株式会社インプレスホールディングス
インプレスグループで理工学分野の専門書出版事業を手掛ける株式会社近代科学社は、2025年6月27日に、近代科学社Digitalレーベル(※)より、『複雑化する宇宙と生物圏そして人間社会 創発とコンプレキシティが解き明かす世界』(著者:岡本 龍明)を発行いたしました。
(※近代科学社Digitalとは : 近代科学社が著者とプロジェクト方式で協業する、デジタルを駆使したオンデマンド型の出版レーベルです。詳細はこちらもご覧ください https://www.kindaikagaku.co.jp/kdd/scheme/)

●書誌情報
【書名】複雑化する宇宙と生物圏そして人間社会
創発とコンプレキシティが解き明かす世界
【著者】岡本 龍明
【仕様】A5判・並製・印刷版モノクロ/電子版一部カラー・本文170頁
【印刷版基準価格】2,100円(税抜)
【電子版基準価格】2,100円(税抜)
【ISBN】(カバー付き単行本)978-4-7649- 0753-9 C3040
【ISBN】(POD)978-4-7649- 6113-5 C3040
【商品URL】https://www.kindaikagaku.co.jp/book_list/detail/9784764961135/
●内容紹介
宇宙では、誕生直後の素粒子すら無かった状態から、多くの原子や多様な分子、恒星、惑星、銀河や銀河団が生まれました。そして、地球上では驚くほど複雑な生物圏が誕生し、さらに人間は、社会規範や文化といった独自の特徴を有しています。これら変化の共通点は、単純なものから複雑なものへ変化している、つまり、時間とともに複雑化していることです。
本書は「創発」と「コンプレキシティ」という概念を用いた「コンプレキシティ増大の法則」を提示し、この法則を用いて、私たちが生きる世界が現在のような姿となった理由を見出そうと試みるものです。
まず「創発」や「コンプレキシティ」の概念を紹介するために物理学の歴史を遡り、さらに、「コンプレキシティ」の定義の基盤となるコルモゴロフ複雑性ならびにその背景となる歴史を紹介します。その後、「コンプレキシティ増大の法則」から、宇宙、生物圏、人間社会における多くの素朴な疑問への答えが導かれることを示します。
一見無関係に思える様々な現象を統一的な視点で眺めることにより、いくつもの根源的な問題に対する答えが浮かび上がる面白さを感じてもらえれば幸いです。
●著者紹介
岡本 龍明(おかもと たつあき)
1976年 東京大学工学部計数工学科卒業
1978年 同大学院修士課程修了
同年 日本電信電話公社(現 NTT)入社,以後 NTT 研究所に勤務.その間,以下に従事
1989-1990年 カナダ Waterloo大学 客員助教授
1994-1995年 米国 AT&T Bell 研究所 客員研究員
1999-2004, 2022-2023年 東京大学大学院数理科学研究科 客員教授
2001-2018年 京都大学大学院情報学研究科 客員教授
2019-2022年 米国 NTT Research Inc., 研究所長
現在 NTT フェロー,NTT 社会情報研究所 リサーチプロフェッサー,工学博士
紫綬褒章,RSA会議賞,朝日賞など受賞
著書に『暗号・ゼロ知識証明・数論』(共編著,共立出版,1995),『公開鍵暗号の数理』(共著,共立出版,2011),『量子計算』(共著,近代科学社,2015),『現代暗号の誕生と発展』(近代科学社,2019)など
●目次
まえがき
第1章 プロローグ
第2章 オッカムのかみそり
2.1 中世の暗闇から
2.2 物理学とオッカムのかみそり
第3章 ボルツマンの論争と創発
3.1 還元主義
3.2 エントロピー増大の法則
3.3 原子の実在についての論争
3.4 時間の矢についての論争
3.5 創発
第4章 コルモゴロフ複雑度
4.1 コルモゴロフ複雑度の誕生
4.2 チューリングの計算理論
4.3 若き天才たちのその後
4.4 シャノンの情報理論
4.5 コルモゴロフ複雑度
第5章 コンプレキシティ
5.1 ウィーバーの問題
5.2 組織化された複雑さ
第6章 生物圏の変遷
6.1 進化系統樹
6.2 生命の誕生
6.3 多様化する原核生物
6.4 原核生物の生物圏のコンプレキシティ
6.5 ダーウィン・フィンチとダーウィンのラン
6.6 動的平衡系
6.7 真核生物の誕生
6.8 生物圏の階層
6.9 多細胞生物の誕生
6.10 進化する多細胞生物
6.11 生物圏の変遷のまとめ
6.12 現在の生物圏の姿
第7章 コンプレキシティの時間の矢
7.1 宇宙・生物圏・人間社会の変遷
7.2 コンプレキシティ増大の法則
第8章 生物圏における創発
8.1 生物圏で創発した集団的現象
8.2 生物の謎に迫る
第9章 人間社会における創発
9.1 社会規範と文化
9.2 人間社会で創発した集団的現象
9.3 人間社会の謎に迫る
9.4 利己的コンプレキシティ
9.5 意識
9.6 人間がもつ特殊性の謎に迫る
第10章 絶妙に調整された宇宙
10.1 ファインチューニング
10.2 宇宙の謎に迫る――人間原理を超えて
10.3 なぜ生まれてきたのか
第11章 エピローグ
参考文献
索引
著者紹介
【近代科学社Digital】 https://www.kindaikagaku.co.jp/kdd/index.htm
近代科学社Digitalは、株式会社近代科学社が推進する21世紀型の理工系出版レーベルです。デジタルパワーを積極活用することで、オンデマンド型のスピーディで持続可能な出版モデルを提案します。
【株式会社 近代科学社】 https://www.kindaikagaku.co.jp/
株式会社近代科学社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大塚浩昭)は、1959年創立。
数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開しています。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っています。また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求しています。
【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証スタンダード市場9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「航空・鉄道」「モバイルサービス」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。
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