ストックマーク
ストックマーク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:林 達、以下:ストックマーク)に所属する、LLM組織ナレッジグラフユニットのリーダー広田が、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下:産総研)と論文を共著し、この度、対話システムに関する代表的な国際会議「SIGDIAL 2025」に採択されました。
SIGDIAL は、学術研究者と産業界の研究者双方に、談話と対話に関する最先端の研究発表の場を提供する国際会議です。この学会では、人間とコンピュータ、あるいは人間同士の対話や、文章・会話における文脈の繋がり(談話)に関する、最先端の研究が発表されています。
この度、採択された共著論文は、2025年8月25日から27日にかけてフランスのアヴィニョン大学で開催される「SIGDIAL 2025」にて発表を行います。
・SIGDIAL 2025:https://2025.sigdial.org/
論文概要
今回共著した論文は、「研究アイデアの生成」にLLMを活用する際の、マルチエージェントによる対話設計についての研究です。具体的には、単一ではなく複数のエージェント(LLM)に対して「アイデア生成をする上でのペルソナの設定」、「生成されたアイデアに対して批判を行う役割の付与」「批判と修正といった改訂サイクルの実行」を行った際に生じる、アイデア生成の量と質に与える影響について記載しております。
【論文名】Exploring Design of Multi-Agent LLM Dialogues for Research Ideation
【主著】上田佳祐(産総研/スイス連邦工科大学ローザンヌ校)
【共著】広田 航(ストックマーク)、朝倉 卓人(ストックマーク)、高橋 洸丞(ストックマーク)
近江 崇宏(ストックマーク)、有馬幸介(ストックマーク)、石垣達也(産総研)
【概要】従来の単一エージェント(LLM)によるアイデア生成ではなく、複数のエージェントが協力して
アイデアを生成・批評・改訂する「議論によるアイデア生成フレームワーク」を採用し、
3つの設計要素を検討
【フレームワーク】
1. 多様性
専門分野に基づくペルソナ(物理学者、心理学者などの人物像)を導入することで、
生成されるアイデアの質に与える影響を分析。
2. 並列性
複数の批評エージェントを同時に使用し、幅広いフィードバックが結果に与える影響を分析。
3. 対話の深さ
批評と修正のサイクルを繰り返すことで、アイデアの精度と多様性に与える影響を分析。
【結論】
・多様性
アイデア批判エージェントのペルソナを増加させることにより、
アイデア数は増加しない一方で、アイデアの質は向上した。
・並列性
批判エージェントを増加することにより、アイデア数は増加する一方で、
アイデアの質に与える影響は少ない。
・対話の深さ
批判と修正のサイクルを繰り返すほど、
アイデアの質に与える影響は少数回では向上するものの、多数回になるにつれ向上は停滞。
共著背景
近年、自然言語処理技術や生成AI技術の急速な成長に伴い、LLM・AIエージェントなどの生成AI技術の開発や、あらゆる分野での活用が注目されております。そのような中、当社LLM組織では、ビジネス領域における生成AIを活用した事業探索や研究テーマ探索について、大学や研究機関との産学連携を強化しながら生成AI技術の研究開発に注力しております。
中でも、当社と産総研においては、ビジネス領域における「自律型アイデア発想AIエージェント」をテーマとした共同研究※1を行っております。当研究では、厳密性の高いビジネス領域で実現性の高いアイデア策定を発想可能な「AIエージェント」の開発を目指しており、「自社技術の新たな用途を模索提案する用途探索」や「営業活動における提案資料作成」など、様々な利用シーンに対応した発想AIの実現を目指しております。
※1:https://stockmark.co.jp/news/20250307
ストックマーク株式会社について
ストックマーク株式会社は「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、最先端の生成AI技術を活用し、多くの企業の企業変革を支援しています。
製造業向けAIエージェント「Aconnect」及び、あらゆるデータを構造化し企業の資産に変える「SAT」を運営しています。さらに、企業特化生成AIの開発や、独自システムの構築も支援しています。
会社名 :ストックマーク株式会社
所在地 :東京都港区南青山一丁目12番3号 LIFORK MINAMI AOYAMA S209
設立 :2016年11月15日
代表者 :代表取締役CEO 林 達
事業内容:最先端の生成AI技術を活用した、
企業のナレッジマネジメント・生成AIの業務適用を支援するサービスの開発・運営
URL :https://stockmark.co.jp/