日本仮設株式会社
~土木分野で培った確かな技術を建築へ応用。品質向上と省力化で、コンクリート構造物の新たな標準を確立~

日本仮設株式会社(本社:札幌市、代表取締役:菊原歩)は、これまで土木分野で培ってきたコンクリートひび割れ誘発技術を応用し、建築用途に特化した新製品「KB目地ARタイプ」を開発・商品化いたしました。
従来の建築現場では、目地棒等による現場対応が主流でしたが、施工の手間や品質のばらつき、止水性の不足といった課題がありました。「KB目地ARタイプ」は、こうした課題を解消し、“現場対応から製品対応へ”という新たな常識を提案する誘発目地材です。
※業界初建築用KB目地・・・自社調べ(2024年6月、国内主要業者10社を対象に調査)
手間を減らし、品質を上げる。
高品質なコンクリート施工を支える確実なひび割れ誘発を可能にし、建築現場の“あたりまえ”を変える一本として、現場の生産性と耐久性向上に貢献します。
当製品は、今後さまざまな建築現場への導入を推進していくとともに、コンクリート施工における新たなスタンダードを目指します。
【 KB目地専用サイト】https://www.kb-joint.jp/
利用シーン






特 徴
● 確実なひび割れ誘発性能
目地本体と3種の誘導鉄板により、意図した箇所に効率よくひび割れを誘発。断面欠損率も自由に調整できるので、様々な壁厚にも対応可能。
● 高い止水性能でコンクリートの長寿命化に貢献
特殊ブチルゴムで覆われたKB目地本体をかぶり内に設置するため、かぶり内で確実に止水し鉄筋の腐食を防止。経年による止水性の低下がなく、コンクリート内部からの耐久性を確保。
● 専用バネ材によるワンタッチ固定
専用の固定治具でワンタッチ固定。施工ミスのリスクを軽減し、安定した誘発効果を実現。
● コーキング不要の化粧目地仕様
表面に化粧目地を使用することで、シーリング材によるコーキング処理を不要にすることも可能。定期的な補修作業が不要となり、長期的な維持管理コストを削減。打ちっ放し仕上げに最適。



開発経緯
建築工事においても、ひび割れ誘発目地の設置は従来から行われていましたが、表面仕上げのある構造物が中心であるため、打ちっ放し仕上げのための土木用のKB目地は、性能面・価格面からも建築現場での採用は限定的でした。しかし、ここ1〜2年で建築構造物におけるKB目地の問い合わせが急増したことを受け、「建築向けのKB目地を開発すべきではないか」と考えたのが今回の開発の出発点です。

開発にあたって特に課題となったのが、鉄筋への固定方法でした。対象が丸鋼でありサイズも多様なため、従来の「ネジ固定」でなければ対応できないという先入観が根強くありました。土木分野では一般的な方法ではあるものの、建築現場ではより簡素でスピーディーな施工性が求められます。
この思い込みを打ち破ったのが、若手社員による柔軟な発想でした。ネジを使わず、ばねの力で簡単に固定するという新しいアプローチにより、専用固定治具「KBスプリング」が誕生。
これまでのKB目地にはなかった革新的な固定方法であり、施工性と確実性を両立する技術として完成に至りました。
試験施工は札幌市内のゼネコン協力のもと実施。現場担当者からは、想定以上にスムーズな取り付けができたとの評価をいただき、特に「KBスプリング」の施工性の高さが好評を博しました。
建築用KB目地の必要性
KB目地が建築工事で求められる性能は、主に「止水性の確保」と「断面欠損率の安定確保」の2つです。

従来の建築用ひび割れ誘発目地は、コーキング材など表面処理によって止水性を確保していましたが、経年劣化による性能低下が懸念されてきました。特に地下外壁など水圧のかかる部位では、コーキングの止水力のみでは不安が残るという声も多く、より高い止水性を持つ製品が求められていました。
KB目地はコンクリート内部に非加硫ブチルゴム製の止水材を設置することで、長期間にわたり高い止水性能を維持できます。鉄筋のかぶり厚内で止水する設計は、構造物の長寿命化や鉄筋の腐食防止に寄与する点で、特に建築分野でも注目されています。
また、断面欠損率についても、従来は目地棒のみで対応するケースが多く、壁厚に対して必要な欠損量が確保されていない現場も見受けられていました。近年では設計図に誘発目地の設置基準や、欠損率(20〜25%以上)を明記するケースが増え、正確な施工が求められています。KB目地では、専用の欠損材と固定治具を用いることで、誰でも簡単に一定の断面欠損率を確保できる設計を実現しています。
今後は誘発目地の効果をより高めるために、土木分野で一般的な40%以上の断面欠損率を建築でも導入することが一つの課題と捉えています。KB目地の普及を通じて、建築現場における誘発目地の有効活用と施工品質の向上に貢献していきます。
日本仮設株式会社について
日本仮設株式会社は北海道を拠点に、全国に向け土木・建築・アグリ関連の資材を幅広く取り扱っている会社です。
現場のニーズは時代によって大きく変化しています。日本仮設では各種資材のレンタル・販売から設計・製造まで幅広くカバーし、業種業態に縛られないサービスを提供いたします。
【会社概要】
社名:日本仮設株式会社
本社所在地:札幌市西区発寒16条14丁目6-50
代表取締役:菊原 歩
事業内容: 建築・土木用仮設資材の開発、設計、製造、販売及びレンタル
設立: 昭和42年10月24日