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ドライバー不足6割超の一方、2割が退職理由を「把握できていない」希望通りの育休取得約1割、若者の定着離れも加速。全国905名の声から読み解く物流現場のリアル

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X Mile株式会社

~物流業界の働き方に関する実態調査「クロスワークしごと白書2025」第二弾『人材採用・定着課題編』を発表~

ノンデスク事業者向けの人材採用システム『クロスワーク』を提供するX Mile株式会社(読み:クロスマイル、本社:東京都新宿区、代表取締役:野呂 寛之、以下『当社』)は、物流業界の働き方に関する実態調査「クロスワークしごと白書2025」の第二弾として、『物流業界の人材採用・定着課題編』をこの度、発表しました。本調査は、全国の物流事業の経営者・役員185名と、トラックドライバー720名(*)の計905名を対象に、物流業界における採用・定着・働き方の現状を可視化しました。結果からは、法改正や制度整備だけでは解決できない、“現場と経営の意識のギャップ”が浮き彫りとなりました。なお、第一弾では、『物流2024年問題』による収入・働き方の変化および、2025年4月1日より施行の『物流関連二法』への対応策に関する調査結果をまとめておりますので、あわせてご覧ください。

※クロスワークは、物流・建設・製造特化の採用支援サービスです。

▼第二弾の全文は下記よりダウンロードが可能です。

 https://x-work.jp/journal/driver-working_02

※本調査のデータ転用・引用時は必ず「クロスワークしごと白書2025(https://x-work.jp/journal/driver-working_02)」と記載をお願いいたします。

目次

■総括

調査の結果、多くの物流事業者がドライバー不足を実感しつつも、従業員の退職理由を把握できていない現状が明らかになりました。トラックドライバーの職場満足度は低く、「給与」「拘束時間」「人間関係」への不満が離職の大きな要因となっています。

また、育児休業制度の利用が進んでいないことや、柔軟な働き方、設備環境の課題も浮き彫りになりました。若手ほど福利厚生や安定雇用を重視する傾向があり、地域によって定着への課題感に差が見られます。

これらの状況から、物流業界全体として、人材流出の背景を理解し、多様なニーズに対応した職場環境の整備と、時代に合った人材戦略の再構築が急務と言えるでしょう。

■主な調査結果

1)6割超の事業者がドライバー不足に苦悩。中継地点となる物流網を有するエリアで深刻な人手不足

  • 人手不足に課題を感じている(*)エリアトップは「中国地方(75.0%)」。次いで、北海道(71.5%)、九州地方(71.5%)、中部地方(68.8%)が続く。一方、東北地方は35.7%と約半数以下

2)2割の事業者が退職理由「把握できていない」現状。離職要因を捉えきれていない実態が明らかに

  • 一方、転職検討中のトラックドライバーに聞いた理由ベスト3は「給与が低い(53.1%)」「拘束時間が長い(27.2%)」「肉体労働で体力的にきつい(23.1%)」で、労働環境に対する不満が離職を促進

3)「希望通りの育休」1割強に留まる実態。制度はあるも利用できず、両立支援に苦悩するドライバー多数

  • 背景に、制度の不備や利用しづらい現状、取得できても期間や制限があることなどが挙げられ、物流業界における子育てとの両立支援体制の課題が浮き彫りに

  • 働きやすい環境に効果的な施策トップは「柔軟な働き方の整備(51.2%)」次いで「トイレ・更衣室・休憩室などの整備(47.1%)」「子育て・育児との両立支援(34.4%)」と設備環境や働き方・勤務体系の多様化を求める声が多い

4)『若者の仕事離れ』が定着率に影響か。高齢化が進む現状に事業者、悲痛の叫び

  • 6割の事業者が人材の定着に「課題を感じている(*)」。最も課題感が強いのが中部地方(75.0%)で、最も低い東北地方(42.8%)と比較すると32.2%もの差がある

  • 未経験者への支援施策トップは「資格取得支援制度(大型免許、フォークリフトなど)の導入(34.1%)」

5)『会社の安定性』を重視するドライバー4割超。物流2024年問題の影響か

  • トラックドライバーが仕事を選ぶうえで重要視することトップ3は「給与が高い(67.1%)」「安定した会社(44.7%)」「良好な人間関係(40.8%)」であり、収入の高さと企業としての安定性を重視する傾向

  • 若い世代ほど安定した雇用や福利厚生を求める傾向が示唆

6)人手不足解消に『女性ドライバーの活躍に期待』の声。2割超が『積極的に女性ドライバーの採用を進めている』と回答。一方で、受け入れ体制への課題が浮き彫りに

  • トラックドライバーが女性の採用・活躍において会社に期待すること上位2つは「女性専用の休憩室・仮眠室・更衣室の設置(42.2%)」「男女別のトイレの整備(41.5%)」であり、長く働ける環境作りを求める声多数

■詳細

1)6割超の事業者がドライバー不足に苦悩。中継地点となる物流網を有するエリアで深刻な人手不足

事業者にドライバー不足について質問したところ、6割超が「課題に感じている(*)」と回答した一方、「どちらでもない」の回答が16.2%を占める結果となりました。

エリア別でみると、特に中国地方(75.0%)が人手不足を強く感じており、次いで、北海道(71.5%)、九州地方(71.5%)、中部地方(68.8%)と続きます。一方、東北地方は35.7%と約半数以下という結果に。

中国や九州地方は、物流網が発達している一方で、都市部への人口集中が進んでいる傾向にあり、地方部でのドライバー確保が困難になっていることが考えられます。

また、北海道も広大な面積に対して人口密度が低く、拠点間の移動距離が長かったり、冬季の悪天候による輸送が困難だったりすることから、多くのドライバーを必要としている実態があらわれています。

2)2割の事業者が退職理由「把握できていない」現状。離職要因を捉えきれていない実態が明らかに

事業者に対して過去5年間のドライバーの退職理由について質問すると、2割が退職理由を「把握できていない」現状が明らかになりました。

対照的に、転職検討中のトラックドライバーに転職を考えている理由を質問したところ、回答の上位3つが「給与が低い(53.1%)」、「拘束時間が長い(27.2%)」、「肉体労働で体力的にきつい(23.1%)」となり、労働環境に対する不満が離職を促進していることがわかります。

さらに、転職希望時期を質問したところ、半数以上(56.6%*)は1年以内の転職を希望していることが明らかになりました。また、「いい転職先があればすぐにでも転職したい」と回答した方も12.6%おり、事業者側への労働環境・待遇改善が強く求められていることがわかります。

3)「希望通り育休」1割強に留まる実態。制度はあるも利用できず、両立支援に苦悩するドライバー多数

トラックドライバーの育休取得状況において、該当しない(育休の必要がなかった)と答えた方を除いた男女240名に質問したところ、「希望通りに取得できた」と回答したのは約1割となりました。

男女別にみると、共通して「会社に育休制度がない、または制度があっても実質的に利用できない」の回答が4割を超えており、制度の有無だけでなく、職場環境や人員体制などが整わず、制度があっても利用を躊躇してしまう状況があることを示唆しています。

女性の育休取得状況を見ると、希望通りに取得できたのはわずか1割で、2割が取得しづらいと感じています。回答数が少ないながらも、半数以上が何らかの課題を感じており、育児と仕事の両立支援体制の遅れが示唆されます。

一方、男性では希望通りの取得はわずか9.1%と1割未満にとどまり、「取得しづらい」という声が約4割を占めています。育児休業制度の整備が進む一方で、制度の利用を躊躇させる職場慣行や従業員の意識が、育休取得における大きな障壁となっている現状が明らかになりました。男女ともに、物流業界では育休を取得しやすい環境整備が急務と言えるでしょう。

こうした状況を踏まえ、トラックドライバーに男女問わず働きやすい環境を作るための効果的な施策を尋ねたところ、半数以上が「柔軟な働き方の整備(51.2%)」と回答しました。

次いで約半数が「トイレ・更衣室・休憩室などの整備(47.1%)」を、3割強が「子育て・育児との両立支援(34.4%)」を挙げました。

一方、企業の定着策の上位は「柔軟な働き方(34.1%)」「休憩室等の設備整備(12.4%)」「公平な評価(10.8%)」がランクイン。

ドライバーは「子育て・育児との両立支援」が34.4%と高い割合で3位にランクインしているのに対し、企業の取り組みとしては8.1%で11位に留まっています。この結果は、企業が考える定着策と、ドライバーが実際に働き続けたいと強く感じる要素、特に仕事と家庭の両立支援において、大きなギャップが存在することを示唆しています。

このように多様なニーズにあわせた環境整備が重要視される中、事業者にワークライフバランス向上に向けた取り組みを聞くと「有給休暇取得の推奨(36.8%)」「健康診断・健康相談の実施(28.1%)」「待遇改善(23.2%)」などの声が挙げられました。

積極的に改善を図る企業がある一方で、「特に導入している制度や取り組みはない」と答える事業者も2割程度おり、事業者間で環境整備に対する意識に差があることがわかります。

4)『若者の仕事離れ』が定着率に影響か。高齢化が進む現状に事業者、悲痛の叫び

事業者に定着率に対する実態を質問したところ、6割が「課題を感じている(*)」と回答しました。

フリー回答で定着率に課題を感じている理由を尋ねたところ、若年層を中心とした定着率の低さへの懸念が目立つ結果となりました。背景には、転職や独立を前提とする若手層の意識に加え、物流業界における給与水準や拘束時間など、不満の多い労働環境が早期離職を加速させる実態があります。

地域別でみると、定着率への課題が最も強いのが中部地方(75.0%)という結果になりました。

最も低い東北地方(42.8%)と比較すると32.2%もの差があり、地域によって定着率に対する認識や実態に大きな違いがある可能性を示唆しています。

こうした課題認識を踏まえ、特に若年層や未経験者が安心して長く働ける環境を整備しようとする動きも出てきています。 事業者にドライバー未経験者が安心して働くために導入している制度や取り組みを質問したところ、「資格取得支援制度(大型免許、フォークリフトなど)の導入(34.1%)」「社会保険完備(33.5%)」「有給休暇の取得促進(28.6%)」が上位3つとなりました。

3割近くが「特に取り組みは行っていない」と回答しているものの、充実した福利厚生の整備や手厚い研修に力を入れている企業が多いことがわかります。これらの多角的な取り組みを通じて、未経験者が安心して長く活躍できる環境を整備していくことが、若年層の定着率向上、ひいては業界全体の活性化に繋がると考えられます。

5)『会社の安定性』を重視するドライバー4割超。物流2024年問題の影響か

トラックドライバーに仕事選びで重要視することを質問したところ、上位3つが「高い給与(67.1%)」「安定した会社(44.7%)」「良好な人間関係(40.8%)」となり、収入の高さと企業としての安定性を重視する傾向にあることがわかりました。

年代別では、全年代で「高い給与」が最重要視され、トラックドライバーにとって収入が仕事選びの根幹であることが改めて明確になりました。また、「充実した福利厚生」も多くの年代で上位にランクインし、経済的安定と長期就労へのニーズが示唆されます。

さらに、年代が上がるにつれて、ワークライフバランスやキャリアアップよりも、良好な人間関係、安定性、労働環境といった、より長く安心して働ける要素への重視度が高まる傾向が見られました。

一方で、女性では仕事選びの基準が「特にない」と回答する割合が男性よりもやや高く、依然として物流業界において女性がマイノリティであり、トラックドライバーという仕事に進出する上での選択肢が限られていることや、必要な情報が十分に提供されていない可能性があると考えられます。

6)人手不足解消に『女性ドライバーの活躍に期待』の声。2割超が『積極的に女性ドライバーの採用を進めている』と回答。一方で、受け入れ体制への課題が浮き彫りに

事業者に対し、女性ドライバーの雇用実態を質問したところ、2割超が「積極的に採用を進めている」と回答しました。

背景として「ドライバー不足の深刻化と女性の活躍への期待」と答えた方が4割に上りました。

一方、採用における課題も明確になり、「女性ドライバーの応募者数の少なさ(75.6%)」、「求めるスキル・経験を持つ女性の少なさ(22.2%)」など、絶対的な人材不足と、要件を満たす人材の確保難が浮き彫りになりました。

その中で、トラックドライバーに女性ドライバーの採用において会社に期待することを聞くと、上位2つは「女性専用の休憩室・仮眠室・更衣室の設置(42.2%)」「男女別のトイレの整備(41.5%)」となりました。

他にも、荷台や運転席の改良といった物理的な負担軽減、勤務時間や休日制度の見直しなどの働き方の整備への要望や、ハラスメント対策の徹底、孤立しがちな女性ドライバー同士が情報交換や悩みを共有できる交流会の実施など、心理的な安心感や連帯感を醸成するための取り組みも期待されています。

X Mile株式会社 執行役員 COO 渡邉 悠暉よりコメント

今回の調査レポートが示す、依然として6割を超える事業者様の深刻なドライバー不足、そして2割もの企業様が退職理由を把握できていない現状は、まさに私たちが日々の現場で肌で感じている人材確保・定着における構造的な課題を裏付けるものです。特に中継地点での人手不足の深刻化は、物流ネットワークの維持に直接的な支障をきたし、ひいてはサプライチェーン全体の遅延やコスト増といった形で、現場の皆様の業務に多大な影響を与えていることは想像に難くありません。

また、転職を検討中のドライバーの皆様の声にある、「給与」「拘束時間」「人間関係」といった労働環境への不満は、人材不足の根本原因であり、この状況が続けば、ますます現場の負担が増し、サービスの質の低下にも繋がりかねません。 さらに、育休制度の利用が進まない、柔軟な働き方が整備されていないといった課題は、多様な人材が長期的に活躍できる環境を阻害し、結果として、慢性的な人手不足に拍車をかけることになります。

このような現状に対し、当社は長年培ってきた人材マッチングのノウハウと、テクノロジーを活用した効率的な採用支援体制を強みとして、データに基づいた最適な人材ソリューションを提供することで、各社様の課題解決に貢献してまいりました。特に、ドライバーの皆様の多様なニーズに対応した求人情報の提供や、企業様の魅力的な情報を効果的に発信するサポートを通じて、ミスマッチを減らし、早期離職を防ぐことに注力しています。

今回の調査が、物流業界における人材採用・定着のあり方を改めて見つめ直す一助となれば幸いです。私たちも、常に変化する社会情勢と業界のニーズに対応しながら、最適な人材ソリューションを提供し続け、皆様の事業発展に貢献してまいります。

■調査概要

・調査期間:2025年3月12日〜2025年3月21日

・調査方法:インターネット調査、ウェブアンケートによる調査

・調査対象:全国20代以上の男女

 └物流事業者の経営者・役員の方185名

 └当社求人・転職サイト『クロスワーク』の会員登録者720名のトラックドライバー(*)

1)4)*課題に感じているは、「非常に実感している」「やや実感している」を合計した数値

2) *転職意向調査で「必ず転職したい」「ゆくゆく転職したい」と回答した507名のうち、「~1カ月以内(14.0%)」「~3カ月以内(15.6%)」「~半年以内(15.0%)」「~1年以内(12.0%)」の割合を合算した数値


▼第二弾の全文は下記よりダウンロードが可能です。

https://x-work.jp/journal/driver-working_02

※クレジット表記のお願い※

本調査のデータ転用・引用時は「クロスワークしごと白書2025

https://x-work.jp/journal/driver-working_02)」と必ず記載をお願いいたします。


▼関連リリース

・第一弾【物流2024年問題から1年、現場と経営の実態調査<第一弾>】「物流関連二法」の施行目前、業界が直面する変化と課題とは?3人に1人のドライバーが「収入減」、残業時間「月10時間未満」が最多


■X Mile株式会社 会社概要

会社名:X Mile株式会社(クロスマイル)

代表者:代表取締役CEO 野呂 寛之

所在地:

・東京オフィス(本社):東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア W7F

・大阪オフィス:大阪府大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第三ビル4F

・福岡オフィス:福岡県福岡市中央区大名1-8-6 HCCビル5F

・名古屋オフィス:愛知県名古屋市中区丸の内1-10-29 白川第8ビル 5F

・広島オフィス:広島県広島市南区京橋町1-7 アスティ広島京橋ビルディング1・2F

・札幌オフィス:北海道札幌市中央区南2条西8-3-1 大光ビル2F

設立 :2019年2月

HP:https://www.xmile.co.jp/

受賞歴:

・【Forbes JAPAN】次代を担う新星たち「2024年注目の日本発スタートアップ100選」選出(令和5年)

・【健康経営】全国健康保険協会の「健康優良企業宣言」を実施し、健康優良企業に認定(令和4年)

・【ダイバーシティ推進】一般社団法人日本ウーマンズバリュートレーニング協会「WOMAN’s VALUE AWARD」受賞(令和3年)

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出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年4月28日 10時00分)

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