入社員を育成するスキーム」を構築しておくことが望ましいといえます。しかし、育成のスペシャリストがいないなかで、それらを内製化することは簡単ではありません。
そのような背景もあり、多くの中堅・中小企業では、育成の知識や人を育てるマインドが醸成されず、新入社員の育成や早期離職の課題が山積していきます。
今回、SAGが支援した藤川伝導機では、社員の早期離職が課題で、総合職(外勤営業のみ)における2022年度の退職率が約25%と、同業の卸売業・小売業の14.6%※を大きく上回る状態でした。
その理由として、「新入社員研修後は、全国にある各拠点配属のため、本社の総務人事が退職リスクを把握しづらいこと」や「各拠点の社員は中途入社者が多く、新入社員の教育・育成に不慣れであること」が考えられました。
※参考:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」産業別入職・離職状況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf
そこでSAGは、先輩社員が新入社員の相談役となるメンター制度の構築と導入を提案し、2023年7月より運用が開始されました。
藤川伝導機における『メンター制度』の内容

藤川伝導機では、新入社員1名に対して、各拠点の若手社員(新入社員と年次が最も近い社員)がメンターとして2名つき、相談・指導にあたります。
メンターに任命された社員は、毎年7月にメンター研修(メンターの役割、新入社員との関係構築の方法、新入社員のモチベーション管理方法など)に参加し、その後、毎月SAGとのオンライン定例会で、進捗や今後のアクションについて確認します。
藤川伝導機のメンター制度における特徴
●全国の拠点にメンターがいるため、3拠点ずつ毎月オンラインにて定例会を実施。メンターの上司や、本部の人事総務部も定例会に参加。
効果:
・「他拠点も同じような悩みを抱えている」という共感がメンター間の団結につながる。
・SAGからのフィードバック内容が横展開される。
・各拠点の課題をメンターが“自分事”ひいては“全社課題”として捉えることができる。
●毎月定点観測を行うことで、拠点から離れた本部の人事総務部も、新入社員の特性や成長を把握できる。
効果:
・新入社員の状況やリスクを本部でリアルタイムにキャッチアップできる。
・適材適所の人員配置を検討できる。
藤川伝導機における『メンター制度』の成果
メンター制度導入以前、藤川伝導機の総合職(外勤営業のみ)における退職率は約25%でしたが、2023年7月からメンター制度を導入したことで、2024年度の退職率は13%と低下しました。新卒に限ると、17%から8%まで退職率が低下しました。
本取り組みは、新入社員の退職率に留まらず、既存社員のモチベーション維持による定着にも貢献しています。

『メンター制度』における今後の取り組み
メンター制度は、単なる離職防止施策ではなく、“人を育てる文化”を定着させるためのものです。社内に人を育てる文化が定着することで、組織力の向上やマネジメント予備軍の育成にもつながります。
ですが、メンター制度は、「企業文化」「企業のこれまでの教育・育成方法」「社員の志向性」などを十分に考慮しながら導入していく必要があり、パッケージのような型に当てはめることができないものと捉えています。
だからこそSAGでは、これまで16業界、300社以上のお客様の採用活動を支援してきた知識やノウハウを活かし、完全オーダーメイドの制度構築を支援することで、誰もがイキイキと働ける社会に貢献していきます。
関係者コメント
■藤川伝導機株式会社 専務取締役のコメント
当社はもともと内製文化が根強くありましたが、本制度を導入し、退職率の低下だけでなく、「全社で育成に取り組もう」というマインド醸成にもつながりました。
新入社員ひとり一人の特性を理解したSAGの具体的なアドバイスにより、コーチャー社員の主体性も育まれています。社内からは「コーチャー制度を導入してよかった」や「今後も継続するべきだ」という声が上がっており、社員育成に対する意識改革が進んでいることを実感しています。
“人が財産”である一方、採用に苦戦している我々のような中堅・中小企業こそ、社員一人ひとりが会社に与えるインパクトは大きく、本制度に積極的に取り組む意義があると感じています。
企業概要

社名 :藤川伝導機株式会社
代表 :代表取締役社長 藤川 文男
本社所在地:東京都台東区台東2-30-5
設立年 :1950年2月
資本金 :1億2200万円
従業員数 :161名
事業内容 :伝導機器、搬送機器、油空圧機器、省力関連機器、FA機器 等の総合商社

社名 :シーズアンドグロース株式会社
代表 :代表取締役 河本 英之
本社所在地:東京都中央区日本橋人形町2-4-9 人形町双葉ビル4階
設立年 :2010年7月
資本金 :990万円
従業員数 :15名(代表を除く役員以下の人数。2025年4月時点)
事業内容 :顧客の採用課題からソリューションを組み立てる、完全オーダーメイドの新卒採用専門コンサルティングサービスの提供