カテゴリー

小児科医不足の地域に新たな選択肢を!看護師+デバイス+遠隔小児科医による『オンライン診療モデル』実証成功

  • URLをコピーしました!

株式会社Kids Public

〜Kids Public、八丈町で有効性・安全性を確認、利用者満足度100%〜

株式会社Kids Public(本社:東京都千代田区、代表取締役:橋本 直也、以下 Kids Public)は、小児科医の不足や地域的な偏在といった自治体が抱える課題を解決するため、東京都八丈町において、看護師、専用デバイス、遠隔地の小児科医を組み合わせた新しいオンライン診療モデル『デバイスを用いた小児科オンライン診療 by 産婦人科オンライン・小児科オンライン』を活用するプロジェクトを実施しました。

東京都のスタートアップ支援事業「キングサーモンプロジェクト」の一環として、2025年2月15日から3月23日の土日祝日に実施された本プロジェクトは、利用者満足度と継続希望がいずれも100%という高い評価を得ました。また、ガイドラインに準拠した質の高い診療と安全性が確認されました。このモデルは、従来のスマートフォンのみによるオンライン診療の課題を克服し、持続可能な地域小児医療体制の構築を目指す全国の自治体にとって、有効な選択肢となる可能性を示唆しています。

看護師によるデータ取得
遠隔の小児科医によるオンライン診療(スマートフォンでのビデオ通話)

目次

■背景:深刻化する地域の小児医療課題 – 八丈町の実情

全国の自治体で共通する小児科医不足と都市部への偏在という課題は、地域診療所の維持を困難にし、保護者の不安や医療格差を生んでいます。一方、アレルギーや発達相談といった小児科医の知見に対するニーズは増加しており、居住する地域を問わず質の高い小児医療を提供できる体制構築が急務です。

特に、プロジェクトの舞台である東京都八丈町(人口約7,000人、年間出生数約30人)は、東京から約290km離れた離島であり、小児科医療は町立八丈病院の常勤医1名がほぼ365日24時間体制で担っています(非常勤医の雇用も組み合わせた体制)。夜間の軽症対応は他科の医師が行うなど、特定の医師への負担過重と、持続可能な医療体制の確保が喫緊の課題です。

■新たな課題解決モデル:『デバイスを用いたオンライン診療』

従来のスマートフォンのみによるオンライン診療は手軽さが利点である一方、聴診や咽頭・鼓膜の観察、迅速検査が困難であり、特に急性期疾患への対応に課題がありました。

この課題に対し、Kids Publicが検証した新しいモデル『デバイスを用いた小児科オンライン診療 by 産婦人科オンライン・小児科オンライン』は、診療拠点に常駐する看護師が専用デバイスを用いて、医師が必要とする呼吸音、咽頭所見、鼓膜所見などの身体所見を取得し、必要に応じて迅速検査を実施します。

これらの情報をもとに、遠隔地にいる小児科医によるオンライン診察と処方箋発行が可能となります。本モデルは、遠隔にいながらも対面診療に近い質の高い医療提供を目指すものです。

■プロジェクトの概要(東京都八丈町)

目的:

小児科医不足地域における安全かつ質の高い医療提供に向け、本モデルが従来のオンライン診療の課題を克服できるか検証する。

実施期間:

2025年2月15日~3月23日の土日祝日(3月1日・2日を除く)、計12日間

実施場所:

八丈町保健福祉センター

体制:

全体調整:Kids Public

現地対応:八丈町保健福祉センター常駐の看護師(患者対応、デバイス操作)

遠隔診療:Clinic With Me所属の小児科医2名

対象:

八丈町在住の18歳までの小児

■プロジェクト結果:有効性と安全性の証明

利用実績:

12日間の実証期間中に、延べ64件(実人数58名、生後4ヶ月〜16歳)のオンライン診療を実施しました。

主な診断名:

急性上気道炎、皮膚トラブル(急性湿疹、皮脂欠乏性湿疹、アトピー性皮膚炎など)、急性胃腸炎などが多く、成長・発達に関する相談も含まれました。

診療の質:

非診療担当の小児科医によるカルテの後方視的評価において、ガイドライン準拠率は97%でした。

担当した小児科医は、診療の83%について、オンライン診療に「対面診療と同等またはそれに近い自信を持って診察できた」と回答しました。

安全性:

町立八丈病院(地域唯一の入院施設)への確認の結果、本オンライン診療の見逃しによる小児緊急入院は0件でした。

■利用者アンケート結果(回答数48件/回収率91%)

【評価】

総合満足度:

100%が「非常に満足」(77.1%) または「満足」(22.9%) と回答。

対面診療との比較:

68.8%が「今回のオンライン診療の方が満足」、31.3%が「過去の対面診療と同等の満足度」と回答。「オンラインでもしっかり診察を受けている感覚があり、安心感があった」「医師としっかり交流できた」「説明が丁寧」との声が多数ありました。

スマホ完結型オンライン診療との比較:

60.4%が「過去に自宅から受けるオンライン診療を受けたことがない/比較できない」と回答。39.6%は全て「今回の診察のほうがとても満足/やや満足、どちらも同じくらい満足だった」と回答。これまでオンライン診療を利用していなかった層へのリーチにも成功しました。

継続希望:

100%が事業継続を希望(「そう思う」93.8%、「どちらかといえばそう思う」6.2%)。

看護師・デバイス介在への評価:

「看護師が胸の音や喉の所見をとってくれたことがよかった」(72.9%)、「看護師がいたので利用のハードルが下がった」(70.8%)など、看護師のサポートが高く評価されました。

【利用者の声(一部)】

  • オンラインであっても画像を元にしっかり診ていただいたし、薬の説明もわかりやすかったです。

  • 金曜日に発熱して、とても心休まらない状態だったので、今回のプロジェクトにとても感謝ですし、継続していただけると子育て世代としてはとても助かります。

  • 祝日で夫が兄弟児を見ていられるので、病児だけを連れて来られたのでとても楽でした。

  • 不安なことに対して(医師が)一つ一つ丁寧に対応していただけたためよかったです。

  • 皮膚の湿疹について、詳細に対処法を教えてもらえました。

  • 離島の医師不足は深刻な問題なので、このような取り組みは応援していきたいです。

■地域医療への貢献:町立八丈病院小児科 横山美貴医師

常勤小児科医1名という八丈町の厳しい医療体制において、小児科医として島の子どもたちの健康を支える町立八丈病院の横山医師から、今回のプロジェクトがもたらした具体的な効果について、以下のコメントをいただきました。

「プロジェクト期間中の土日祝、処置を要する患児を含めて当院の救急外来への小児受診者は一人もいませんでした。当直の内科医も非常に助かったと話しており、地域医療への大きな貢献があったと感じています。オンライン診療は、小児科医不足地域において、現実的かつ有効な支援の形になると実感しました。」

■今後の展望:持続可能な小児医療体制構築の選択肢として全国の自治体へ

本プロジェクトは、小児科医不足や地理的制約のある地域において、『デバイスを用いた小児科オンライン診療 by 産婦人科オンライン・小児科オンライン』が、安全かつ質の高い小児医療を提供する有効なモデルであることを示しました。

特に、常勤小児科医が1名という八丈町のような状況下においても、地域医療の負担を軽減し、住民の高い満足度が得られたことは、同様の課題を抱える全国の自治体にとって重要な意義を持ちます。

Kids Publicは、この成果に基づき、本モデルを小児医療アクセスに課題を抱える全国の自治体へ導入可能なソリューションとして展開し、「どこに住んでいても、保護者が安心して子育てでき、子どもたちが健やかに成長できる社会」の実現に貢献します。ご関心のある自治体関係者様は、お気軽にお問い合わせください。

■Kids Public、第5期(令和6年度)キングサーモンプロジェクト認定企業に

東京都が主催するキングサーモンプロジェクトは、スタートアップのプロダクトやサービスの都政現場等での実証から海外市場へ向けた事業展開のサポートまで、一気通貫の支援を行うことで、グローバル市場を席捲し、今後のロールモデルになるような課題解決型のスタートアップを輩出することを目指す事業です。この度、Kids Publicは「小児医療体制の持続的構築」をテーマに採択され、本実証を実施しました。今回のプロジェクトを受け、Kids Publicはキングサーモンプロジェクトの認定企業となり、「デバイスを用いた小児科オンライン診療 by 産婦人科オンライン・小児科オンライン」は東京都が随意契約で調達が可能となる旨の認定を受けました。

詳細情報:

https://kingsalmon.metro.tokyo.lg.jp/company05/kids-public.html

https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/05/2025050208

■株式会社Kids Publicについて

「子育てにおいて誰も孤立しない社会の実現」を理念に、2015年設立。インターネットを通じて子どもの健康や子育てに寄り添う各種サービスを提供。主力サービス「産婦人科オンライン・小児科オンライン」は全国185の市区町村(2025年5月現在)で導入され、累計相談件数は20万件を超える。

URL:https://kids-public.co.jp/

■本件に関するお問い合わせ先

株式会社Kids Public 広報室(担当:春山)

所在地:東京都千代田区神田美土代町11-8 SK美土代町ビル5階

TEL:03-6774-7937

E-Mail:marketing@kids-public.co.jp

設立日:2015年12月28日

代表者:代表取締役 橋本 直也(小児科医)

事業内容:「子育てにおいて誰も孤立しない社会の実現」を理念とし、インターネットを通じて子どもの健康や子育てに寄り添う。

提供サービス:

 ・遠隔健康医療相談サービス

   -  小児科オンライン https://syounika.jp/

   -  産婦人科オンライン https://obstetrics.jp/

 ・医療メディア

   -  小児科オンラインジャーナル https://journal.syounika.jp/

   -  産婦人科オンラインジャーナル https://journal.obstetrics.jp/

 ・問題解決bot

   -  くすりぼ:妊娠中〜授乳中における薬の情報検索チャットボット

出典:PR TIMES

本プレスリリースの内容や詳細についてのお問合せは以下までご連絡ください。

企業プレスリリース詳細へ (2025年6月4日 17時00分)

大手通販サイトのあらゆる商品の価格を比較、最安値を検索!

まずはお好きなキーワードや商品名を入力して探してみましょう
×
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次