株式会社陽と人
~セントラル石油瓦斯でのプログラム実施を通じ経営層に届いていない実態が明らかに~

女性のデリケートゾーントータルケアブランド『明日 わたしは柿の木にのぼる』を企画・運営する、株式会社陽と人(ヨミ:ひとびと、本社:福島県伊達郡国見町、代表取締役:小林味愛、以下陽と人)と、パラマウントベッド株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:木村友彦、以下パラマウントベッド)は、更年期世代の女性従業員を対象とした『DE&I対応型ヘルスリテラシー研修と更年期当事者の不調改善伴走支援プログラム』を共同開発し、セントラル石油瓦斯株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:太田晃、以下セントラルガス)にて実施いたしました。
今回のプログラム実施の中で、更年期世代の女性従業員は環境要因として職場や家庭においても責任や負荷がのしかかるほか、身体的要因として更年期不調・不眠など、総合的な要因が生産性に影響を与える「見えない不調」が存在している事が浮き彫りになりました。また、更年期症状や不眠症状があるプログラム参加者15名のうち、8割以上の方の睡眠スコア(※)が上昇しました。プログラム前後のアンケートによる自己評価では、約7割の方において更年期症状と不眠症状の改善傾向がみられたとの結果となりました。
今回の結果を通じて、企業の支援が十分でなかった女性特有の健康課題について、経営層や管理職に対処方法を示すことで、職場の生産性向上や企業価値向上につながることを目指します。
(※)離床回数、中途覚醒、睡眠効率などパラマウントベッドが独自に算出している数値
■「DE&I対応型ヘルスリテラシー研修と更年期当事者の不調改善伴走支援プログラム」とは
女性従業員の抱える更年期の症状や睡眠などの健康課題に対応するための包括的なサポートプログラムです。
女性特有の健康課題に関する基礎知識研修を職場で実施することから始まります。役員や管理職向けにアクティブラーニング型のワークショップ研修も行います。その後、女性当事者向けに睡眠を含む更年期症状改善に取り組む伴走型プログラムを約2か月間実施します。パラマウントベッドの非装着型睡眠計測センサーによる睡眠データの測定や、個別カウンセリング等を通じ、個人の症状や特性に合わせて、睡眠状態等の可視化と改善行動をサポートします。最後に知識研修やプログラム実施の結果を企業にフィードバックします。

▼プログラム実施概要
・実施期間:2024年6月10日〜2024年11月13日
・参加者:
①A 知識研修:25歳以上の女性従業員40名
B 知識+思考 体験型研修: 40歳以上の役員・管理職の男性19名
② ①Aのうち更年期症状や不眠症状がある25-59歳の女性従業員 15名
・調査方法:15名全員に対してアンケート調査、睡眠計測、カウンセリング、セルフケア用品提供を実施し、更年期症状・不眠・心理・認知行動に関する主観アンケートとシート型の睡眠計測センサーによる客観データを用いて、対策開始前1か月から開始後1か月の変化を評価した。
■プログラム実装により明らかになった事
1. 更年期症状の重症度が抑うつ傾向・自己肯定感・不眠だけでなく、生産性とも有意に相関している(プログラム実施前)
プログラム実施前の現状を把握するため、更年期症状や不眠症状等の様々な指標をアンケート調査により測定しました。その結果、KKSI(更年期症状の重症度)は、SRQ-D(抑うつ傾向)、ローゼンバーグ自尊感情尺度(自己肯定感)、アテネ不眠尺度(不眠度)、SPQ(プレゼンティーズム:生産性低下)などと有意な相関がありました。更年期症状が重い人ほどうつ症状や不眠症状が重く、仕事のパフォーマンスが低い傾向があり、また自尊感情尺度が低い人ほどうつの傾向がある結果となりました。
なお、参加者の9割以上が「家事」も担っており、「家事」のメインが「自分」と回答したうちの4割は「家計」を支える存在でもありました。女性は就労しながらも未だに家事の負担も大きいことに加え、「家計」にも大きな責任を負っていることが結果から伺えます。特に更年期を迎える女性は、「仕事」や「家庭」など様々な役割を一手に引き受けているのが実情です。
2. プログラム参加者のうち8割以上が睡眠スコア上昇、約7割が更年期症状と不眠症状の自己評価において改善傾向がみられた
本プログラムの実施によって、以下の変化が見られました。(以下②~⑤は、事後アンケートによる自己評価の結果)
①8割以上の参加者が睡眠スコア上昇
②約7割の参加者のアテネ不眠尺度が改善
③約7割の参加者のKKSIが改善
④約7割の参加者が更年期に関する知識の向上
⑤約5割の参加者の自己肯定感スコアが上昇
3. プログラム参加者のうち約9割が、参加により自身の行動変容に繋がった
実際に参加者の「行動変容」につながることが、企業としてプログラムを導入する意義のひとつと考えます。今回、プログラム参加者のうち約9割が、自身の行動変容に繋がったと回答しています。
■データ研究チームの見解

パラマウントベッド株式会社 睡眠研究所 塩貝 有里
更年期症状は睡眠やうつとも関係があり、例えばホットフラッシュなどの血管運動神経症状があると睡眠の質が悪いことや、うつの好発年齢は更年期と重なっていることが知られています。またうつ病では不眠症状がみられることが多く、不眠がうつ病を悪化させる一因にもなると言われています。さらに、睡眠不足は感情をコントロールする機能や注意力を低下させ、業務パフォーマンスを低下させる可能性があります。このように不調には様々な要因が絡み合っているので、睡眠だけでなく更年期症状にも向き合うことのできるプログラムによって、相乗効果が得られることを期待しています。
▼関係者からコメント
■更年期カウンセラー:吉川千明さんよりコメント

今回の更年期相談では、多くの女性たちが体調の変化を「仕方ないこと」と抱え込んでいました。自分の体を科学的に知り、話せる相手と出会ったことで、短時間ながら、意欲・健康度・パフォーマンスすべてにすぐに変化が現れたと感じます。もっと引き上げて活かせると思う優秀な人材もいました。その発見も本プログラムの成果だと思います。
更年期とは、女性ホルモンの低下に加え、その人の体質・気質、そして環境の三つが絡まり合う時期。健康の底上げは、本人の人生の質を高めるだけでなく、企業の持続的成長にもつながります。参加者の多くが、体の話を真剣に聴いてもらったのは「初めて」と語りました。今後は、女性従業員本人だけでなく、管理職や同僚にも、更年期の正しい知識をスタンダードとして共有していくことが求められます。これは単なる“女性の問題”ではなく、“健康”の話なのです。
一人ひとりのコンディションを整え、才能を活かし、健やかに働ける職場環境をつくること。それを実現できる人こそが、真のリーダーだと思います。私はこれからも、女性たち本人を支えるとともに、その支援を本気で取り組もうとする企業や管理者の皆様を、心から応援していきたいと思います。
■ セントラル石油ガス株式会社 代表取締役社長 太田晃さんよりコメント

LPガスの卸・小売事業、LPガス消費機器、生活関連商品や太陽光発電の販売事業を展開しています。女性従業員が多い当社にとって、女性特有の健康課題に着目し、具体策を示してくれた本プログラムには大きな意義を感じ、導入を決めました。
実施報告を受けて驚いたのは、これまで人事面談などで把握しきれていなかった更年期世代の女性たちの深刻な健康課題の実態です。経営者として、また男性である自分がこの課題を見落としていた可能性を痛感しました。更年期女性の健康課題は、単に当事者個人の問題ではなく、企業にとっての「経営課題」であると認識を改めるきっかけとなりました。特に、私の様な昭和世代の男性経営者ほど認識が浅くなりがちなのではないでしょうか。
本プログラムを通じて、従業員支援だけでなく、自らの無意識のバイアスに気づき、経営としての対応策を得られたことは大きな成果です。今後も、ジェンダーや多様性の視点を持ちながら、社員やステークホルダーとの関係性を経営視点で見つめていきたいと思います。
以上
▼セントラル石油瓦斯株式会社とは
1959年の創業以来「エネルギーをもって社会に貢献する」を経営理念とし、LPガス消費機器、生活関連商品や太陽光発電の販売事業を展開しています。
カーボンニュートラルや脱炭素社会の構築のためにこれからもクリーンなLPガスの安全・安定供給と再生可能エネルギーの普及促進に努め、ベストミックスなエネルギーのご利用をお客様にご提案する総合エネルギー企業を目指してまいります。

▼パラマウントベッド株式会社とは
1947年(昭和22年)に創業。病院用ベッドの専業メーカーとしてスタートし、その後、高齢化の進展を背景として、高齢者施設や在宅介護分野にも事業領域を拡大しながら、見守り支援システムをはじめとするさまざまな製品・サービスを開発してまいりました。医療・介護用ベッド等の製造、販売事業をはじめ、近年ではベッド等の点検・メンテナンス事業、福祉用具のレンタル卸事業など、国内外においてヘルスケア分野を中心とした事業の多角化に取り組んでおります。

▼株式会社陽と人(ひとびと)とは
「しあわせ・笑顔・豊かさの循環」をビジョンに、「地域と都市でしあわせが循環する社会」を目指し、地域に眠る「もったいない地域資源」を需要に即したカタチで価値化し、求められる場所へ届けていく、”仕組み”を創出していく会社です。
2020年1月には、福島県国見町の特産品である「あんぽ柿」の製造過程でこれまで廃棄されていた柿の皮を使用した、女性のデリケートゾーン専用のオーガニックスキンケアブランド『明日 わたしは柿の木にのぼる』をスタート。「持続的に農家さんを応援する仕組み」と、「すべての女性が、生き生きと輝ける社会」の実装を行っています。

▼株式会社陽と人 会社概要
社 名:株式会社陽と人
設 立:2017年8月9日
本社所在地:福島県伊達郡国見町大字塚野目字三本木11番1
事 業:福島県国見町の未利用資源を生かした事業展開
代表取締役:小林味愛(こばやし・みあい)