株式会社FRONTEO
FRONTEO「Drug Discovery AI Factory」による解析結果を米国オクラホマ大学で検証、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品開発を目指す
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO」)は、米国におけるAI創薬事業の展開に向けた第一歩*1として、米国オクラホマ大学と共同で、両者の保有する独自技術および研究機能を活用した新たな創薬標的の探索*2やドラッグリポジショニング*3を目的とする研究を開始したことを発表いたします。

本共同研究は、全米屈指の医学研究機関であるオクラホマ大学医学部の血液腫瘍学教授 武部 直子 氏の研究室とともに行います。自然言語処理技術(日米欧特許取得)に強みを持つFRONTEO自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」を活用したAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下、DDAIF)*4」と、オクラホマ大学の高い臨床研究能力、ウェットラボ機能、ならびに世界的に評価されている医学的知見を融合させることで、アンメット・メディカル・ニーズ*5の高い疾患領域において、有望な創薬標的を効率的に同定することを目指します。

オクラホマ大学医学部は、がん研究と臨床試験において米国国立がん研究所(NCI)のネットワークの中核を担う存在であり、同大学のOUヘルス・スティーブンソンがんセンターはNCI指定のがんセンターとして最先端の医薬品開発に貢献しています。武部教授は、American Board Of Internal Medicineによる血液学および腫瘍内科の認定専門医であり、すい臓がんを含むあらゆるがん領域の臨床試験における第一人者の一人です。現在は、OUヘルス・スティーブンソンがんセンターにおいて、臨床研究副部長(Associate Director of Clinical Research)、固形腫瘍内科セクションチーフ、ならびに医師主導臨床試験プログラムの議長も務めており、本研究における臨床的検証を主導します。
本共同研究では、FRONTEOはDDAIFを活用し、創薬標的候補となる分子の抽出や疾患メカニズムに関する仮説の生成を担当します。オクラホマ大学は武部教授の専門的知見と豊富な臨床経験に基づきFRONTEOに助言を提供するとともに、in vitro*6やin vivo*7での生物学的有効性の検証を行います。
■オクラホマ大学医学部 血液腫瘍学内科教授 武部 直子 氏

弘前大学医学部卒業。横須賀米海軍病院インターン、慶応義塾大学内科初期研修を経て渡米。米国内科専門医、血液学専門医、腫瘍学専門医。メリーランド大学医学部内科助教授、骨髄移植科を経て、2007年より米国国立がん研究所(NCI)にてがん治療評価プログラムSenior Investigatorを歴任。2018年より NCI開発治療外来副部長、早期臨床治験プログラム・トランスレーショナルサイエンスセクション長。2024年よりオクラホマ大学医学部内科血液腫瘍学教授、固形腫瘍内科セクションチーフ、同大学がんセンター臨床研究副部長。米国臨床腫瘍学会、米国癌研究会、癌免疫療法学会、米国遺伝子細胞治療学会、米国血液学会、米国内科医会会員。
■創薬における課題と本共同研究の意義
創薬の現場では、対象とする疾患の多様化・複雑化により、従来の研究手法では探索が難しい新規性の高い標的分子やメカニズムの発見が求められるようになっています。また、細胞や動物を用いたウェット研究(生物学的検証)と、臨床(ヒト)における有効性や安全性の間には種差による違いがあり、成功確率の向上を阻害する要因となっていました。本共同研究では、AI 創薬支援サービス DDAIF による仮説生成機能と、オクラホマ大学が有する医学・薬学の高度な知見および実験技術を融合し、ドライ研究(データ解析)から非臨床試験(細胞・動物)、そして臨床試験(ヒト)への外挿性*8まで、より緻密に計画可能な研究スキームを構築することで、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的な医薬品の創出を目指します。
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」と独自の自然言語処理技術を活用したAI創薬支援ソリューションの高度化と社会実装を通じて、革新的医薬品ならびに治療法の研究開発、医学・薬学研究の進展、医薬品産業の発展、医療の質ならびに患者のQOL(生活の質)向上に貢献してまいります。
*1 2025年6月25日付プレスリリース:FRONTEO、米国進出を本格化ライフサイエンスとテクノロジーに強みを持つ米Q Partnersと戦略的パートナー契約を締結, https://www.fronteo.com/pr/20250625
*2 医薬品研究開発において、薬を作用させる対象とする分子/遺伝子などを特定するプロセス
*3 既存薬の他疾患への転用
*4 AIと創薬に精通したFRONTEOの創薬エキスパートが、KIBITの自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、標的分子・適応症探索やその裏付けとなる仮説を提供するAI創薬支援サービス
*5 有効な治療方法が見つかっていない疾患における、新しい治療薬や治療法などへのニーズ
*6 「試験管内で」を意味し、非臨床試験(前臨床試験)のうち試験管や培養器などの中に人工的に作った環境下で、薬物の作用や細胞・組織の変化を確認する試験
*7 「生体内で」を意味し、非臨床試験(前臨床試験)のうち、マウスなどの実験動物を用い、生体に薬物を投与して効果や影響を確認する試験
*8 既知のデータ等について、その範囲外への適用を推定すること。創薬においては、動物実験の結果をヒトに適用することなどを指す
■FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)について
URL:https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/

「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化したAI「KIBIT(キビット)」(日米特許取得済)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。
本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入されており、実績を積み重ねています。
※Drug Discovery AI Factoryに使われている技術は、FRONTEOが日本および韓国、米国、欧州で計21件の特許権を取得しています。
【参考:製薬企業との共創プロジェクト】
・FRONTEOとマルホ、Drug Discovery AI Factoryを活用した 皮膚科領域における創薬標的探索に関する共創プロジェクトを開始,https://www.fronteo.com/pr/20250710
・富士製薬工業とFRONTEO、 女性医療領域における創薬シーズ評価に関する共創プロジェクトを開始,https://www.fronteo.com/pr/20250709
・メタジェンセラピューティクスとFRONTEO、世界的に注目されるマイクロバイオーム創薬の共同研究を開始, https://www.fronteo.com/pr/20250630
・FRONTEOと中外製薬、Drug Discovery AI Factoryを活用した標的探索に関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20250515
・EAファーマとFRONTEO、AIを活用した創薬の標的探索に関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20250512
・FRONTEOとエーザイ、Drug Discovery AI Factoryを活用した標的探索に関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20250128
・FRONTEOと丸石製薬、Drug Discovery AI Factoryを活用したバイオマーカー探索に関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20250109
・FRONTEOとUBE、Drug Discovery AI Factoryを活用したドラッグリポジショニングに関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20241114
【参考:アカデミアとの共同研究プロジェクト】
・FRONTEOと東京科学大学、「Drug Discovery AI Factory」を活用した新たな創薬標的の探索に関する共同研究を開始, https://www.fronteo.com/pr/20250513
・FRONTEOと熊本大学、Drug Discovery AI Factoryを活用した新たながん治療法探索に関する共同研究を開始, https://www.fronteo.com/pr/20250508
■株式会社FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米欧特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。

KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(コンプライアンス支援分野、経済安全保障分野、リーガルテックAI分野)、DX(プロフェッショナル支援分野)の各事業で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金資本金899,176千円(2025年3月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および韓国、米国、欧州における商標または登録商標です。