JUMP for The Earth PROJECT事務局
樹氷クイズや近賀ゆかりさん・佐藤美弥さん参加のトークショーも
スキージャンプ髙梨沙羅が発起人となり、雪山の自然環境を守りスノースポーツを次世代に残していくために2023年5月に立ち上げたJUMP for The Earth PROJECTの活動第六弾として、蔵王山を歩いて山の美しさを感じながら、それを守るためにごみ拾いなどのクリーン活動を行う「第51回蔵王山クリーン作戦」JUMP for The Earth PROJECT トレッキング&クリーン アクション in 蔵王を6月7日(土)に開催しました。



JUMP for The Earth PROJECT 活動第六弾「トレッキング&クリーンアクション in 蔵王」の様子
蔵王山はウィンタースポーツの聖地であり、2012年のW杯で自身初優勝を果たした髙梨沙羅にとって、競技人生に大きな意味を持つ特別な場所です。この蔵王でこの先もスキージャンプを飛ぶために。次世代の選手たちが競技を続ける場所を維持するために。多くの方々に蔵王の魅力を体感してもらいながら自然保全への行動を促す取り組みが「トレッキング&クリーンアクション in 蔵王」です。2023年6月に初開催され、今年で3回目の開催となる今回は、未来を担う子どもたちへの環境教育にも重点を置き、スポーツに限らず、地球の未来を守る意識と行動の大切さを伝えました。加えて、蔵王の象徴である樹氷の減少と気候変動の関係について、髙梨沙羅や専門家によるトークショーを通じて理解を深め、自然資源や観光価値を次世代へ継承する意義を参加者全員で考える機会となりました。
当日は髙梨沙羅と、YAMAGATAドリームキッズの皆さまと親御さま、一般募集より参加の皆さまの合計約100名の参加者が蔵王山のごみ拾いをしました。約2kmのコースを1時間にわたってトレッキングしながら清掃し、第51回蔵王山クリーン作戦全体で合計約80kgのごみを集めました。参加者からは「普段自然に触れる機会がないので、親子で参加できて貴重な体験になった」「ごみが少なかったのは驚き。みんなの意識が高まっていることを感じた」といった感想が寄せられました。
また、髙梨沙羅に加えて、元サッカー⽇本⼥⼦代表の近賀ゆかりさん、元バレーボール日本女子代表の佐藤美弥さんを交えて、「スポーツから考える環境アクション」をテーマにトークショーを行いました。髙梨沙羅からは「雪不足で競技に支障が出ており、蔵王の自然も深刻な状況。これから活躍する子どもたちのためにも小さな行動を続けることの大切さを実感している」、近賀さんからは「猛暑での試合は命の危険も。子どもたちと学び、意識を高め合うことが未来を守る第一歩だと思う」、佐藤さんからは「マイボトル持参など日常の行動を大切に。皆で取り組むことで環境保護への意識が強まると感じる」といったことが語られました。
さらに、蔵王の自然に詳しい「樹氷マイスター」土門直子さんによる啓発トークも行われ、参加者は蔵王の象徴でもある樹氷がどのように形成され、近年どのような影響を受けているのかを学ぶ時間となりました。
トーク後には、学んだ知識をもとに「樹氷クイズ大会」を実施し、会場は大いに盛り上がりました。その後には、参加者とのじゃんけん大会を開催。勝ち残った10名には、本イベント限定のオリジナルタンブラーがプレゼントされました。
また、今年もマイボトルを持参した方にドリンクを無料で提供するマイボトルバーも設置しました。このマイボトルバーは、2023年10月に開催されたJUMP for The Earth PROJECT 活動第二弾「髙梨沙羅 × 藤女子高等学校 ワークショップ」にて、髙梨沙羅と藤女子高等学校の生徒が「スポーツイベントでできる、環境問題解決のためのアクション」について意見交換する中から生まれたアイデアを実現したものです。今回のマイボトルバーにも多くの方がマイボトルを持参し、気候変動の一因となる使い捨てペットボトルを削減しながら、クリーン活動で乾いた喉を潤しました。
「第51回蔵王山クリーン作戦」JUMP for The Earth PROJECT トレッキング&クリーン アクション in 蔵王 概要
■日時 :2025年6月7日(土) 9:30-12:00
■会場 :アリオンテック蔵王シャンツェ
■内容 :
・一般来場者参加型トレッキング&クリーンアクション
・「スポーツから考える環境アクション」トークショー
・蔵王の樹氷保護啓発トークショー
■出演 :髙梨沙羅
■ゲスト :
近賀ゆかりさん(元サッカー日本女子代表)
佐藤美弥さん(元バレーボール日本女子代表)
土門直子さん(樹氷マイスター)
■参加費 :無料
■参加人数 :約100名
■主催 :JUMP for The Earth PROJECT
■後援 :蔵王温泉観光協会
■協賛 :株式会社クラレ/アルコ株式会社/ビザ・ワールドワイド株式会社/アリオンテック株式会社/株式会社ミマキエンジニアリング
■助成 :日本財団






髙梨沙羅コメント
スキージャンプは雪がなければ成り立たない競技であり、年々深刻化する雪不足に対し強い危機感を覚えています。温暖化の影響で練習や試合の実施に支障が出ることもあり、気候変動は競技環境に直接的な影響を及ぼしています。蔵王での活動は今回で3回目となりました。参加者と一緒に自然とふれ合いながら環境問題に関して考えることが出来たことによって、ごみ拾いという行動をきっかけに、日常生活の中でも環境への意識が広がっていくことを願っています。
また、都市部から訪れた子どもたちが、自然の中で動物を見たり音に耳を傾けたりする姿がとても印象的でした。こうした体験が、自然と共に生きるという感覚を育む貴重な機会になると感じています。
日本には、蔵王のパウダースノーのように、世界に誇れる自然が数多くあります。その豊かさを次世代に引き継ぐためにも、今できることを一人ひとりが意識し、行動していくことが大切だと感じています。
アスリートは競技を通じて環境問題の現実を身近に感じており、だからこそ発信できることがあると思っています。
気候変動は完全に止めることはできなくても、行動することで未来を変えられると信じています。競技と向き合いながら、環境保全にも取り組み、未来のためにできることを続けていきたいと思います。

髙梨 沙羅 ~Takanashi Sara~
小学2年生からジャンプを始め、2011年2月のコンチネンタルカップにて国際スキー連盟公認国際ジャンプ大会での女子選手史上最年少優勝を果たす。その後、FISワールドカップにおける4度の総合優勝などを経て、18年平昌冬季五輪では銅メダルを獲得。FISワールドカップでは男女を通じて歴代最多の63勝、また男女歴代最多116回目の表彰台に立つ偉業を成し遂げた。
JUMP for The Earth PROJECTの背景と狙い
気候変動がこのまま進むと、温暖化を原因とした雪不足により、スキージャンプを含めウィンタースポーツを楽しめる場所は将来的にはごくわずかになってしまう可能性があります。スキージャンプやウインタースポーツの楽しさを多くの人に知ってもらい、次世代に引き継いでいくために、日本のスキージャンプ界を牽引してきた髙梨沙羅を中心として、 JUMP for The Earth PROJECTが立ち上がりました。
JUMP for The Earth PROJECTでは、「自然とふれあう」「自然からまなぶ」「自然をまもる」を行動指針として、様々な活動を展開してまいります。例えば、気候変動の現在地について学ぶ動画コンテンツの発信や、雪山を守るアクション/イベント開催なども実施していく予定です。
