新電元工業株式会社
急拡大する情報通信インフラの設備床面積を効率的に活用する、高容量のリチウムイオン(LFP)電池モジュールを熟練設計のシステム架に収納。並列冗長構成で通信インフラの「止めない運用」に対応します。

新電元工業株式会社は、通信インフラ設備の電源バックアップ用「DC48Vリチウムイオン電池システム」(BS-480500/BS-481000/BS-481500)を、2025年7月より販売開始いたします。本製品は、リン酸鉄系(LFP)電池を採用し、長寿命・高安全性・高耐震性を兼ね備えた設計により、通信設備のバックアップ電源として高い信頼性を提供します。
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リン酸鉄系電池を1架に5台搭載(100Ah※1×5台)最大1500Ahまで対応
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SNMP監視/PC監視/液晶画面&LED状態表示無電圧ループ接点による警報送出
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個々の電池モジュールに保護機能を内蔵
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二次リチウム電池安全規格IEC 62619:2022認証条例キュービクル式蓄電池設備に適合
増加傾向が続く通信データトラフィック
動画配信サービスの開始と普及をきっかけとした国内のデータトラフィック量の大幅に増加に加え、生成AI技術の急速な進展により、社会全体のデジタル化が加速しています。固定系ブロードバンドサービスの月間データトラフィック量は2010年で約1.7Tbpsでしたが、2020年には約19Tbps、そして2024年11月には約38.9TBに達しました。この4年間で約2倍に増加しており、今後も2030年に向けてさらなる増加が見込まれています。※2 また、IoTやセンサ技術の活用による社会インフラの維持管理が進む中、通信設備のレジリエンス(強靭性)確保において電源バックアップの重要性が一層高まっています。
こうした背景のもと、データセンター設備の設置スペースも逼迫しつつあり、限られたスペースで高い蓄電性能を実現できる省スペース型リチウムイオン電池システムのニーズが高まっています。
企業ミッション『変換効率を極限まで追求』
新電元工業は、創業以来70年以上にわたり通信電源の分野で高信頼・高効率な製品を提供してきた「電源のエキスパート」です。変換効率を極限まで追求するという一貫した企業ミッションにより、電力変換効率の向上にとどまらず、情報通信インフラ全体の効率化に挑戦しています。新たに開発したDC48Vリチウムイオン電池システムは、通信局の課題を効率的に改善します。
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設置面積の効率化:限られたスペースでより多くの電池容量を確保
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保守作業の効率化:低架構造と前面保守設計により、作業負荷と安全リスクを低減
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資源利用の効率化:長寿命LFPバッテリーの採用により、交換頻度と廃棄物を抑制
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監視運用の効率化:自社開発ソフトウェアによる遠隔監視で、現場対応の即応性と可視性を向上
製品の特長
■ 高信頼・長寿命のLFP電池を搭載
LFP電池は、熱安定性・深放電耐性・高SOC保持性に優れ、通信設備の長期待機運用に最適です。期待寿命は15年(環境温度25℃にて70%容量維持)と、長期運用におけるコスト削減にも貢献します。
■ 並列冗長構成による高可用性
電池モジュール単体の異常時でも、システム全体の停止を伴わずに交換可能な並列冗長構成を採用。通信インフラの「止められない」運用に対応します。
■ 前面保守設計・低リフト構造
保守作業はすべて前面から実施可能。低架設計により、ハンドリフターを用いた安全な交換作業が可能です。狭小スペースへの設置にも対応します。
■ 多様な監視機能
本体搭載の液晶画面・LED表示に加え、SNMP対応による遠隔監視、WEBブラウザによるPC監視など、現場・遠隔双方での状態把握が可能です。
■ 耐震性能・安全規格取得
耐震クラスS(中間階)に対応し、実試験による耐震性能を確保。電池モジュールは IEC 62619:2022認証を取得し、産業用蓄電池としての安全性を確保しています。
※1:公称容量につき保証値ではありません。
※2:出展:総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果」(somu.go.jp|2025年2月28日)
生産情報
生産場所:新電元スリーイー株式会社(埼玉県飯能市)
発売時期:2025年7月より受注開始
製品に関するお問い合わせ
新電元工業株式会社
営業本部 マーケティング部
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