一般社団法人BLP-Network
団体の発展を支援するリスクマネジメントに関するポータルサイト公開&勉強会も実施

一般社団法人BLP-Network(代表:鬼澤秀昌 https://www.blp-network.com/)は、非営利セクター・市民セクターにおける事業活動や組織基盤強化のために助成事業を行っている団体を対象に、助成事業におけるリスクマネジメントに関する実態調査を実施しました。
この結果を受けてBLP-Networkでは、助成事業を行う団体の発展のため、リスクマネジメントに関するポータルサイトを作成し、7月1日に「リスクマネジメントを一緒にはじめる勉強会」を実施いたします。
▼調査結果の詳細はこちら▼
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1 主な調査結果
■自団体の運営上の課題として「財源の安定確保」をあげた団体が69.4%と最も多く、次いで「人材の確保・育成」が53.2%となっている。
■実際に直面した助成先団体が助成期間中に直面したトラブル又はヒヤリハットとしては、「助成事業に関する報告が著しく遅延した」が45.9%と最も多く、次いで「当該事業の責任者が退職し、事業の活動を終了又は縮小した」が27.9%だった。
■助成先のリスクの対応に関する情報は、「他の助成プログラムを行っている団体との相談・情報交換」によって得ていると回答した団体が44.1%と、最も多い。
2 調査結果の概要
(1) 助成事業を行う団体の実態
調査結果から、助成事業を行う団体の像が見えてきました。具体的には、以下の通りです。
フルタイムの職員の人数の中央値:4人
直近の事業年度の助成金の総額の中央値:1400万円
直近の事業年度の一団体あたりの最大の助成金額の中央値:100万円
(2) 助成事業を行う団体のリスクマネジメント

リスクとして対応の必要性が高いと考えているもの(助成金に関わるもの以外)は、「財源の安定確保」が69.4%と最も多く、次いで「人材の確保・育成」が53.2%、「組織運営の効率性」が32.4%などとなっており、特に財源の安定確保及び人材の確保・育成が課題として特に多く挙がっています。
これらの結果を踏まえると、助成事業を行っている団体であっても、必ずしも継続的な資金提供者を確保できているわけではない状況が明らかになりました。また、人材の確保・育成が課題として挙がる背景には、助成事業の遂行のために、プログラムの企画開発や資金調達また助成開始後の資金管理や助成先の伴走支援のスキル等複合的なスキルが必要であるにもかかわらず、そのような経験を持つ人材も少なく、また、研修等も非常に少ないこともあると考えられます。
(3) 助成事業におけるトラブル又はヒヤリハット

実際に直面した助成先団体が助成期間中に直面したトラブル又はヒヤリハットは、「助成事業に関する報告が著しく遅延した」が45.9%と最も多く、次いで「当該事業の責任者が退職し、事業の活動 を終了又は縮小した」が27.9%、「異なる事業目的に助成金を流用した」が20.7%となっています。
本調査の「自団体又は助成プログラムの運営についてどのような情報を得たいと考えていますか。」という質問に対しては、「自団体又は助成先団体が当初設定した目標を確実に達成できる方法」を選択した団体の割合が2番目に多いという結果でした。
これらの結果を合わせて考えると、助成事業を行う団体にとっては、当該助成を受けた事業をどのように人材面でも継続的なものにできるかも、大きな課題として感じていると考えられます。
(4) 情報収集の方法

助成先のリスクの対応について情報を得ている方法は、「他の助成プログラムを行っている団体との相談・情報交換」が44.1%と最も多く、次いで「ウェブ(SNS以外)」が33.3%、「弁護士・公認 会計士・税理士等の専門家への相談」が25.2%となっています。
3 勉強会の開催等
これらの結果を踏まえると、助成事業を行う団体の発展のためには、人材育成や財務面も含めた様々なリスクに関する知見を集約・発信することのみならず、助成事業を行っている団体同士の交流の機会を創出していくことが重要であると考えます。
そこで、本調査結果を踏まえて、当団体としては、以下の活動を実施いたします。
(1) リスクマネジメントに関するポータルサイトの作成・充実
助成事業において、どのようにリスクについて対応すべきか、具体的なリスクのテーマごとに記事をまとめたポータルサイトを以下の通り作成いたしました。本記事の紹介をすることで、特に助成先に対してどのようにリスクに対応してほしいのかのイメージの共有をすることができます。
現在は5記事ですが、今後さらに助成事業を行っている皆様と情報交換をさせていただきつつ、さらに記事を増やして参りたいと思っております。
URL:https://www.blp-network.com/risk-management/
(2)「リスクマネジメントを一緒にはじめる勉強会~助成事業者向け~」の実施
助成事業を行っている団体及びこれから始めたい団体向けに、本調査の結果を題材として助成事業者同士で学び合う「リスクマネジメントを一緒にはじめる勉強会~助成事業者向け~」を実施することといたしました。ぜひ「何から始めればよいか分からない」「他の団体の実情を知りたい」と考えている助成事業者の皆様に、ご参加いただきたいと思います。
実施日時:2025年7月1日13時~14時30分
実施方法:オンライン
プログラム:第1部 調査結果報告・ポータルサイトの共有
第2部 パネルディスカッション
登壇者:認定NPO法人北海道NPOファンド理事高山大祐氏
関西大学法学部教授坂本治也氏
第3部 参加者同士の議論・発表
お申込み・詳細:https://x.gd/Uy333

■調査概要■
≪調査対象≫(広義の)非営利セクター・市民セクターにおける事業活動又は組織基盤強化に対する助成プログラムを行っている団体599団体
≪調査機関≫自社調査(株式会社サーベイリサーチセンターに一部委託)
≪調査時期≫2025年2月7日(金)~3月31日(月)
≪調査方法≫郵送配付・郵送またはウェブ回収
≪有効回答数≫111団体(回答率:18.5%)
4 当団体及び本事業の概要
当団体の概要:
「社会課題の解決をともに」をミッションとして、企業法務に携わる弁護士を始めとしたプロフェッショナルをつなげ、その知見を結集し、社会的企業やNPO・NGOによる様々な社会課題の解決・新しい社会の創造を支援することを目的として活動している。NPO等の運営への支援に関心がある弁護士のネットワーク作りや、NPOと弁護士のマッチングの事務局に加え、2024年からはリスクマネジメント支援の事業を運営している。
本事業の概要:
本調査は、2023年度活動支援団体(※)として行っている「リスクマネジメントに基づく運営・支援体制の確立」事業の一環として行っている。当該事業は、資金支援の担い手がリスクマネジメントの視点からガバナンス・コンプライアンスを強化し、資金支援先への適切な支援を目指す事業であり、伴走支援・マニュアル作成、実態調査、知見発信の3本柱としている。伴走支援にあたっては、研修や個別相談、助成プログラム作成支援を実施。助成事業に関するリスクマネジメントの実態を調査で収集、ポータルサイト等で共有し、情報交換の場も提供。これにより、資金支援の担い手と支援先団体の運用改善と他団体への展開を目指している。
※一般財団法人日本民間公益活動連携機構から休眠預金を原資とした助成を受けて、民間公益活動の担い手または、将来的に担い手を目指す団体(支援対象団体)に対して、当該団体が抱える事業実施や組織運営に係る課題の解決を目的に、専門的なアドバイスや支援を行う団体のこと
5 本リリースに関する取材・お問合せ先
【組織名】 一般社団法人BLP-Network
【所在地】 神奈川県川崎市川崎区駅前本町11番地2川崎フロンティアビル4階
【ウェブサイト】 https://www.blp-network.com/
【お問合せフォーム】 https://etic.or.jp/contact/contactform
【担 当】 鬼澤