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第3回 相続手続きに関する実態調査(2025年)

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株式会社鎌倉新書

相談・話し合い・準備がカギに――相続経験者の声を分析して見えてきた手続きの課題

超高齢社会を背景に需要が高まる「終活」に関するさまざまなサービスを提供する株式会社鎌倉新書(東京都中央区、代表取締役社長:小林 史生、東証プライム:6184、以下「当社」)が運営する相続情報サイト「いい相続」は、「第3回 相続手続きに関する実態調査(2025年)」の調査結果を発表しました。

URL:https://www.i-sozoku.com/navi/survey2025

目次

調査実施の背景

「いい相続」は、相続に関する無料相談サービスと、相続に強い専門家(税理士や行政書士など)の紹介を行うポータルサイトです。これまでに寄せられた相談件数は累計25万件を超え、相続手続きはもちろん、遺言書の作成や相続税申告など、さまざまなご相談に対応してまいりました。

相続は多くの方にとって、人生で何度も経験することのない出来事です。そのため、手続きに戸惑いや不安を感じる方も少なくありません。「いい相続」にも、そうしたお悩みや不明点に関するご相談が日々多く寄せられています。

こうした背景を踏まえ、当社では相続手続きの実態をより深く把握するため、実際に相続を経験された方を対象に、継続的な調査を行っています。第3回となる今回は、前回調査との比較に加え、自由回答に寄せられた“生の声”もご紹介しながら、最新の相続事情をお伝えいたします。

調査概要

調査名  : 第3回 相続手続きに関する実態調査(2025年)

調査対象 : 2024年1月~12月に、「いい相続」経由で専門家(行政書士または税理士)との無料面談を行った方、または「相続費用見積ガイド」経由で専門家に相続手続きを依頼された方

調査期間 : 2025年3月27日(木)~4月22日(火)

調査方法 : インターネット調査

有効回答数: 281件

※回答結果(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計が100%にならない場合があります。

※対象者に対してアンケートを送付し、得られた回答を集計しています。

調査トピックス

1.【相続財産】 相続財産の総額は「1,000万円未満」が最多。代表的な財産は「土地・建物」「現金・預貯金」「生命保険」

2.【被相続人】 「兄弟姉妹」や「おじ・おば」の相続では、66.7%が“おひとり様”

3.【相続登記】 登記義務化が手続きを後押し。「義務化を知ったから登記した」人は46.6%

4.【費用】 専門家に支払った費用は「30万円未満」が過半数。平均費用は40.2万円

5.【アドバイス】経験者アンケートで明らかになった、相続で「本当に役立ったこと」

  ①専門家への相談・依頼をすすめる

  ②家族・親族との話し合い

  ③生前準備・終活が重要

1.【相続財産】 相続財産の総額は「1,000万円未満」が最多。代表的な財産は「土地・建物」「現金・預貯金」「生命保険」

相続財産の総額に関する質問では、「1,000万円未満」が最多で44.8%を占めました。次いで「1,000万円以上〜2,000万円未満」が13.5%、「5,000万円〜1億円未満」が12.8%、「2,000万円以上〜3,000万円未満」が10.7%と続いています。

前回調査で5位だった「5,000万円〜1億円未満」は、今回は3位へと順位を上げており、高額な財産の相続件数がやや増加傾向にあることがうかがえます。

また、相続人の居住地が一都三県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の場合も、「1,000万円未満」が32.1%で最多でしたが、2位には「5,000万円〜1億円未満」が18.9%でランクインしました。以下、「1,000万円以上〜2,000万円未満」が15.1%、「3,000万円以上〜4,000万円未満」が12.3%と続きます。

一都三県においても、前回4位だった「5,000万円〜1億円未満」が今回2位に浮上しており、全国と比較しても相対的に高額な相続財産の割合が多い傾向が見て取れます。

全国

一都三県

相続財産の平均

2,660万円

3,505万円

相続財産の全国平均額は約2,660万円であるのに対し、一都三県では約3,505万円と、全国平均を約31.8%上回りました。一都三県における相続財産額の高さが、前述の金額帯における順位変動に大きく影響している可能性が高いと考えられます。

相続財産の種類に関する質問では、「土地・建物」が最多で89.0%、次いで「現金・預貯金」が65.8%、「生命保険」が23.8%と、いずれも一定の割合を占めました。これらは昨年と同じ順位・同程度の割合であり、代表的な相続財産といえるでしょう。

また、一都三県と全国の相続財産の内容を比較すると、全体的な順位に変化はないものの、「有価証券」および「生命保険」については、両者の間に顕著な割合の差が見られました。この結果から、一都三県では資産管理に対する意識が、全国と比べて相対的に高い傾向がうかがえます。

2.【被相続人】 「兄弟姉妹」や「おじ・おば」の相続では、66.7%が“おひとり様”

相続人の続柄についての質問では、「子」が最も多く82.6%、次いで「配偶者」34.9%、「兄弟・姉妹」9.6%、「姪・甥」と「父・母」がいずれも5.3%となりました。

また、相続人が「姪・甥」「兄弟・姉妹」と回答した方に対し、「被相続人は配偶者・子どもがいない“おひとり様”(*1)だったか」を尋ねたところ、「はい」と回答した人は66.7%になりました。

この結果から、兄弟姉妹やおじ・おばからの相続においては、被相続人が生涯未婚、子どもがいない、または配偶者に先立たれたなど、単身世帯であったケースが多いことが推察されます。

(*1) 亡くなった時点で配偶者や子どもがおらず、誰とも同居せず一人で暮らしていた方を指します。

3.【相続登記】 登記義務化が手続きを後押し。「義務化を知ったから登記した」人は46.6%

2024年4月1日に施行された「相続登記の義務化」に関する認知と行動についての調査では、「義務化を知ったから登記を行った(または現在手続き中)」と回答した人が46.6%にのぼりました。これは、制度の施行が登記手続きを後押ししたとみられる層と考えられます。

一方で、「義務化は知っていたが、特に意識せず必要だから登記を行った」と回答した人は23.1%、「聞いたことがある程度だったが登記を行った」が8.2%と、制度を認知していても、それが登記の主な動機にはなっていないケースも見受けられました。さらに、「まったく知らずに登記を行った」人も7.5%存在しており、制度の認知とは関係なく登記を行ったケースも一定数見られました。

また、登記の有無を問わず、「義務化をまったく知らなかった」とする回答は13.5%にのぼり、制度そのものの認知が十分に浸透していない実態も明らかになりました

4.【費用】 専門家に支払った費用は「30万円未満」が過半数。平均費用は41.7万円

相続手続きを専門家に依頼した際の費用は、平均で約41.7万円という結果となりました。費用帯別に見ると、「20万円~30万円未満」が最も多く27.6%、次いで「10万円~20万円未満」が25.2%でした。

30万円未満で手続きが済んだ人は全体の58.9%にのぼり、過半数が比較的低額で依頼していることがわかります。

一方、「100万円以上かかった」と回答した人も6.5%存在しており、少数ながら高額なケースが平均費用を引き上げていると考えられます。

一般的に費用が高額になる背景には、相続財産の総額や種類の多さが関係していると見られます。実際、「100万円以上かかった」と回答した人のうち、約4割が「1億円以上の相続財産を引き継いだ」としており、財産規模が費用に影響を及ぼしていることが読み取れます。

実際に専門家に相続手続きを依頼した方に、依頼した手続きの種類を尋ねたところ、最も多かったのは「遺産分割協議書の作成」で70.6%にのぼりました。次いで、「不動産の名義変更(相続登記)」が62.6%、「戸籍収集」が44.9%と続きます。

また、「相続財産の調査」は36.4%と一定の割合を占めました。相続財産の調査とは、故人が残した財産を特定する手続きで、預貯金や土地・建物といったプラスの財産に加え、ローンや借金などのマイナスの財産も対象となります。相続財産の調査は遺産分割のためだけでなく、相続税申告や相続放棄を検討する際にも重要になります。

5.【アドバイス】 経験者アンケートで明らかになった、相続で「本当に役立ったこと」

「相続手続きで大変だったことは何か」という質問に対して、最も多かった回答は「何をどう進めるべきかを理解するための情報収集」で56.6%を占めました。次いで、「必要な書類が多かったこと」が54.1%、「手続きのために時間が取られたこと」が34.5%となっています。

昨年の調査と比較しても、大変だと感じたことの上位項目や順位に大きな変化は見られず、多くの方が情報の不足や手続きの煩雑さに課題を感じている状況は変わっていないことがわかります。

また、「自身の体験を踏まえて、今後相続手続きを行う方に向けたアドバイスをお願いします」という設問に対しては、多くの方から自由記述による回答をいただきました。

これらの回答を分析した結果、内容は大きく8つのカテゴリーに分類されました。次の表では、それぞれのカテゴリーごとの件数と、全体に占める割合を示しています。

①専門家への相談・依頼をすすめる

なかでも最も多かったのは、「専門家への相談・依頼をすすめる」というアドバイスで、全体の約4割を占めました。相続の複雑さや精神的な負担の大きさに直面した多くの方が、「一人で抱え込まず、専門家に頼ることで、安心してスムーズに手続きを進められた」という実感を持っていることがうかがえます。

具体的には、次のような声が寄せられました(原文ママ):

・費用はかかっても、専門家に頼んだ方が間違いないし、精神面でもいいと思う。にわか勉強では時間と手間がかかりすぎる。

・相続手続きは複雑で時間も労力も費やす必要があります。 特に大切な人を亡くした直後は精神が大変弱ります。 普段であれば簡単に進められることもなかなかうまく進みません。 自分の心が落ち着くまで専門家に手続きをお任せすることも検討してみてください。 専門家にお任せすることで金額以上の価値があるかしっかり判断しましょう。 勿論、私は大丈夫という方はご自分で手続きを行えば良いと思います。 それから、生きているうちだからこそ出来ること話せることがあります。 生前に相続等の話をするのは嫌かもしれませんが、感情をおさえて素直な気持ちでちゃんとお別れを済ませておくことを強くお勧めします。

・複数の専門の人に相談しスピードあるところにお願いする。その上で自分でできることは自分でする。

 こうした声から見えてくるのは、「専門家に相談すること」は決して贅沢でも、怠慢でもないということです。むしろ、不慣れな相続手続きを一人で抱え込まないための、現実的かつ合理的な選択肢であるといえるでしょう。

②家族・親族との話し合い

相続を円滑に進めるうえで、もう一つ重要なポイントとして挙げられていたのが、「家族・親族間の話し合い」です。実際に寄せられたアドバイスの中でも、この「家族間のコミュニケーション」に関する内容は、全体で2番目に多く挙げられていました。

具体的には、次のような声が寄せられました(原文ママ):

・誰がいつ亡くなるかはわからないのでとにかく動けるうちに会話ができるうちに家族間などでの話し合いは本当に大事だと思います。ただ話すだけではなく具体的な事も決めておくべきです。

・今回は父親の相続をしましたが、亡くなる数年前から認知症を発症していたため生前に相続の相談がほぼ全くできませんでした。幸い兄弟姉妹含めて相続で揉めることはありませんでしたが、やはり元気なうちに家族含めて財産の確認や相続について話し合っておくことが重要だと思いました。

・親には亡くなることをタブー視することなく受け入れていただき、亡くなった後、誤解が生じないよう日頃の会話の中で明るく話し合える関係を築いていって欲しいです。

「まだそんな話をするのは早いのでは」「親に失礼かもしれない」と感じて、相続の話し合いをためらう方も少なくありません。しかし実際には、「もっと早く話し合っておけばよかった」という声が多く寄せられており、話さなかったことが後の混乱や後悔につながったというリアルな声が寄せられました。

相続は、単なるお金や手続きの問題ではなく、「家族や親族が協力して進める“共同作業”」ともいえるでしょう。遠慮や気まずさを乗り越え、少しずつでも相続について話し合える関係を築いておくことが、将来のトラブルや負担を軽減するためのカギになると考えられます。

③生前準備・終活が重要

3番目に多く挙げられたアドバイスは、「生前準備・終活の重要性」についてでした。相続を経験した方々からは、「もっと準備しておけばよかった」「備えが足りなかったことを後悔している」といった声が一定数寄せられています。

生前のうちにどこまで備えておけるかによって、相続発生後の混乱や、家族の精神的・実務的な負担を軽減できることが、これらの声から見えてきます。

具体的には、次のような声が寄せられました(原文ママ):

・元気な時に、相続の準備をしておく事の大切さを、痛感しました。故人の意思がわからないと、相続手続きを進める時に、判断に迷う事が多く、悲しい思いをします。 身近な人に、この経験を伝え、出来る事は早めに準備しておこうと思います。

・節目節目で被相続人を含めた腹を割った話し合い。資産の棚卸をして相続税が発生しそうなら、口座ロックが掛かる被相続人の資産から一部家族信託や保険などの死後現金が(できれば相続税代を賄える)ある程度自由に動かせる資産にしておく。簡単に言えば「被相続人に自分の相続税を払ってもらう」感じ。 いずれにしろ、被相続人の未払い税金や葬儀代、税理士報酬など金が掛かるので、ハンドリングできる手元資金を相続人が出せる現金資産が10か月以内に用意出来るのか、できなければ被相続人の資産を使えるようなサービスを銀行などと話し合って準備しておくこと。

・揃えるべき書類、提出期限、提出先、法的義務及び手続き、相続税に関する控除の詳細、法要、生前贈与の規制について、なるべく本人が生きているうちに知識として取得すれば、何を、どこにまとめておけば良いか、相続者全員が情報を得ることが出来て、その後の対応が早くなる。不動産は居住継続しないのであれば、早めに不動産仲介業者に相談しておくと良い。継続して居住し、住民票が移っていれば、固定資産相続での控除を大きく受けられる。

「備えられることなら、生前にやっておけばよかった」という後悔の声からは、生前準備の重要性があらためて浮き彫りになりました。

生前の備えは、財産や書類の整理にとどまらず、「自分はどうしてほしいのか」「何を大切にしているのか」といった思いをかたちにする取り組みでもあります。

遺された人を悩ませないため、そして自分自身の意思をしっかりと託すためにも、少しずつでも生前の準備を進めていくことが大切だといえるでしょう。

まとめ

相続手続きには、慣れないことへの不安や実務的な負担がつきものです。こうした負担を少しでも軽減する手段として、「専門家への相談」を勧める声が最も多く寄せられました。実際、相談や手続きを専門家に依頼したことで、「手続きがスムーズに進んだ」「精神的な負担が軽くなった」と回答した人も多く、専門家の関与が相続手続きの負担軽減に役立っていることが伺えます。

そのほかにも、「家族との話し合い」や「生前の準備」など、事前の備えが相続を円滑に進める上で重要であるという実感が多く寄せられました。こうした備えは、相続発生後の混乱や後悔を防ぐためのポイントであることが明らかになっています。

また、兄弟姉妹やおじ・おばの相続では、被相続人が“おひとり様”であったケースが6割を超えており、血縁関係が比較的希薄な相続も少なくありません。このようなケースでは、相続人同士の調整がより複雑化する傾向にあり、今後もその難しさは増していくと考えられます。

長寿化に伴う認知機能の低下、家族のかたちの多様化、少子化といった時代背景を踏まえると、「元気なうちからの備え」は、家族の負担を軽減し、納得のいく相続を実現する第一歩であるといえるでしょう。

本調査が、これから相続に向き合う方々や、現在手続きに不安を感じている方の一助となれば幸いです。

【回答者について】


【鎌倉新書について】

1984年創業の日本の高齢社会に向けた「終活」をテーマに出版やインターネット事業を行う東証プライム上場企業です。「介護施設探し」「相続の準備や手続き」「生前の整理や片づけ」「葬儀の準備」「仏壇」「お墓選び」をはじめとした多数の終活関連WEBメディアを運営しております。高齢社会がますます進展していく中で、多くの人々の希望や課題の解決をお手伝いすることで明るく前向きな社会づくりに貢献してまいります。

会社名  :株式会社鎌倉新書

設立   :1984年4月17日

市場区分 :東京証券取引所プライム市場(証券コード:6184)

本社所在地:東京都中央区京橋2丁目14-1 兼松ビルディング3階

代表者  :代表取締役社長COO 小林 史生

資本金  :10億5,802万円(2025年1月31日現在)

URL   :https://www.kamakura-net.co.jp/

【鎌倉新書(グループ企業含む)が運営する主なサービス】

▼インターネットサービス

いい葬儀  :https://www.e-sogi.com/

いいお墓  :https://www.e-ohaka.com/

いい仏壇  :https://www.e-butsudan.com/

お別れ会プロデュースStory:https://e-stories.jp/

いい相続  :https://www.i-sozoku.com/

わたしの死後手続き:https://watashigo.com/

いいお坊さん:https://www.e-sogi.com/support/religious

いい介護  :https://e-nursingcare.com/

相続不動産サポート:https://i-fudosan.com

安心できる遺品整理:https://www.i-seri.com/

シニアと家族の相談室:https://shukatsu.life/

お墓の引っ越し&墓じまいくん:https://ohakahikkoshi.jp/

ブルーオーシャンセレモニー:https://blueoceanceremony.jp

葬儀保険「千の風」:https://www.bell-shotan.co.jp/

▼出版・発刊物

月刊『終活』: https://butsuji.net/

▼グループ企業

株式会社ハウスボートクラブ:https://hbclub.co.jp/

株式会社エイジプラス   :https://ageplus.jp/

株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ:https://www.kamakura-life.co.jp/

ベル少額短期保険株式会社 :https://www.bell-shotan.co.jp/company/

ユウテル株式会社     :https://yuteru.co.jp/

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年6月5日 15時00分)

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