株式会社メディアリンクス
本システムの実用化により、放送信号のIP回線による同期伝送が可能となり、将来的には地上デジタル放送等信号伝送の効率化が期待されます
株式会社メディアリンクス（本社：神奈川県川崎市、代表取締役社長 菅原 司 東証スタンダ―ド6659 以下メディアリンクス）はスカパーＪＳＡＴ株式会社（本社：東京都港区赤坂、代表取締役 執行役員社長 米倉 英一 以下スカパーＪＳＡＴ）とセイコーソリューションズ株式会社（本社：千葉県千葉市美浜区中瀬、代表取締役社長 関根 淳 以下セイコーソリューションズ）と共同で、当社製品MDP3020 SFNを用いて放送信号の長距離イーサネット回線（東京・鹿児島間）で高精度PTP同期伝送を実施しました。このような長距離イーサネットを用いた放送信号の同期伝送は従来不可能とされていたもので、本システムの実用化により、放送信号のIP回線による同期伝送が可能となり、将来的には地上デジタル放送等信号伝送の効率化が期待されます。
1.背景
地上デジタル放送は、ニュースや災害情報などの重要なコンテンツを広く国民に届けるインフラとして、社会的にも極めて重要な役割を担っています。しかし、放送信号を遠距離まで正確に伝送するには、無線通信が中心で中継局等の設置コスト、設置場所、地理的制約といった課題もあり、十分な対応が難しいケースもあります。こうした状況を踏まえ、スカパーＪＳＡＴは
イーサネット回線を活用して、安価かつ低遅延・高品位に放送信号を長距離伝送する手段の検討を進めています。
2.実施内容
当社は今回、MDP3020SFNを利用したIP/PTP技術を活用したSTL/TTL伝送ソリューション（注1）、およびイーサネット回線上のPTPトラフィックの整流化を行うRPTP装置（注2）を検証環境に提供し、高精度な時刻同期を実現するため、セイコーソリューションズ社製のグランドマスターTS2910(注3)を活用しました。スカパーＪＳＡＴと連携のもと、長距離イーサネット回線（約1000km）での高精度PTP同期伝送を実施しました。これは、将来的な放送インフラの柔軟性と信頼性を高める上でも、意義ある取り組みと位置づけています。
(注1) IPネットワークと高精度同期技術（PTP）を活用して、放送局から送信所、または送信所間での放送信号の伝送を安定かつ効率的に行う仕組み
参考：https://jp.medialinks.com/blog/2023/04/04/道内テレビ配信ネットワーク回線において-北海道/
（注2）ネットワークアディションズ株式会社の装置
（注3）テレコム（LTE、5G）や、IoT（TSN）に代表される広域配備型の高精度時刻同期システムに適したPTPグランドマスタークロック。
参考：https://www.seiko-sol.co.jp/products/time_server/time_server_lineup/time-server-pro_ts2910/
メディアリンクスについて
高価値の放送コンテンツのIP伝送ソリューションの提供者として世界で認知されています。テクノロジー&エンジニアリングエミー賞を受賞したメディアリンクスは、世界中の視聴者に卓越したライブスポーツやエンターテインメント体験を提供することに貢献しています。定期的に開催される冬季および夏季のオリンピック、サッカーワールドカップ、アメリカンフットボール、野球およびバスケットボール、政治大会、エンターテイメントショーなどで当社のIP伝送ソリューションが使用されています。
メディアリンクスのIP テクノロジーは、放送局、サービスプロバイダー、コンテンツホルダー向けに最適化されており、高品質なビデオと「ヒットレス」データ送信機能の両方を備えた、低遅延、帯域幅効率の高い冗長機能を提供します。メディアリンクスのIP ポートフォリオには、メディアゲートウェイプラットフォーム、アグリゲーション/コア スイッチ、管理制御ソフトウェアが含まれており、最大 4K UHD 解像度のフォーマットと 400G までのネットワーク帯域幅をサポートします。メディアリンクスのソリューションは、業界標準規格と互換性を持ち、既存のSDIインターフェースからIPへの移行を提供し、リモートプロダクション、クラウドサービスなどの進化するワークフローに柔軟に対応できるよう設計されています。また、ネットワークの設計、設置、保守などの構築、運用サービスも提供しています。
東証スタンダード証券コード：6659
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