パナソニック コネクト株式会社（本社：東京都中央区、代表取締役 執行役員 プレジデント・CEO：樋口 泰行、以下、パナソニック コネクト）は、フルデジタル溶接機のフラッグシップモデルとして、交直両用TIG溶接機「YC-350NA1」を2025年6月13日より発売します。これまでのフルデジタル溶接機をさらに進化させた新世代フルデジタル溶接機Nシリーズのラインアップ展開となります。

本製品は、フルデジタル溶接機のフラッグシップモデルとして、これまでのフルデジタル溶接機で培ってきた技術を継承、発展させながら、高精度波形制御技術をさらに進化させるとともに、経験や専門知識が必要な作業をサポートする「溶接ナビ」「溶接コンシェルジュ」などの機能を搭載し、初めて溶接機を操作される方や作業が不定期な方への操作の分かりやすさ、使いやすさを追求しました。

■開発の背景

近年、モノづくりの現場では熟練技能者の減少、生産コストの増大などにより、溶接品質や生産性の向上がより強く求められてきています。経験や勘が求められる熟練者の技能をどう伝承するか、現場の働き手を3K作業からいかに解放し、生産の効率化を実現するかは大きな課題です。パナソニック コネクトは、フルデジタル溶接機の高精度波形制御技術をさらに進化させるとともに、使いやすさにこだわった新世代型溶接機Nシリーズをお客様に提供することで、高度化するお客様の「モノづくり」にお役立ちできる新たなソリュ―ションを提案します。

2000年に発売を開始した「フルデジタル溶接機」は、業界に先駆けて溶接波形をデジタル制御することにより精密な波形調整を実現して、高品位・高品質な溶接を追求した溶接機としてお客様に支持されてきました。その後さらなる進化を遂げ、「高い溶接性能」と「多彩な機能」を高次元で融合させることで、高度化・多様化するお客様のご要望にお応えしてきました。

＜新世代型溶接機Nシリーズの開発コンセプト＞

・Comfortable ～簡単操作のユニバーサルデザイン～

・Capable ～可能性を追求した溶接性能～

・Connectable ～ネットワーク対応による生産性支援～

新世代型溶接機Nシリーズは、【Comfortable（使いやすく）、Capable（溶接性能の向上）、Connectable（つながる）】を3つの開発コンセプトとして、これまでのフルデジタル溶接機からフルモデルチェンジを行い、新しいフルデジタル溶接機シリーズとして展開しています。

＜新製品 交直両用TIG溶接機「YC-350NA1」の特長＞

1. 課題解決や溶接条件決定をサポートする簡単操作のユニバーサルデザイン

2. さらなる溶接適用範囲の拡大と溶接安定性の向上

3. ネットワーク対応で溶接現場の見える化を実現

パナソニック コネクトは、本製品を通じて、今後より一層高度化する「モノづくり」に貢献できるフルデジタル溶接機の拡充を図り、さまざまな場面における高品位・高品質溶接の実現を目指します。

■特長の詳細

1. 課題解決や溶接条件決定をサポートする簡単操作のユニバーサルデザイン

前面操作パネルにはタッチパネル式カラー液晶モニターを搭載し、直感的な操作とわかりやすい情報表示により、溶接機の操作や条件設定の操作性および視認性を格段に向上しています。

経験の浅い方にも安心なサポート機能も充実しており、溶接作業の推奨条件を自動選択する「溶接ナビ」は、溶接継手などの情報がイラストで表示されることで作業者は実際の作業をイメージしながら簡単に設定することができ、溶接条件出しの時間を短縮します。「溶接コンシェルジュ」は、現場の作業状況や作業者の課題を液晶表示に従って入力していくことで経験や専門知識が必要な溶接パラメータ調整をわかりやすくサポートします。

また、オプションのデジタルリモコン（液晶表示）を使用することで、手元での操作がより簡単になります。さらに同時発売のTIGフィラー送給装置にも対応し、フィラー操作に不慣れな溶接初心者でも片手操作が可能となり、難易度の高い溶接作業を支援します。

2. さらなる溶接適用範囲の拡大と溶接安定性の向上

直流TIG溶接では最大3000 Hzのパルス周波数、交流TIG溶接では最大600 Hzの交流周波数が設定可能となり、さらに出力を350 A、60％使用率とすることで溶接適用範囲を拡大しました。交流／直流TIG溶接にてアークを集中させることで溶接の安定性を向上しつつ、板厚が大きく異なる組み合わせでも少ない溶落ちを実現しました。

また、交流TIG溶接では作業時のアーク音をできるだけ抑えながら溶接環境と作業性を改善する新波形や新設定を搭載しています。直流TIG溶接では2 A設定や精細モードによる薄板溶接でより細かく設定でき、精密スポット溶接では溶接の短時間設定により銅線等の溶接が従来よりもさらに簡単になります。

アークスタートには従来の「高周波スタート」に加え、新たに「ワンパルススタート」を搭載し、アークスタート時の母材状況による高周波の連続発生をなくし、無駄な高周波発生を抑えノイズの発生時間を少なくしました。

3. ネットワーク対応で溶接現場の見える化を実現

今後、本製品は溶接施工の前後工程も含めた溶接関連情報のプラットフォームとなる「統合溶接管理システム iWNB（※）for Welding Machines」に対応する予定です。iWNB for Welding Machinesとの接続によって、溶接機の情報を収集、蓄積、分析することが可能となり、「生産性向上」「品質向上」「トレーサビリティー強化」を実現します。

▼iWNB（統合溶接管理システム）for Welding Machinesについて

https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services_welding/products/iwnbforwm

■誰でも簡単TIGフィラー溶接用送給装置「YE-10NJ1」を同時発売

また、フラッグシップTIG溶接機YC-350NA1と同時に溶加棒の添加作業を自動化する製品を発売します。自動化により高い技量が必要なTIG溶接の難易度を低減し、安定した溶接をサポートします。

＜誰でも簡単TIGフィラー溶接用送給装置「YE-10NJ1」特長＞

1. 溶加棒の送給を自動化、ばらつきの少ない安定した溶接を実現

2. 長尺ものの溶接や自動機での溶接において、ビードの継ぎ目が無くなり、溶加棒の交換作業を低減

3. 両手操作を片手操作に変えて溶接難易度を低減

4. TIG溶接機 350NA1の溶接ナビ機能との連動で、溶接条件を簡単設定

5. パナソニック コネクト特定TIG溶接機への接続可能

【交直両用TIG溶接機「YC-350NA1」定格仕様】

▼パナソニック コネクト 溶接・ロボット・レーザ事業 ウェブサイト

https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services_welding

※integrated Welding Network Boxの略

＊TIG（Tungsten Inert Gas）溶接：高融点で溶接消耗が少なくアークの安定性が良好なタングステンを電極に用い、ヘリウムなどの不活性ガスで覆われた中でアーク熱を発生させて母材を溶解させる溶接法。溶接電源は軟鋼やステンレスの溶接では直流、アルミやマグネシウムの溶接には交流電源が使われる。

【パナソニック コネクト株式会社について】

パナソニック コネクト株式会社は2022年4月1日、パナソニックグループの事業会社制への移行に伴い発足した、B2Bソリューションの中核を担う事業会社です。グローバルで約28,200名の従業員を擁し、売上高は1兆3,332億円（2024年度）を計上しています。「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」をパーパス（企業としての存在意義）として掲げ、製造業100年の知見とソフトウェアを組み合わせたソリューションや高度に差別化されたハードウェアの提供を通じて、サプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメントのお客様をつなぎ、「現場」をイノベートすることに取り組んでいます。また、人と自然が共存できる豊かな社会・地球の「サステナビリティ」と、一人ひとりが生きがいを感じ、安心安全で幸せに暮らすことができる「ウェルビーイング」の実現を目指しています。

また、「人権の尊重」と「企業競争力の向上」を目的に、DEI（Diversity, Equity & Inclusion）推進を経営戦略の柱のひとつに位置づけ、多様な価値観を持つ一人ひとりがイキイキと力を発揮できる柔軟性の高い企業文化の改革に取り組んでいます。

▼パナソニック コネクト株式会社 ウェブサイト

https://connect.panasonic.com

▼パナソニック コネクト Newsroom

https://connect.panasonic.com/jp-ja/newsroom

▼パナソニック コネクト DEI（Diversity, Equity & Inclusion）

https://connect.panasonic.com/jp-ja/about/sustainability/dei

【お問い合わせ先】

パナソニック コネクト株式会社 FA、溶接 ご相談窓口

https://industrial.panasonic.com/cuif/jp/contact-us?field_contact_group=1096

出典：PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ （2025年6月11日 13時00分）