ライオン株式会社
ライオン株式会社(代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)は、プラスチックの資源循環で持続可能な未来を目指した環境対応として、使用済みハブラシの回収・リサイクルを推進しています。この取り組みでは、使用済みハブラシを回収して植木鉢などのプラスチック製品に再生しています。このような誰もが参加できるリサイクル活動の場を提供し、自治体の資源回収事業と連携したリサイクルの推進も行っています。本活動は、2015年6月の開始から2025年5月で丸10年となりました。この間に回収したハブラシは累計27.0t(約216.8万本)(※)となりましたので、報告します。
(※) ハブラシ1本あたり、12.5gで試算

当社はオーラルヘルスケアのリーディングカンパニーとして、商品やサービスの提供だけでなく、長きにわたり、啓発活動や情報提供等を通じて、生活者の歯とお口の健康維持に取り組んでまいりました。お口の健康維持の観点からもハブラシの月1回の定期交換を推奨していますが、それに伴い多くのハブラシが消費されることになります(年間で約4.5億本)。そこで、当社はハブラシを製造・販売するトップメーカーとして、プラスチックの資源循環および再利用を推進するために、2015年より使用済みハブラシを回収・リサイクルし、再資源化する取り組みを開始しました。生活に欠かせないプラスチック、それを廃棄するのではなく再び利用可能な形にすることで、環境への負荷軽減と資源循環型社会への貢献を果たすことも当社の責任であると考えています。
■取り組み内容とこれまでの回収実績
10年間のハブラシリサイクル活動で回収した使用済みハブラシの実績は、27.0t(約216.8万本)となりました。
この長い期間にわたって活動を続けることができたのは、多くのステークホルダーの方々の協力があってこそです。そして、この活動を通じて築いたものは、産官学民のみなさまとの「共創」です。特に環境負荷の軽減活動において、個社だけでの実現は難しく、多くの方々と協力して推進することの重要性を再認識しました。
【これまでの活動と回収実績】
1.テラサイクルジャパン合同会社との提携「ハブラシ・リサイクルプログラム」
2015年6月から、テラサイクルジャパン合同会社と提携し、アジアで初めて生活者がハブラシのリサイクルに参加できる仕組みを提供しました。個人や団体、どなたでも無料で参加できるプログラムです。
・期間:2015年6月~2025年4月
・登録回収拠点:1,621登録
・回収実績:24.8t(約198.6万本)
2.自治体との連携
2020年4月からは、ハブラシリサイクルが生活者にとってより身近な習慣となるよう、生活の基盤である自治体との連携を開始しました。それぞれの自治体における連携開始からの回収実績は、以下の通りです。
<東京都墨田区>
・期間:2020年4月~2025年4月
・回収拠点:墨田区役所本庁舎をはじめとした公共施設、区内公立小・中学校および区内全公立保育園など計47ヵ所
・回収実績:876kg(約7.0万本)
<東京都板橋区>
・期間:2022年8月~2025年3月
・回収拠点:板橋区役所本庁舎、児童館及び図書館をはじめとした公共施設、地元商店街など計47ヵ所
・回収実績:334kg(約2.6万本)
<東京都台東区>
・期間:2023年4月~2025年4月
・回収拠点:台東区役所本庁舎をはじめとした公共施設、ユニクロ2店舗(浅草店、御徒町店)、区内公立小・中学校の計49ヵ所
・回収実績:334kg(約2.6万本)
<兵庫県明石市>
・期間:2024年11月~2025年4月
・回収拠点:明石市役所本庁舎をはじめとした公共施設、商業施設など計12ヵ所
・回収実績:8.2kg(約0.7万本)
■今後の展望
ライオンのパーパス(存在意義)「よりよい習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」には、人々の心と身体のヘルスケアの実現に加え、サステナブルな社会の実現という想いが込められています。私たちは誰もが使うハブラシを通じて、「健康な習慣づくり」と「捨てない習慣づくり」を促進する活動を引き続き推進します。
この目標に向けて、自治体との取り組みに加え、教育現場でのハブラシリサイクル活動を展開します。子どもたちが幼いころから資源を大切に使い、再利用することを”当たり前”と感じられるよう、環境や資源の大切さを学び、体験するプログラムを推進します。さらに、回収したハブラシを質の高い再生樹脂にリサイクルする技術を開発し、その活用法についても取り組みます。
当社は、2019年6月に「LION Eco Challenge 2050」を目標に掲げ、脱炭素社会と資源循環型社会(プラスチックの高度な資源循環と持続可能な水使用)の実現に向けて企業活動を進めています。今後も、生活者のみなさまとともに、人と地球の健やかな未来に貢献することを目指し、サステナビリティ活動を推進してまいります。
【関連情報】
◆長期環境目標「LION Eco Challenge 2050」
◆資源循環