マンションリサーチ株式会社
福嶋総研では東京都内主要沿線(山手線、東急東横線、中央線、小田急線、東京メトロ銀座線、京王線、東急田園都市線、総武線、日比谷線、都営大江戸線)の駅周辺の中古マンションを2023年と比較して「価格が上昇したマンションの割合」と「平均的な価格高騰率」の2つの観点から各沿線と各駅を評価しました。
表1:東京都主要沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価

表1では、例えばJR山手線目黒駅では、調査対象となった156棟のマンションのうち、実に120棟で平均10%以上の価格上昇が見られました。目黒駅は棟数・上昇率ともに非常に高い水準であることがわかります。
また図1では、これらの評価結果を地図上にプロットし、各駅周辺の評価を以下の通りに色分けしています。
東京都主要沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価プロット

濃茶プロット:評価A(高騰率・上昇棟数ともに高い)
茶色プロット:評価B(高騰率・上昇棟数いずれも標準以上)
緑色プロット:評価C(高騰率・上昇棟数いずれかが標準以下)
水色プロット:評価D(高騰率・上昇棟数いずれも標準未満)
上記評価では、「評価A」「評価B」は「価格も上がりやすく」かつ「その高騰率も高い」駅に該当します。今回は調査対象沿線から特に「価格も上がりやすく」かつ「その高騰率も高い」沿線をピックアップします。

銀座線沿線 |
図2:東京メトロ銀座線沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価プロット

銀座線は全19駅中13駅と69%が「評価A」「評価B」となっています。銀座線沿線は、渋谷・表参道・銀座・日本橋など都内の一等地を通る立地の良さに加え、主要路線への乗り換えが便利でアクセス性の高さが高評価の要因です。表参道や銀座といったエリアのブランド力も価格を押し上げています。また、再開発が進む渋谷や虎ノ門などでは街の魅力がさらに増し、資産価値も上昇。加えて、成熟した街が多く新築供給が少ない中で、住環境としての需要が高く、価格が安定・上昇しやすい構造になっています。
表2:東京メトロ銀座線沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価


日比谷線沿線 |
図3:東京メトロ日比谷線沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価プロット

日比谷線は全21駅中19駅と、全体の71%が「評価A」「評価B」となっています。日比谷線沿線は、六本木・銀座・恵比寿・中目黒・築地・広尾など、都内でも特に人気・高級なエリアを結んでおり、沿線には商業地・オフィス街・高級住宅地が多く、住環境と利便性を兼ね備えています。さらに、中目黒から東武スカイツリーライン直通で郊外とのアクセスも良好。再開発が進む地域も多く、将来性も高く評価されています。また供給が少ない一方、外国人や富裕層の居住・投資ニーズが高く、価格を下支えしています。
表3:東京メトロ日比谷線沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価


山手線沿線 |
図3:JR山手線沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価プロット

山手線は調査対象25駅(全30駅)中21駅と84%が「評価A」「評価B」となっています。山手線沿線は、東京の中枢を環状に結び、全方位にアクセスできる利便性と資産価値の高さがあります。中でも城南・城西エリア(渋谷・恵比寿・目黒・代々木・高田馬場など)は、人気の住宅地や再開発地域が多く、交通利便性・生活環境・ブランド力の三拍子が揃っており、高価格を維持しています。一方、城東・城北エリア(上野・田端・池袋・大塚など)は、再開発や駅前整備が進み、交通のハブとしても機能。価格はやや抑えめながら、今後の成長期待が高く、コストパフォーマンスの良さが評価されています。全体として山手線は、生活・通勤・投資のいずれの面でも安定したニーズがあり、都内でも特に価格の下がりにくいエリアです。
表4:JR山手線沿線駅:「価格が上がったマンション数」「高騰率」駅別評価

早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。また大手メディア・学術機関等にもデータ及び分析結果を提供する。
筆者プロフィール

マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室
不動産データ分析責任者
福嶋総研
代表研究員
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。また大手メディア・学術機関等にもデータ及び分析結果を提供する。
福嶋総研発信リンク集
https://lit.link/fukushimasouken
不動産市場解説動画 公式チャンネル
https://www.youtube.com/@mansionresearch/videos
メルマガ配信申込フォーム
https://forms.gle/bQizYbozk35QoMJ67
【マンションリサーチ株式会社その他サービスURL】
■全国14万棟 分譲マンション価格相場公開サイト『マンションナビ』
■不動産データクラウド
■ロボ査定
■分譲マンション、土地、戸建てデータ販売
https://mansionresearch.co.jp/re-data/
■マンション購入サービス『MATSUDAKE』
https://matsudake.me/lp_company/
【マンションリサーチ株式会社について】
マンションリサーチ株式会社では、 不動産売却一括査定サイトを運営しており、 2011年創業以来「日本全国の中古マンションをほぼ網羅した14万棟のマンションデータ」「約3億件の不動産売出事例データ」及び「不動産売却を志向するユーザー属性の分析データ」の収集してまいりました。 当社ではこれらのデータを基に集客支援・業務効率化支援及び不動産関連データ販売等を行っております。
会社名: マンションリサーチ株式会社
代表取締役社長: 山田力
所在地: 東京都千代田区神田美土代町5-2 第2日成ビル5階
設立年月日: 2011年4月
資本金 : 1億円