株式会社エナリス
~9社でアグリゲーションを活用した新しいサービスの検討を開始~
株式会社エナリス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:都築実宏)は、正会員として所属するEVワイヤレス給電協議会にて、新たなワーキンググループ「EVワイヤレス給電を活用した新たなサービス検討」(以下、本WG)を立ち上げました。
今後構築されていくワイヤレス給電の仕組みにエネルギー・リソース・アグリゲーションの仕組みを融合し、調整力と経済的メリットを生み出す、ワイヤレス給電ならではのビジネスモデルの検討を進めます。
エネルギー・リソース・アグリゲーションとは、蓄電池や電気自動車(以下、EV)などの分散型エネルギーリソースを束ねて制御することによって、電力の需要と供給のバランスを調整することです。再生可能エネルギー主力電源化を推進する中で必要とされる調整力の確保やリソース提供側への経済的メリット、最適な制御による電気料金の削減など、様々なメリットがあります。
エナリスでは、分散型エネルギーリソースの中でも、今後の普及拡大が見込まれる家庭用蓄電池やEVなどの低圧リソースを中心に活用したアグリゲーション技術・スキームの開発に取り組んできました。これまでに実施してきた実証事業等により、EVは、充電設備に接続された状態であればレスポンス良く対応できるリソースであり、今後の普及次第では主力の調整力として活用できる可能性があると考えています。一方で、充電ケーブルが接続されている状態でなければ制御が不可能であるため、応動率が50%~70%と低くなる傾向にあること、調整力として活用するためには、車両の場所や状態を常に把握できる状態にしておく必要があることなどの課題も見えてきました。これらの課題を解消し、調整力へのEV活用の幅をさらに広げる解決策の一つが、「EVワイヤレス給電」です。
ワイヤレス給電は、物理的に充電ケーブルを接続させることなく電気エネルギーを伝送することを言います。電線やバッテリーの使用をなくし、電子機器の可動性、利便性、安全性を高める技術として注目されています。“移動を伴う蓄電池”であるEVをワイヤレスに給電することができれば、蓄電池としての活用の幅は大きく広がります。
今年度の本WGでは、需給調整市場への調整力供出など、すでに実用化されているエネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスにワイヤレス給電対応EVを組み込む場合の運用方法や法規制について検討を進めます(図1)。さらに来年度以降は、個人、企業、地域などがEVの情報を共有し、連携することで生まれる新しいビジネスモデルを追求する予定です(図2)。


エナリスは、EVワイヤレス給電協議会 正会員企業さまと協力して本WGの活動に取り組み、EVワイヤレス給電の社会インフラ化と電力の安定供給、脱炭素社会の実現に貢献します。
【WG「EVワイヤレス給電を活用した新たなサービス検討」について】

目的 |
・EVワイヤレス給電を活用したアグリゲーションサービスの検討 ・ワイヤレス給電だから可能な新たなビジネスモデルの検討 |
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体制 |
株式会社 エナリス(リーダー) 株式会社ACCESS 株式会社UPDATER(旧みんな電力株式会社) シナネン株式会社 新明和工業株式会社 住友電気工業株式会社 タツタ電線株式会社 東北電力株式会社 一般財団法人阪神高速先進技術研究所 (五十音順 敬称略) |
25年度目標 |
アグリゲーションサービスの事業用ビジネスモデル構築 ・SWPTを活用したアグリゲーションへの運用方法検討 ・ケーブル接続との違いの明確化 ・RA事業者、リソース(EV)提供者として有効な業種や事業所の特定 |
[1] SWPT(Static Wireless Power Transfer):停車している電動車に対して給電するシステム
[2] RA(Resource Aggregator):需要家とVPPサービス契約を直接締結してリソース制御を行う事業者
【EVワイヤレス給電協議会とは】
EVの利便性向上と電力インフラの効率的な利用は温暖化対策を強化する鍵とされています。この課題解決に向けて、有望な社会インフラとして期待を集めるEVワイヤレス給電の導入促進と産業発展を実現するためには、様々な分野の産学官が連携し、普及促進、制度化、標準化、事業化に資する各種検討や対外活動等に取り組む必要があります。民間企業及び研究機関が協力する場として、行政機関と業界をつなぐ窓口として、EVワイヤレス給電協議会は設立されました。
《本WGに関する企業の方のお問い合わせ先》
株式会社エナリス 事業企画部 澤田 E-mail:wev@eneres.co.jp
《メディアからのお問い合わせ先》
株式会社エナリス 広報部 電話:03-4226-2613 E-mail:pr@eneres.co.jp