『アウシュヴィッツ脱出　命を賭けて世界に真実を伝えた男』（ジョナサン・フリードランド／羽田詩津子訳）が、NHK出版より4月25日に発売されました。

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　1944年4月、19歳のヴァルター・ローゼンベルク（ルディ・ヴルバ）はユダヤ人として初めてアウシュヴィッツ強制収容所からの逃亡に成功。彼の正確な証言により作成された60ページに及ぶ「アウシュヴィッツ・レポート」はユダヤ人解放への道筋をつけ、結果的に20万人の命を救いました。

　歴史を動かし、自身も時代に翻弄されたローゼンベルクの功績を描いた本書は、アンネ・フランクやオスカー・シンドラーらに比肩する男の数奇な人生をはじめて明らかにしたノンフィクションです。

・第9章「荷下ろし場で」より抜粋

　アウシュヴィッツに到着した移送者たちは、自分たちの運命を決める審査団の方へ近づいていく。そこで選別を受け、右に行かされれば被収容者として登録され労働をさせられ、たとえわずかな期間でも生き延びるチャンスを与えられた。左側へと指示されたら、すぐ先に死が待っていた。

　ヴァルターはパターンを観察することが大切だと知っていた。まもなくパターンを発見した。いったんわかると、あとは確認するだけでよかった――それによって新たな固い決意がわき上がった――今起きていることを世の中に知らせよう。

　アウシュヴィッツに来た人間の痕跡をいっさい残さないことが、ナチスにとっては重要だった。彼は自分が被収容者で奴隷労働者だけでなく、「死の工場」の収監者でもあることに気づいた。ナチスはユダヤ人を絶滅させようと決意していて、まさにここでそれを実践しているのだ。ヴァルターは18歳だった。彼は頭がよく、適応力も高かったが、いまや理解を超えたものと対峙していた。

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■試し読みを公開！

webサイト「NHK出版デジタルマガジン」で本書の試し読みを公開いたしました。

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■『アウシュヴィッツ脱出　命を賭けて世界に真実を伝えた男』目次

第１章　星

第２章　五百ライヒスマルク

第３章　移送されて

第４章　マイダネク

第５章　我々は奴隷だった

第６章　カナダ

第７章　ユダヤ人問題の最終的解決

第８章　ビッグ・ビジネス

第９章　荷下ろし場で

第10章　記憶する男

第11章　ビルケナウ

第12章　「これまで楽しかった」

第13章　脱走は「死」である

第14章　ソビエト兵捕虜の教え

第15章　隠れ家

第16章　みんなを行かせてくれ

第17章　地下で

第18章　逃亡

第19章　国境を越える

第20章　黒と白

第21章　神の子たち

第22章　わたしに何ができるのか？

第23章　真実の発信

第24章　ハンガリーのユダヤ人

第25章　銃といっしょの結婚式

第26章　新たな国イギリスへ

第27章　本当のカナダへ

第28章　わたしは脱出方法を知っている

第29章　虚無の花

第30章　多すぎて数えられない

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■著者紹介

ジョナサン・フリードランド　Jonathan Freedland

英国ガーディアン紙コラムニスト、同紙元ワシントン特派員。BBCラジオ４で歴史番組のプレゼンターも務める。2022年に刊行された本書は「タイムリーかつ普遍的な教訓を与える」「もっと評価されるべき真の英雄の物語」など絶賛された。サム・ボーン名義で、英国サンデー・タイムズ紙ベストセラー第1位などのミステリー小説を刊行。2014年にジャーナリストとしてジョージ・オーウェル賞を受賞。ロンドン在住。

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■商品情報

出典：PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ （2025年4月25日 10時00分）