特定非営利活動法人ニランジャナセワサンガ
―ストイックなサードプレイスとして、プロボノスタッフが挑む「教育×自立支援」―
特定非営利活動法人ニランジャナセワサンガ(所在地:大阪市中央区、代表理事:山本純平)は、2025年6月、インド・ビハール州ブッダガヤ地区スジャータ村において、IT教育の格差是正と地域の住民を対象とした、ITスキル習得のためのPC教室を新たに開設いたします。
本事業は、「2024年度 関西地域NGO助成プログラム(プロジェクト実施型)」の支援を受けて実施されるもので、20年にわたり初等教育支援を継続してきた当団体にとって、次なるステージとなる“未来をひらく教育”への挑戦です。

プロジェクトの意義:支援から「自立」への転換
本プロジェクトは、これまでの「資金提供型支援」から、「現地主導による持続可能な教育事業」への転換を象徴する取り組みです。
当団体はこれまで、日本国内からの寄付を原資としてブッダガヤ地域の子どもたちに無償の初等教育を届けてきました。しかし、現在では“学ぶ機会”の先にある“働く機会”こそが重要なテーマとなりつつあります。
今回のPC教室設立では、現地のカウンターパートナーとともに、将来的に現地団体自身が運営資金を自立的に循環・確保できる収益化モデルを構築していきます。支援のあり方も、「支える」から「ともに運営する」へと大きく進化させていく方針です。
この取り組みを支えているのは、全メンバーがプロボノで構成された運営体制です。異なる分野で経験を積んだ社会人が“ストイックなサードプレイス”としてこのプロジェクトに集い、立場を越えて協力しながら、現地との丁寧な対話を重ねてここまで実現にこぎつけました。
PC教室の概要
これまで延べ2,000人以上の子どもたちに無償で通える初等教育を提供してきた当団体ですが、富裕層が通う私立校と地方の教育環境との格差は依然として大きく、特にITスキルを要する職業へのアクセスには大きな障壁が存在します。
今回新設されるPC教室では、午前中は当団体が支援している現地の子どもたちや、地域の公立学校の学生たちに開かれたPC教室として無償で提供し、午後からは卒業生を中心に地域の方々を対象にOffice操作やタイピングといった基礎スキルに加え、JavaやPythonなどのプログラミング言語の習得も目指し、有料のIT教室として運営を行います。現地パートナーである「Niranjana Public Welfare Trust」と協働し、地域の雇用ニーズに即した実践的な学びを提供しながら、持続可能な教育と運営モデルの構築を図ってまいります。


今後の発展イメージ
■短期(2025年)
PC10台の導入とスジャータ村での教室開設
地域住民・卒業生向けに基礎コース・専門コースの開講
教室運営の定着、オンライン支援によるフォローアップと改善
■中期(2026〜2027年)
習熟度に応じたカリキュラムの拡充
就業支援プログラムの導入
他地域への展開を見据えたノウハウの蓄積と共有
■長期(2028年以降)
地域に根ざした職業訓練機関としての定着
英語や簿記など、IT以外の実践的スキル教育も段階的に導入
日本語教育を提供することにより、日系企業への就労を支援
他国の農村地域へのモデル移転、南アジア地域への展開も視野に
【プロジェクトメンバーからのコメント】
プロジェクトリーダー:松村
2024年に当プロジェクトをスタートし、それ以降、現地の自立に向けた運営や管理面のサポートをしています。本業ではエンタメ企業の経営企画をしており、前職ではコンサルティング企業でソーシャルビジネスを担当していました。その際に、自分の人生において、社会課題の解決に対してアプローチすることの意義を感じ、当団体に参画しました。
近年、職業の在り方は大きく変化をしており、AI関連の職業やYoutuber.Vtuberなど、10年前にはなかった職業が生まれています。こういった新たな職業に就くにしても、まずは職業があることを知り、必要なスキルを学ぶ環境がないと、何も始まりません。
教育はその人の人生を決定づける要素であり、受動的に学ぶだけでなく、活きたスキルを身につける学校にしていきたいと考えています。将来的に他地域にも展開し、より多くの若者の未来を切り開く職業訓練校を作っていきたいと思っています。
プロジェクトメンバー:佐藤
2025年1月から本取り組みに参加させていただいております。本業では元エンジニア、現在はプロダクトマネージャーとして働いており、IT教室の活動にも自分の経験を少しでも活かせればと考えています。エンジニアリングスキルは、世界中で年々有効求人倍率が高まっており、多くの企業が求める重要なスキルです。一方で、未経験から習得するには難易度が高く、体系的に学ぶ環境が非常に重要だと感じています。
私自身、キャリアの中でエンジニアリングスキルが大きな支えとなってきました。同じように、インドの子どもたちにも、体系的な学びを通じてスキルを習得し、将来のキャリアの選択肢を広げてほしいと願っています。
【寄付・ご支援のお願い】
本プロジェクトは、助成金だけでなく、皆様からのご寄付や応援によって支えられています。
子どもたちと地域の若者が、教育を通じて「未来を選ぶ力」を手に入れるために、
ぜひご支援をお願いいたします。
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