日本電気株式会社
NECは、安全法規や電波利用に関わる法規などの法規制要件が複雑化する中で、社内外への課題のヒアリングを通じ、生成AIを活用した法規制対応業務の高度化を支援するソリューションの企画・開発に取り組んでいます。その一環として現在、クライアントゼロ(注1)となる社内の品質管理部門を対象に、実際の業務現場への適合性を確認する実証を実施しています。
背景
近年、製造業を中心に国内外の法規制が複雑化する中、法改正情報の収集・内容確認・対応判断・対応策の策定といった一連の法規制対応業務が人手で行われており、工数の増加や属人化による継続性の確保が深刻な課題となっています。現場任せの対応では、法改正への対応遅れによる販売機会ロスや、対応漏れによる法令違反のリスクが発生しやすく、事業運営における重大なリスク要因となっています。法改正対応業務の効率化・標準化を図り、作業負荷の軽減と業務品質の均質化を実現する仕組みの構築が急務となっています。
法規制対応業務のプロセスと主要課題

実証の内容
本プロセスの一部である法規情報の内容解釈・要否判断の業務を生成AIが支援する業務システムのプロトタイプを開発しました。今回の実証では、このプロトタイプを使用し、以下の3つの観点で検証を行っています。
1.業務プロセスに沿ったUI/UX検証 – 機能性と画面遷移の最適化
従来、担当者が知識や経験をもとに、手作業でExcelや資料を参照しながら遂行していた業務プロセス(作業・判断)を、プロトタイプによる自動化・支援によってどの程度代替・補助できるか
2.生成AIのパフォーマンス検証 – アウトプット精度の最適化
改正された法規が自部門に与える対応要否判定が適切にできているか
複雑な法規文書から、業務に必要な要素を正確に抽出・要約できているか
生成AIによる回答根拠となる具体的な条文や記述箇所を適切に示せているか
3.業務改善の効果検証
属人性の解消、調査や分析・情報共有の作業効率化、対応漏れリスクの低減などの観点で、導入による業務全体の改善につながっているか
実証結果および開発中のソリューションを「第37回設計・製造ソリューション展(DMS2025)」(会期:2025年7月9日(水)~11日(金)、会場:幕張メッセ 展示ホール10)にてご紹介します。
今後の展望
本実証で得られた知見や改善点をもとに、ソリューションの精度向上およびUI/UXの改善に取り組んでまいります。そして、対応漏れの防止や迅速な意思決定を可能とし、コンプライアンスリスクの低減とともに、組織としての対応力強化と競争力向上に貢献します。なお、今後につきましては、お客さまが実業務で利用された際に、具体的な効果を実感いただけるよう検証するメニューも用意する予定です。こちらも設計・製造ソリューション展(DMS2025)でご紹介します。
お客さまのご意見やご要望を反映しながら、2025年度中のサービス提供開始を目指します。
・関連URL:生成AIによる法規制対応業務の効率化へ~NEC 製品法規適合AIアシスタント
https://jpn.nec.com/manufacture/monozukuri/iot_mono/2025-06/01.html

NECはDXに関して、ビジネスモデル、テクノロジー、組織・人材の3軸で、戦略構想コンサルティングから実装に導くオファリングなど、End to Endのサービスを提供しています。さらに、従来型のSIerから「Value Driver」への進化を目指し、その価値提供モデルを「BluStellar(ブルーステラ)」(注2)として体系整理しました。業種横断の先進的な知見と研ぎ澄まされた最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客さまの経営課題を解決に導きます。
以上
(注1)NEC自身をゼロ番目のクライアントとして最先端のテクノロジーを実践することで、「活きた」経験をリファレンスとしてお客さまや社会に提供する考え方。
(注2)

「BluStellar(ブルーステラ)」は実績に裏打ちされた業種横断の先進的な知見と長年の開発・運用で研ぎ澄まされたNECの最先端テクノロジーにより、ビジネスモデルの変革を実現し、社会課題とお客さまの経営課題を解決に導き、お客さまを未来へ導く価値創造モデルです。
<本件のお問い合わせ先>
NEC スマートインダストリー統括部
E-Mail:smart_industry_llm@iiot.jp.nec.com