Onehand MUSIC Groove
私たちOnehand MUSIC Grooveは、障がいのある演奏家によるコンサート「Special×ONE Concert 2025」を2025年7月6日(日)に東京・渋谷で開催します。

7月6日(日)Special×ONE Concert 2025開催決定!
Special×ONE Concert は、病気や怪我、または先天的な障がいにより、通常の奏法では演奏・歌唱に困難を持つ方が、制約のある中から生み出される独自の音楽を表現するコンサートです。
【出演者】
片腕のギタリスト輝彦
工藤雄一
熊谷永子
清水まり
竹内正実
日時:2024年7月6日(日)13:30開演(13:00開場)
会場:渋谷区文化総合センター大和田 6階 伝承ホール
チケット:一般3,000円 学生・障がい者・介助者2,000円
主催:Onehand MUSIC Groove
身体的制約を超えて、唯一無二の新たな音楽へ
このコンサートを通して、様々な表現方法の工夫や、片手で演奏できるように改造された楽器の存在を知っていただき、身体的なハンデが決してその人の音楽性を奪うものではなく、新たな音楽表現を生み出す源泉となることをお伝えしていきたいと思います。
ほとんどの楽器は、健常な身体で演奏することを前提として作られています。
たとえ指1本を損傷しただけでも、これまで通りに楽器を演奏することは難しくなります。音楽を演奏することを生きがいにしていた人にとって、それは表現の手段を失うことを意味し、深い喪失感を伴うことも多くあります。
そのような中、演奏方法の創意工夫や補助具やアクセシブルな楽器により、あきらめずに演奏を続ける人たちがいるのです。そこにあるのは「できることだけを並べた不完全な音楽」では決してありません。シンプルな音の中には、演奏者の音楽性や表現が凝縮され、豊かに響いています。
その音は、聴く人の感性に深く触れるだけでなく、既存の奏法にとらわれないことで、通常の方法で演奏する人々にとっても、新たな音楽の可能性を開くものです。
活動のきっかけ
私たちの活動のきっかけは、当団体の代表の個人的な経験にあります。病気・怪我の後遺症により、それまでと同じようにピアノを弾けなくなったとき、想像以上の落ち込みと無価値観に苦しみました。そんな時、片手だけでコンサート活動を続けるピアニストや、障がいを持ちながら演奏を続ける世界の音楽家の存在に励まされました。その出会いを通して、たとえ“完全な形”ではなくても、独自の方法で音を奏でることは、”完成された表現”であると気づきました。
この体験が、「誰もがその人らしい音楽を奏でられる場をつくりたい」という想いへとつながり、Onehand MUSIC Grooveの活動が始まったのです。
これまでの活動
コンサート
私たちは、2022年に活動を開始して以来、これまでに2回のコンサートを開催してきました。
いずれも、障がいのある演奏者たちが創意工夫を凝らし、自分らしい方法で奏でる音楽が、会場に集まった多くの人々の心を揺さぶる時間となりました。お客様の声の一部をご紹介します。
●力強く、心に響く演奏、とても素敵でした。皆さまのそれぞれの努力、頑張りが感じられて感動でした。(50代 女性)
●アレンジや楽器の工夫でどの曲もイキイキしていました。(50代 男性)
●障がいに関係なくプロとしての演奏を聴かせていただいた。(40代 男性)
●みなさん、ここに至るまでどんな苦しみ、悲しみ、悔しさを乗り越えてこられたのだろうと、お一人お一人にお話を伺いたくなりました。(60代 女性)
●自分も病と闘っているので、勇気をいただきました。(50代 不明)
スライドリコーダー
また、障がいのあるお子さんたちにも音楽を楽しんでもらいたいという想いから、片手でも演奏できる「スライドリコーダー」をプレゼントする取り組みを行いました。
この楽器は、佐賀県在住の大坪武廣氏が開発したものです。イギリス・バーミンガムを本拠地として障がいのある方の音楽活動を支援する団体(OHMI)で行われたコンペティションで受賞もされています。



カンファレンス
2025年3月には、前出のスライドリコーダーをご紹介いただいたOHMI主催のカンファレンス(障がい者のための楽器開発・支援をテーマとする国際会議)に参加し、私たちの活動についてポスター発表を行いました。
世界中の取り組みや楽器開発の現場に触れる中で、日本における支援の必要性と、自分たちの役割の大きさを改めて感じました。




今後の活動
私たちは、障がいがあることで楽器の演奏をあきらめざるを得なかった人たちに、もう一度「音楽を奏でたい」という気持ちを取り戻してもらいたいと願っています。
そのためにまず必要なのは、「どうやったら演奏できるのか」、「今ある楽器がどのように改良されたら使いやすいのか」といった、当事者のリアルな声を集めることです。
同時に、私たちはその声に応えてくださる楽器製作者、研究者、開発者の皆さまともつながりたいと考えています。
このコンサートは、まさにその第一歩です。障がいがある演奏者が、その人らしく輝ける舞台として、そして、多くの人にその存在と可能性を知っていただくための、大切な発信の場です。
このステージが、新たな演奏者や協力者との出会いにつながるよう、私たちはこれからも活動を広げていきます。