TISインテックグループ
~国内最大級の地方自治体オープンデータサイト「BODIK ODCS」に実装したTISのフィードバック機能CKAN Extension Feedbackが全国展開~
TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)と公益財団法人九州先端科学技術研究所(所在地:福岡市早良区、理事長:貫 正義、以下:ISIT)は、オープンデータ利活用促進を目的とした連携協定を2025年5月に締結したことを発表します。
本連携協定は、より多くの自治体が容易に質の高いオープンデータ提供をするための仕組みを検討することで積極的なオープンデータ利活用促進へ繋げ、諸課題の解決や経済活性化、行政の高度化の実現を目指すものです。
背景
近年、デジタル技術の進化に伴って大量のデータと情報が飛び交い、政府や自治体はこれまで以上に透明性と信頼性を求められるようになりました。こうした背景から、日本ではオープンデータは官民データ活用推進基本法[i]に基づき、国や地方公共団体が取り組むことを義務付けられており、各自治体での公開が進められています。
オープンデータの利活用シーンは、アプリケーション開発や研究のためのデータ分析、地域課題解決のためのデータ照会など多岐にわたります。データに対する市民のニーズが多様化する一方で、データ利用者と提供者とを繋ぐ手段は行政窓口や問い合わせフォーム等の総合的な窓口しかなく、データ利用者はデータそのものに対して気軽にフィードバックできず、データ提供者もまた、利用者のニーズを充分に把握できませんでした。
そこでISITは2024年9月、ISITが提供する国内最大級の地方自治体オープンデータカタログサイト「BODIK ODCS[ii]」に、TISが開発するフィードバック機能であるCKAN[iii] Extension Feedbackを採用しました。これにより、データ利用者は提供者へ気軽にフィードバックを伝えることができるようになり、データ提供者は利用者の“生の声“を受け取れるようになりました。
これらの取り組みを経てTISとISITは、更なるオープンデータ利活用促進に向けた取り組みの拡大を目指し連携協定の締結に至りました。
[i] 官民データ活用推進基本法:行政や民間企業がもつデジタルデータを公開して活用するための基本方針を定めた法律。(平成28 年法律第103 号)
[ii] BODIK ODCS:オープンデータを公開するデータカタログサイト。ISITが運営・提供している。全国328自治体が採用、15,466データセットが公開されている。(2025年5月末現在)
[iii] CKAN:オープンデータカタログサイトを構築するためのオープンソースソフトウェア。多くの国や地域等で利用されており、ISITが提供する「BODIK ODCS」でも採用している。
連携事項
本連携協定における連携事項は以下の通りです。
(1) オープンデータに関するデータ善循環の取り組み(オープンデータDataOps[iv]の共同研究、普及啓蒙)
(2) オープンデータ提供基盤に関する取り組み(「BODIK ODCS」の機能強化、CKAN Extension Feedback 開発、実証実験)
(3) データ連携基
盤に関する取り組み(FIWARE[v]を含めた基盤の検討、開発、実証実験)
[iv] DataOps:データ管理者(提供者)とデータ利用者の間におけるコミュニケーションの改善やデータフローの統合・自動化の実施により、データ利活用の促進をしていく取り組み。
[v] FIWARE:欧州の官民連携プロジェクトで開発・実証されたデータ連携のためのデータ管理 基盤ソフトウェア 。データ連携に必要なデータ管理モジュールからデータ収集のためのIoTデバイス管理モジュール、データ解析、認証など様々なモジュールがオープンソースソフトウェアにて提供されている。
CKAN Extension Feedback全国展開と機能強化について
TISとISITはこれまで、 CKAN Extension Feedbackについて一部自治体で先行導入・実証を進めてきましたが、2025年7月より、BODIK ODCSを利用する全ての自治体に対して標準導入と機能強化を本格的に開始します。これは、本連携協定後における両社の戦略的取り組みの第一弾であり、オープンデータ活用の新たなモデルを九州福岡から全国へ発信するものです。
多くの自治体がCKAN Extension Feedbackを利用していくことで、データ利用者はより多くのデータに対してフィードバックを送れるようになります。また、複数の自治体において共通の課題感などを集積することで、オープンデータ利活用促進に向けた新たな施策の検討に繋げることができます。
今後について
TISと ISITは本連携協定を通して、TISの社会課題解決へ取り組んできた経験、ITベンダーとしての開発能力と、ISITのBODIK事業を通して構築された多くの自治体との関係やオープンデータ推進活動の知見を活かし、オープンデータ分野におけるエコシステムの社会実装における加速を行うことで、国内におけるオープンデータの利活用促進に貢献します。
BODIKについて
ISITのBODIK事業は、誰でも簡単にオープンデータが活用できる社会を目指し、自治体のオープンデータ取り組み支援を中心に、オープンデータプラットフォームを構築・運用しています。近年はデータ連携基盤との接続実証にも取り組んでいます。
詳細は以下URLをご参照ください。
CKAN Extension Feedbackについて
TISのCKAN Extension Feedbackは、オープンデータを公開するデータ提供者が、データ利用者からのフィードバックを得ることができるフィードバック機能を提供します。本機能によって、データ提供者は利用者のニーズを把握でき、データの質および量の向上を図ることができます。
主な機能は以下の通りです。
1. データの集計情報の可視化機能(ダウンロード数、利活用数、課題解決数など)
2. 各データに対する利用者のコメント・評価機能
3. 利用者が実際にデータを利活用し開発したアプリケーションやシステム等を紹介できる機能
4. データ提供者が利用者の利活用事例を評価する課題解決認定機能
詳細は以下URLをご参照ください。
https://github.com/c-3lab/ckanext-feedback
TIS 株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
公益財団法人 九州先端科学技術研究所について(https://www.isit.or.jp/)
ISITは、技術移転や技術交流の架け橋となり、情報関連産業をさらに振興させるための中核的研究所として誕生しました。ISITでは中長期的、戦略的なテーマに関する研究開発を行い、さらに大手・地場企業間あるいは大学・企業間の産学連携のコーディネートや研究交流・情報発信等、さらに、新産業の育成支援を行うことによって、広く関連産業や地域社会の発展に寄与していきます。
本件に関する技術的なお問い合わせ先
TIS株式会社
ソーシャルイノベーション事業部 デジタル社会サービス企画部
TEL:050-1702-4071 E-mail:opendata@ml.tis.co.jp
公益財団法人 九州先端科学技術研究所
オープンイノベーション・ラボ 坂本
TEL:092-852-3450 E-mail:bodik-team@isit.or.jp