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【福井県坂井市】マルシェ、海鮮BBQ…地元高校のバンド演奏

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坂井市役所

リニューアル三国港市場に活気 日曜朝市、観光にもひと役

まるで魚市場が音楽ホールに。三国港市場の集客コンテンツとして、人気を呼ぶ三国高校吹奏楽部の朝市ライブ

 福井県坂井市の三国港市場は、全国的にも一風変わった魚市場だ。全国に知られるブランド「越前がに」をはじめ、ふくい甘エビなど水揚げされる魚市場だけに、連日、水揚げされた水産物の競りは夕方に開かれているだが、4年前の市場リニューアル後は、年間を通じ30回ほど、『三国港朝市』の名で、海鮮物のマルシェを開くなどして広い競り場を一般開放している。朝市のメインは、新鮮な魚介や地場野菜の売店が並ぶマルシェ、その場で購入した海鮮を炭火焼きにするBBQ、「甘えび汁」が味わえる市場食堂の3本柱で、集客のために趣向を凝らしたイベントもある。北陸新幹線福井延伸の効果もあってか、4月末からスタートした今シーズンは、来場者が1,500~1,600人に達する日も多く、リニューアル初年度超えを目標に「年間2万5千人を目指したい」と市場関係者もにぎわい定着に自信を見せる。

売りは甘エビ「詰め放題」 早朝から100人超す行列

 「三国の甘エビは新鮮で美味いから…。実は俺は今年からなんやけど、甘えび詰め放題を知ってからは、毎回、俺が行列の先頭だよ」。6月22日の日曜、早朝7時半にはすでに三国港市場に100人の行列が出来ていた【写真左】。行列の先頭に陣取った福井市の男性(57)は、いかにも常連と言った感じで笑顔で話す。

 市場が仕掛けるイベントの中でも「甘えび詰め放題」は、人気ナンバーワン。透明のコップに新鮮な甘えびを詰め込む90秒間のレースには、毎回100~120人が挑む。用意した約60キロの甘えびも1時間ほどで無くなる。料金は1回500円、上手な人なら約700gは詰め込むことができ、お得感も漂う。鯖江市から来たという主婦(52)は「生の甘エビを手づかみって体験は、なかなかできない。めっちゃ楽しい」とご満悦。さらにお客は、海鮮や地場野菜など8~10の店舗が並ぶマルシェ、九頭竜川河口の景色を眺めながらアウトドア気分を味わうBBQコーナー、船主の女将さんらが「甘えび汁」を振る舞う食堂まで足を延ばし、食事や買い物を楽しむ。

 食堂を切り盛りする網元おかみ会の舩木千恵美さんは「朝市の知名度が上がっているの。ネットを見てここに来る人も増えたのよ。北陸新幹線の芦原温泉駅で降りた外国人観光客が、問い合わせて来たこともあったわよ」と来場者が地元だけでなく多彩になったと感じている。

三国港を代表する水産物といえば、真っ赤な甘エビ。新鮮な甘エビの詰め放題イベントには老若男女が押しかける
九頭竜川の川岸で絶景を眺めながらの炭火焼きBBQは、開放感たっぷり

 日曜の早朝、競り場を衣替えした販売ブースに、どんな店、魚が並んでいるか、毎週市場に来てのお楽しみにしているお客もいれば、市場のHP、インスタグラムをチェックし、狙いすまして目的の鮮魚をゲットする買い方もあり、楽しみは十人十色。7月6日の朝市には、三国沖での一本釣り漁で揚がった110キロのクロマグロが店頭に並ぶことに。100キロ超えのマグロが市場に水揚げされるのは初めてで、切り身が日曜朝市で即売されるのも初めて。「三国港一本釣り祭 マグロ姿売り」の名で、特設販売ブースも設けられる。

三国港のブランド力活かし、魚市場をにぎわい施設に

 坂井市が三国港市場を大規模改修し、リニューアルしたのが2022年3月。それまでの施設は県漁連所有の建物だったが築50年と老朽化、三国港市場での取引を廃止し、近隣の卸売市場へ統合する計画もあったが、市が「越前がに」、「ふくい甘えび」など三国のブランド力を持つ水産物がある市場を残すことで、観光振興やにぎわい創出につなげたい、という思いからリニューアルを決断。

競り場スペースに、毎回、鮮魚店や地元野菜店など8~10店舗ほどが並ぶマルシェ(販売ブース)

県漁連から無償で譲り受け約3億2千万円の事業費で大改修。前年の2021年、三国港機船底曳網漁協、三国港漁協、雄島漁協の3漁協が新法人「一般社団法人・三国港市場」を設立、管理する新しいスタイルの市場となった。それゆえに市場が一般開放され日曜朝市でにぎわう光景は、生まれ変わった象徴的シーンでもある。

目次

生徒躍動、ダンスに笑顔…「とにかく地域を元気にしたい」

演奏はとにかく全員がノリノリで、躍動感たっぷり【写真上】。クラリネット担当の佐藤優羽さん(左)、斉藤汐音さん(中)とトランペット担当の甲斐妃陽さん(右)は「ここ(三国港市場)での演奏が大好き」と声をそろえる。【写真下】

 さらに三国港朝市の“新たな名物”と、ここ最近、脚光を浴びているのが、地元の三国高校の吹奏楽部による「朝市ライブ」。月1回のペースだが、楽器演奏だけでなく、歌あり、ダンスあり、の躍動感あふれるライブが、魚市場という特殊な建物にも不思議にマッチし、買い物客の心をがっちりつかんでいる。夜明けから大粒の雨が降り続けた6月15日、朝9時からの出演に、パイプ椅子を並べただけの簡易な会場には、100人近い聴衆が集まった。

 『三高(さんこう)バンド』の通称でも知られる吹奏楽部のこの日の編成は、ベース、ドラム、キーボードをはじめ、クラリネット、フルート、サクスフォンなどの木管楽器、さらにトランペット、トロンボーン、ホルン、チューバなどの金管楽器の総勢26人。「皆さん、三国高校吹奏楽部の朝市ライブにようこそ」。司会役の1年、川井優愛さん(15)の挨拶が市場内に響く。早速、曲名紹介かと思いきや…「今日は三国港朝市には〇×商店、〇〇屋さんなど8店舗が出店していますので、どうぞ、ライブが終わった後もお買い物をどうぞお楽しみください」と朝市の案内から切り出した。

 同吹奏楽部は全国大会でも数々の上位入賞を果たす腕前だが、魚市場での演奏は決して練習気分でやっているようではない。生徒たちの口からは「まず地元三国を元気にしたいんです」と誰もが言う。「もちろん、市場で人前で発表するのは、自分たちの演奏の実力を試す意味もあるけれど、ここの会場は目の前で見てくれるから、地域の人が喜んでんくれることが嬉しい。私たちは地域の人ともっと関わりたいです」とクラリネット担当の齊藤汐音さん(16)は笑顔を見せる。

 演奏曲は、アニメソングから、有名ジャズ、ディスニーソングの「ジャンボリー・ミッキー」が定番、集まってくれるお年寄り向けにと、昭和歌謡として「津軽海峡冬景色」をバンド演奏に合わせ、女子メンバーが独唱する場面も。市場の天井は4メートル近くもあり、その広い空間がバンド演奏の音を一層響かせ、「音響は最高!」(武井晋顧問)という。最近は、この市場での朝市ライブに憧れて、市内の中学校から三国高校を目指して来る吹奏楽好きの生徒もいるほど。

 「三高バンドのファンのように、固定客が付くのはありがたい」と市場側も朝市ライブがある日は、目に見えて来場者が多いだけに、にぎわいに弾みがつくと歓迎ムード。同市場によると、朝市の来場者数は、リニューアルオープンした2002年度こそ23,800人を記録したが、その後は2年連続で18,000人台に落ち、人気に陰りが見え始めたが、4年目の今年は6月末時点で、前年度より回数が少ないにも関わらず、8,000人と前年同時期の来場者数(7,600人)を上回っており、3年ぶりの2万人台を期待している。

 年内の三国高校吹奏楽部の朝市ライブ予定日は7月13日、9月7日、10月19日、11月9日。なお三国港市場への問い合わせは、同市場=☎0776-50-3921(担当・松村)、または公式ホームページ。


三国高校吹奏楽部

 「音楽でまちづくりを」をキャッチフレーズに、吹奏楽を通じて旧三国町や坂井市エリアで、地域と関わり、イベントなどにも積極的に出演している。コロナ禍の関係で2022年春から、少人数でも演奏できるジャスに挑戦。

全国の高校から一般の楽団が競う「シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会」に3年連続で出場し、金賞に輝いている。部員は1年~3年の34名。顧問は武井晋教諭。9月に坂井市みくに未来ホールでの定期演奏会を、12日(午後7時開演)と13日(同4時開演)に控えている。

出典:PR TIMES

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企業プレスリリース詳細へ (2025年7月3日 17時24分)

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