クラスター株式会社
(※)目標1「Project Cybernetic being」――人生経験をメタバースで共有、相互理解を目指すきっかけに――



クラスター株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役CEO:加藤 直人、以下「クラスター」)の研究機関であるクラスターメタバース研究所は、東京大学大学院情報理工学系研究科 葛岡・鳴海・谷川研究室と共同で実施している「人生経験交換メタバース」プロジェクトについて、その取り組みに関する記事とワールド(メタバース空間)を公開しました。
本プロジェクトは、内閣府/JSTムーンショット型研究開発事業・目標1「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(Project Cybernetic being)の一環として実施されています。
■取り組みの概要
クラスター株式会社は東京大学と共同で、人生のターニングポイントをメタバース空間として「再現」し、他者と共有する革新的な「人生経験交換メタバース」プロジェクトを実施しました。本研究では、VR技術とメタバースプラットフォームを活用し、個人の人生のターニングポイントに関する記憶を3次元のバーチャル空間として「再現」することで、他者への経験の共有と本人の経験の再解釈を促進する手法を開発しました。
従来の研究が物理的な正確さを追求していたのに対し、本取り組みは「記憶の主観的な歪み」をあえて活かすというアプローチを採用し、より深い共感と理解を生み出すことに成功しました。また、本取り組みは、2025年大阪・関西万博「フューチャーライフエクスペリエンス(FLE)」にて展示予定であり、来場者がQRコードを通じて実際にメタバース空間にアクセス、体験できる展示方法を採用することで、多くの方々に体験いただける機会を設けております。
関連プレスリリース:「大阪・関西万博「フューチャーライフエクスペリエンス(FLE)」にて展示される『人生経験交換メタバース』(Cybernetic being life 2050内)にクラスターメタバース研究所が協力」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000358.000017626.html
■研究者のコメント
・東京大学大学院情報理工学系研究科 鳴海 拓志 准教授
人生経験をメタバースで共有することが、誰にとっても過去をポジティブに再解釈し、新しい自分に気付くきっかけになることが実証できた取り組みでした。生成AIとの対話でメタバース空間を作る時代も近づいており、誰もが自分の人生をメタバース空間にできる未来がもうすぐ来るのではないかと期待しています。
・クラスターメタバース研究所 平木 剛史 氏
メタバースは単なるエンターテインメント向け環境ではなく、人々の人生経験を共有し、相互理解を深めるための研究・実証環境となる可能性があることがわかった取り組みでした。今後も生成AIとの協調を含めたメタバースの可能性をプラットフォーマーの立場から探求していきたいと考えています。
慶應義塾大学メディアデザイン研究科 南澤 孝太 教授(Project Cybernetic being プロジェクトマネージャー)
デジタルコミュニケーションの発展にともない、物理世界だけでなくメタバース空間においても、多様な人々の多彩な生活が営まれる時代が訪れています。これまで伝えることができなかった個人の経験や想いを、体験を通じて人に伝えることができる「人生経験交換メタバース」が、本や映像を超えて、人の経験を流通させ、人と人とを深く繋げる新たなメディアとなることを期待しています。
■今後の展開
本取り組みは、医療・福祉分野での応用、企業研修での活用など、多方面への展開が期待されています。将来的には、誰もが気軽に自分の人生をメタバース空間として表現し、大切な人と語り合える環境の実現を目指します。
本プロジェクトの詳細は、本日公開の記事『人生をメタバース化する良いことが起こる?東京大学×クラスターメタバース研究所が描く新しい人生の歩み方』にてご覧いただけます。
リンクURL:https://metaversebiznews.cluster.mu/blog/business/metaverse/blog70
ワールドも実際に体験できます(本日公開)
以下のURLからアクセスできるロビーから、各ワールドに遊びに行くことができます。
リンクURL:https://cluster.mu/w/735d5188-06ba-4bc9-9dd9-d09044aaf16e
・クラスターメタバース研究所について
クラスターメタバース研究所は、「人類の創造力を加速する」というクラスター全体の目標を先導します。科学的な知見やプラットフォームに蓄積されるデータをもとに、CV/CG/HCI/VR/BMIおよび、全体をまたぐML領域の研究に取り組み、プラットフォームであるクラスターに短期的・長期的を問わず還元していく成果と、人類全体を前に進めるアカデミックな成果も生み出し、融合していくことを目指しています。
・クラスター株式会社について
誰もがバーチャル上で音楽ライブ、カンファレンスなどのイベントに参加したり、友達と常設ワールド(バーチャル空間)やゲームで遊ぶことのできるメタバースプラットフォームを展開しています。スマホやPC、VRといった好きなデバイスから10万人が同時に接続することができ、これにより大規模イベントの開催や人気IPコンテンツの常設化を可能にしています。
https://corp.cluster.mu/
・東京大学 大学院情報理工学系研究科 葛岡・鳴海・谷川研究室について
葛岡・鳴海・谷川研究室では、バーチャルリアリティ技術を端緒として、人間と計算機を分かちがたく一体化し、全体として高度な情報処理システムを構築するための技術:サイバネティック・インタフェース技術について、バーチャルリアリティ技術や遠隔協調作業支援技術を端緒として、基礎研究から応用研究まで、さまざまな角度から研究を行っています。
https://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/ja
・Project Cybernetic beingについて
ムーンショット型研究開発事業・目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」における研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(プロジェクトマネージャー:南澤孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・教授))では、人々の身体的経験や技能をネットワーク上で流通・共有し、障害当事者や高齢者や子どもたちを含む多様な人々が自在に行動し社会参加できる未来社会を目指して、身体能力の限界を突破するサイバネティック・アバター(Cybernetic Avatar; CA)技術の研究開発と社会実装に取り組んでいます。
本研究開発プロジェクトにおいて、東京大学 葛岡・鳴海・谷川研究室は「社会性拡張のためのCAの身体性制御技術の開発」を、クラスター株式会社は「身体性と社会性を拡張するOpenCAメタバースプラットフォームの構築」を担当し、研究開発と社会実装に取り組んでいます。
※関連サイト
Project Cybernetic being: 身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発
ムーンショット目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」
https://www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/index.html