株式会社サトー
非接触で患者の認証ができ、医療安全と看護業務を両立
株式会社サトー(本社:東京都港区、以下「サトーグループ」)は、医療・製薬向け事業を担う子会社であるサトーヘルスケア株式会社(本社:東京都港区、以下「サトーヘルスケア」)の「RFIDリストバンド」が、大阪医科薬科大学病院(大阪府高槻市、病床数894)に導入されたことをお知らせいたします。
さらに、患者・薬剤(注射・点滴)・看護師の3点に誤りがないかを認証する三点認証業務において、RFID(無線ICタグ)を活用した非接触認証システムも導入されました。これにより、就寝中の患者を起こすことなく認証が可能となり、看護師の業務負担および心理的ストレスの大幅な軽減に寄与しています。
同院は、特定機能病院として高度医療を担い、「超スマート医療を推進する大学病院 -Super Smart Hospital-」というコンセプトのもとDX化を推進しています。今回の導入はその一環であり、病棟での三点認証を非接触・簡便化することで、医療現場の安全性と業務の最適化を両立させる事例です。

医療業界における課題
2025年は、いわゆる団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、高齢者人口の急増が見込まれています。これに伴い、医療・介護の需要がさらに高まる一方で、医療従事者の人手不足が深刻な社会課題となっています。特に地方や過疎地域は、医師や看護師の偏在が顕著であり、労働環境の改善や働き方改革の推進が急務とされています。
このような状況を受け、医療現場においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められています。電子カルテの標準化・クラウド化に加え、物品管理や患者認証におけるRFIDの活用が注目されています。RFIDを導入することで、情報管理の正確性を担保しつつ、確認作業がスムーズになり、看護に集中できる環境が整います。医療現場におけるRFIDの利活用は、正確性、安全性、省力化を実現に有用と言えます。
大阪医科薬科大学病院によるRFIDリストバンド導入の背景
厚生労働省が定めている三点認証とは、医師の指示をもとに「患者」「薬剤(注射・点滴)」「看護師」の3点の情報に誤りがないかを、薬剤の投与前に確認する業務です。患者誤認を防止し、誰がどの患者にどの薬を投与したのかが記録できます。
この三点認証は、多くの医療機関でバーコード印字によるリストバンドの活用が主流となっています。しかし、バーコードは近接での読み取りが必要なため、看護師と患者の双方から「患者の睡眠を妨げてしまう」 「湾曲したバーコードの読み取りに手間がかかる」といった声がありました。また、夜勤の看護師にとっても、心理的な負担が大きい業務となっていました。
こうした課題に対し、サトーヘルスケアが提供するUHF帯RFIDリストバンドと、ラベルプリンター「SCeaTa CT4-LX」を活用し、布団の上からでも患者の認証が可能となりました。現在は、大阪医科薬科大学病院の全病棟に導入され、看護業務の省力化と患者ケアの質向上に貢献しています。

導入効果は以下のとおりです:
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点滴確認業務の所要時間が従来の5分の1に短縮
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患者を起こさず認証できるため、睡眠環境が改善
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誤投薬防止や医療インシデントの抑止にも寄与
大阪医科薬科大学病院からのコメント
高度な医療を行う特定機能病院である当院は、大阪府北摂地域における地域医療の要として、安全で質の高い医療を提供しています。「スーパースマートホスピタル構想」のもと、病院の建て替えとDX化を進めています。患者さんと医療従事者との距離を縮め、人による温かな空気で患者さんを包み込む病院を目指しています。
RFIDリストバンドの導入は、点滴交換の頻度が高い2病棟から試験的に開始しました。布団の上からでも認証できるため、就寝中の患者に負担をかけずに業務が可能となり、パソコン移動の手間や心理的ストレスも大幅に軽減されています。今後は、採血時の本人確認への応用や、試薬・ベッドマットなど物品管理へのRFID活用の拡大も視野に入れており、安全性と業務効率のさらなる向上を目指しています。
導入事例の詳細:https://www.sato.co.jp/case/hospital-ompu.html
対応商品
RFIDリストバンド:
https://www.sato.co.jp/products/supply/healthcare/
対応プリンター:SCeaTa(シータ)CT4-LX RFID(UHF)モデル
https://www.sato.co.jp/products/printer/ct4-lx-rfid/
サトーヘルスケアでは、医療機関、医薬品業界、医療機器業界を対象に、医療現場の安全性向上と業務効率化を支えるソリューションを提供しています。
厚生労働省のコンピュータ化システム適正管理ガイドライン(CSV)における「カテゴリ3」およびER/ES指針に準拠したパッケージソリューションをはじめ、GS1推奨のRFID規格に対応したRFIDラベル発行システムや、ラベル検査ソリューションなど、ヘルスケア分野におけるトレーサビリティとデジタル化を支援する多様なソリューションをグローバルで展開しています。
株式会社サトー 概要
あらゆるものを情報化して、社会のうごきを最適化する。サトーグループは、90を超える国・地域でビジネスを展開する創業1940年のグローバル企業グループです。バーコードやRFIDなどに代表される、自動で情報を認識・入出力するための技術(自動認識技術)を用いて、リアルな世界のあらゆるものを情報化し、その情報を活用することで、現場ごとに最適な課題解決の仕組みを提供しています(2024年3月末時点、連結売上高1,434億円)。
所在地 :東京都港区芝浦3 丁目1 番1 号 msb Tamachi 田町ステーションタワーN
代表者:代表取締役 社長執行役員 グループCEO 小沼 宏行
資本金 :84 億円
事業内容:自動認識ソリューション商品(ラベルプリンター、RFIDプリンター、ラベル自動印字貼付機、ソフトウェア、シール・ラベル、RFIDタグ、ハンドラベラー等)の企画、開発、設計、製造、販売、保守。バーコードリーダー、RFIDリーダー、自動貼りロボットなど他社周辺機器を組み合わせた総合的なソリューションの企画提案。