辰巳出版株式会社
病気、事故、認知症、孤独死……誰にでも起こりうる「もしも」に備える。特別インタビューは、たくさんの犬や猫たちと暮らす坂上忍さん(動物保護ハウス「さかがみ家」創立者)を取材。
大切な家族である愛犬が路頭に迷わないように、今できること。
近年、飼い主の突然死や、持病の悪化、入院・入所などにより、愛するペットが過酷な状況に置かれてしまう事例が後を絶ちません。飼い主の「もしも」に備える書籍『私が死んだあとも愛する犬を守る本』(富田園子 著/はしもとみお 絵/行政書士 磨田薫 監修/日東書院 刊)が7月26日に発売されます。
犬のために遺産を使う方法や、犬の命を救う「遺言書」の作り方、犬もお金も託す「ペット信託」など、愛犬を絶対に守る「しくみ」作りを考えます。

日本は2007年に超高齢社会を迎え、2023年には65歳以上の割合が人口の29%となりました。加えて、一人暮らしの高齢者も増えています。同時に「飼い主亡き後のペットの殺処分」や「高齢者とペットの老々介護」といったペット問題が社会問題になっています。
もしも飼い主が急逝してしまったら——飼い主が要介護状態となり犬の世話をできなくなってしまったら——。「飼い主が孤独死後、誰にも気づかれず犬も餓死」「飼い主さんの事故や入院により、家に取り残された犬」「飼い主の死後、親族によって保健所に持ち込まれる犬」……痛ましい事件が発生しています。
高齢者だけでなく、一人暮らし、持病がある人、若く健康な人も、大切なことは元気なうちに愛犬を路頭に迷わせない『しくみ作り』をしておくことです。そうすればこの先、年を取って体が思うように動かなくなっても、健康に不安ができても、愛犬を守ることができます。
本書では、自分に何かあった時に犬を託す相手の探し方や、犬のために遺産を使う方法、遺言書の書き方、さらに強力なセーフティネットである「ペット信託」の提案、エンディングノートの作り方、飼い犬の世話の方法を伝えるための「うちの犬ノート」の書き方、自分が倒れたときの緊急連絡先の伝え方、安心安全な老犬ホームの見つけ方など、犬を絶対に守る「しくみ」作りを徹底解説しています。

「遺言書」「ペット信託の契約書」の書き方が分かる
本書では、飼い主の意思を法的に確かな形で残す「遺言書」や、「ペット信託」を使って、ペットの世話もお金も信頼できる人に任せる具体的な方法が解説されています。法的効力を持つ遺言書や契約書は、犬を守るためのセーフティネットとしてこれほど頼もしいものは他にありません。ペットを守る最後の砦となります。
日本の法律上細かいルールが設けられている遺言書や契約書。「不備があって無効になってしまった!」とならないよう、内容や書き方、注意点などを、行政書士監修のもと文例を紹介しながら詳しく解説しています。

特別インタビュー・坂上忍さんが描く「ペットの終生飼養の未来図」
2022年、千葉県袖ケ浦市の広大な敷地に犬猫保護ハウス「さかがみ家」を設立し、ほかの愛護団体でもなかなか保護できない野犬を人に慣らして譲渡につなげたり、高齢犬も積極的に受け入れるなど、積極的に保護犬保護猫活動をしている俳優の坂上忍さん。2025年春には、新たに老犬・老猫ホーム「terra-pa(テラパ)」もオープンさせました。動物たちのために日々活動する坂上さんに、活動への想いや、日本にまだまだ少ない「老犬・老猫ホーム」を作った理由、坂上さんの思い描く「ペットの終生飼養の未来図」について教えてもらいました。
犬のQOLを上げる 書き込み式「うちの犬ノート」を収録
犬を託せる人や施設を見つけても、その人が犬のお世話に困らないようにしなければいけません。そのためには、好きなフードやお気に入りのおもちゃ、変な癖など、愛犬のデータをまとめておく必要があります。
そこで役立つのが「うちの犬ノート」です。白紙のノートから手作りしたり、市販品もありますが、本書は書き込み式「うちの犬ノート」を収録。直接本に書き込んでも、コピーをとっても、ノートに書き写しても◎。
特に「犬が重篤な病気になったとき、積極的な治療を希望するか」「回復の見込みがないときに延命治療を望むか、緩和ケアがよいか」など、犬の命に関わる重要事項について飼い主の考えを記しておくことは、犬を託された人が迷ったときの判断の助けになります。

【目次】
第一章 自分の身に何かあったとき、愛犬を託せる人はいますか?
現実にある、悲しい事件/一人暮らしの家庭では犬が孤独死の道連れになっている/万一のとき、愛犬を託せる人を決めておこう/愛犬にいくら残せばいい?/頼れる人がいない場合は老犬ホームや愛護団体を探す/犬といっしょに入れる高齢者施設もある/貯えがない場合は保険を活用しよう/犬の社会化やしつけは欠かせない/犬の健康管理も欠かせない
第二章 必ずしておきたい手続きと書類作り
「うちの犬ノート」に愛犬のデータをまとめよう/自分の「エンディングノート」を作ろう/犬のための〈遺言書〉を作ろう/〈遺言書〉を書かないとどうなる?/「負担付遺贈」をするための〈遺言書〉/より強力なセーフティネット〈ペット信託〉/〈ペット信託〉の契約書の作り方/〈信託契約書〉といっしょに〈遺言書〉も作ろう/〈信託契約書〉を作ったけれど、自分で愛犬を看取った場合はどうなる?
第三章 命のバトンタッチを成功させる
自分が倒れたらすぐに気づいてもらうシステムを作ろう/自宅で人知れず倒れたとき気づいてもらうためには/自治体の見守り制度を調べてみよう/地域担当の民生委員さんとつながっておこう/緊急連絡カードをつねに携帯し部屋に貼っておく/スマホアプリを活用しよう/玄関の鍵を開けてもらう方法を考えておく/愛犬を託す人には犬に会いに来てもらう/犬を託す人がすぐに駆けつけられない場合/新居へ移動するときの犬の捕まえ方を考えておく/弁護士や行政書士と「見守り契約」を結ぶ方法もある
column
▪ さかがみ家創立者 坂上忍さんに聞く「ペットの終生飼養の未来図」
▪ 愛護団体が語る、犠牲になった犬たちの話
▪ 愛犬と安心して暮らすためにペット信託を決めた篠崎さん
書き込み式「うちの犬ノート」
【書籍情報】
『私が死んだあとも愛する犬を守る本』
著・富田園子 絵・はしもとみお 監修・行政書士 磨田薫
定価:1,650円(本体1,500円+税)
サイズ:A5判/128ページ
発売日:2025年7月26日
発行:株式会社日東書院本社
▼ご購入はこちらから
Amazon:https://amzn.asia/d/6AEyUO2
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18247129/
【著者プロフィール】
著者 富田園子(とみた そのこ)
日本動物科学研究所会員。著書に『私が死んだあとも愛する猫を守る本』や『犬と一緒に生き残る防災BOOK』をはじめとした大人気「ペット防災」シリーズ(日東書院)、『猫を飼う前に読む本』(誠文堂新光社)、執筆に『いぬほん』(西東社)、『野良猫の拾い方』(大泉書店)ほか多数。飼い猫7匹。
イラスト はしもとみお
三重県の古い倉庫にアトリエを構える木彫り彫刻家、絵本作家。全国各地の美術館で個展を開催。著書に『おもいででいっぱいになったら』(KISSA BOOKS)、『はしもとみお 猫を彫る』(辰巳出版)など。
監修 磨田薫(とぎた かおる)
ペットのための生前対策専門行政書士として「行政書士かおる法務事務所」を開業。里親募集型保護猫×古民家カフェCafe Gatto総支配人。一般社団法人ファミリーアニマル支援協会(FASA)代表理事。ペット信託や生前対策の普及を行っている。動物看護師、愛玩動物飼養管理士、トリマーの経験ももつ。