NSSスマートコンサルティング株式会社
約8割が車の部品・製造について品質認証があると安心できると回答
NSSスマートコンサルティング株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役:安藤 栄祐)は、20~60代で車を購入し現在運転している、または車の購入を検討している方を対象に、「車のリコール問題と安全性」に関する調査を実施しました。
近年、自動車業界ではリコール報道が相次ぎ、数十万台規模の大規模リコールなども発生しています。
その背景には、車の電子化・自動化の発展や、部品供給網(サプライチェーン)の複雑化・グローバル化といった構造的な変化があります。
一台の車に使われる部品点数は数万点と言われ、完成車メーカー(OEM)だけでなく、その下で部品を製造・供給するTier1〜Tier3と呼ばれる企業まで含めて、全体で品質を保証する必要性が高まっていると言えるでしょう。
しかし、消費者は車に使われている部品を含めて「品質がしっかりしている車」とは何か、どこを見て安心すればよいのか、判断が難しいのが現状です。
では、車の品質について、消費者はどのように考えているのでしょうか。
そこで今回、各種ISOの新規取得・運用サポートサイト『ISOプロ』(https://activation-service.jp/iso/)を運営するNSSスマートコンサルティング株式会社は、20~60代で車を購入し現在運転している、または車の購入を検討している方を対象に、「車のリコール問題と安全性」に関する調査を実施しました。
調査概要:「車のリコール問題と安全性」に関する調査
【調査期間】2025年7月14日(月)~2025年7月15日(火)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,002人
【調査対象】調査回答時に20~60代で車を購入し現在運転している、または車の購入を検討していると回答したモニター
【調査元】NSSスマートコンサルティング株式会社(https://activation-service.jp/iso/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
「あの車も…?」リコール報道が広がる中で感じる不安。その後の購入意欲にも影響していた!

はじめに、「自分が購入する・または購入した車の品質や安全性は当然担保されていると思うか」と尋ねたところ、8割以上が『思う(87.1%)』と回答しました。
大多数が、車を購入する際に品質や安全性を「前提条件」として強く認識していることがうかがえます。
どの車を選んでも、「当然安全なもの」と捉えられているようです。
信頼を前提としている方が多いようですが、実際にリコールの報道を目にした際、どのようなことを考えるのでしょうか。
「車のリコールに関する報道を見たとき、どのように感じるか」と尋ねたところ、『自分の車も該当するのではと心配になる(41.2%)』という回答が最多になり、『自分の車と関係ないが、気になってしまう(24.3%)』『特に気にならない(20.1%)』となりました。
普段は信頼しているけれど、報道を見た際の反応では「自分の車が心配」と感じる方が約4割にのぼりました。
品質や安全性は担保されて当然と考えて購入したのに、実際に問題が起きるとその信頼が揺らいでしまうようです。
では、リコール報道は実際の購買行動にどう影響するのでしょうか。

「車のリコール報道を受けて、次に車を購入する際、その企業の車を購入したいと思うか」と尋ねたところ、『しばらく様子を見たい(29.5%)』が最多で、『特に気にならないので購入する(23.4%)』『少し不安だが、他の条件次第で購入を考える(15.4%)』となりました。
リコール報道後の購買意向は、「様子を見る」「基本的には避けたい」「絶対に購入したくない」を合わせて、約半数が慎重な回答となりました。
これは一時的なブランド毀損だけでなく、比較検討時におけるマイナス評価として残り続けるリスクも示しています。
一方で、一定数は「特に気にならない」と回答しており、製品の魅力や他の要因によってはリカバリーが可能な余地もあることがわかりました。
リコール問題をきっかけに考える「安心できる車」とは?消費者が求める見える品質管理と情報開示の重要性
次に、「安全性」に関する判断軸について詳しくうかがいました。

「車のリコール報道を受けて、車の安全性は何が重要だと思うか」と尋ねたところ、『品質管理と工程保証(不良部品の排除、検査体制など)(63.2%)』が最多で、『衝突安全性能(頑丈なボディ、エアバッグなど)(40.0%)』『運動性能・制御技術(ブレーキ性能、AWD制御など)(36.6%)』となりました。
最も重視されているのは「品質管理と工程保証」となり、不具合が発生する以前の製造・管理プロセスに対する信頼の重要性を意味しています。
走行時の安全性能や先進技術よりも、まずは「問題が起きないこと」を優先する考え方が見受けられます。
また、「衝突安全性能」や「運動性能」などが上位に入っている点から、万が一の場合の備えや、事故の未然防止への関心が高いことがわかります。
そのような背景から、車の安全性に関して、どのように情報を提供されると安心できるのでしょうか。
「車の安全性について、どのように伝えてくれると安心できるか」と尋ねたところ、『リコール時の過去対応が公開されている(53.9%)』が最多になり、『使われている部品ごとの品質管理・検査状況の説明がある(33.6%)』『第三者機関の認証や評価を取得していると表示されている(28.9%)』となりました。
自動車メーカーは、リコールを実施する際に、不具合の状況、原因、改善措置の内容、およびユーザーへの周知方法などを、あらかじめ国土交通省に届け出る必要があります。
これにより、リコール情報は広く公表され、ユーザーが確認できるようになります。
※(参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/common/images/report/recallsystem.pdf)
この結果からも、リコール時の過去の対応や、その説明の透明性が重視されていることがわかります。
単なる情報や量ではなく、「何が起きたのか」「どう対応したのか」といった誠実な説明姿勢が、消費者の安心感や信頼に直結すると言えるでしょう。
また、「専門家のレビュー」や「製造企業名の公開」などは優先度が低いことからも、形式的な情報よりも、意味のある内容や信頼できる情報に基づいた丁寧な説明が求められていることがうかがえます。
では、車には数万点以上の部品が使用されていますが、目に見えない部品であっても品質は信頼できる状態であってほしいと思う方はどの程度いるのでしょうか。

「車に使用されている部品は数万点以上あると言われているが、見えない部品の品質も信頼できる状態であってほしいと思うか」と尋ねたところ、約9割が『とても思う(56.5%)』『やや思う(33.3%)』と回答しました。
大多数が、見えない部品においても品質の信頼性を求めていることから、「見えない部分=重要性が低い」とは認識されていないことが明らかになりましたが、そう思う理由とは何なのでしょうか。
『とても思う』『やや思う』と回答した方に詳しく聞きました。
■見えない部品の品質も信頼できる状態であってほしいと思う理由とは?
・車は自分の命も人の命も簡単に奪ってしまうものなので、見えないところも安全でないと困る(20代/女性/愛知県)
・どの部分が影響するか素人にはわからないから(20代/女性/愛知県)
・無駄な部品などほぼないから(30代/男性/宮城県)
・何が安全性能に影響するかわからないから(60代/男性/北海道)
・不具合のほとんどが見えない部品の劣化で発生しているから(60代/男性/山形県)
見えない部品に対する信頼を求める声の背景には、「影響の範囲が把握しきれないこと」への不安があると考えられます。
実際、「素人にはわからない」や「安全性能との関係が不明」と感じており、可視化されない要素にこそ信頼の根拠を求める傾向が見られます。
また、不具合の原因の多くが内部部品に起因するとの認識を持つ方もおり、全体の品質は見えない部分によって左右されるとの意識が広がっていることがうかがえます。
では、部品の品質管理などに対してどのような情報があると安心できるのでしょうか。
先ほどの質問で『とても思う』『やや思う』と回答した方に、「部品の品質管理や製造体制について、どのような情報があると安心できるか」について尋ねたところ、『品質管理に関する認証(例:IATF16949)取得状況が明記されている(48.8%)』『不具合が発生した場合の対応フローがわかりやすく記載されている(43.9%)』『第三者機関による検査・監査が行われていることが明記されている(36.9%)』が上位になりました。
部品の品質の信頼確保には、「外部認証」と「対応体制の透明性」の両軸が求められていることが読み取れます。
単に問題が起きないようにするのではなく、「万一の際にどう対応するのか」までが品質の一部として捉えられていると言えるでしょう。
電子化・自動化で構造が複雑になる時代に、品質保証への期待
最後に、車の複雑化が進む中で、安全性への不安について聞きました。

「近年、車は電子化・自動化が進み構造も複雑化しているが、車の安全面や品質に不安を感じるか」と尋ねたところ、約6割が『とても不安を感じる(11.8%)』『やや不安を感じる(52.8%)』と回答しました。
電子化・自動化の進展は利便性と引き換えに、理解の難しさや不具合への懸念も生み出しています。
「複雑だから不安」という感覚は、情報の不足というより理解できないこと自体への不安を示しているとも言えますが、品質認証という客観的証明についてどのように受け止めているのでしょうか。
「車の製造や使用する部品において、品質認証があれば(例:IATF16949)より安心できると思うか」と尋ねたところ、約8割が『とても思う(22.9%)』『やや思う(60.4%)』と回答しました。
品質認証を肯定的に評価する方は約8割となり、客観的な基準や制度に裏付けられた安心感が消費者にとって有効な「信頼材料」となっていることがわかります。
認証制度は安心の入り口にはなりますが、完全な信頼には「中身の透明性」がセットで必要とされていると言えるでしょう。
まとめ:消費者が安心する車とは?品質管理や工程保証に寄せられる高い期待
今回の調査で、20~60代で車を購入し現在運転している、または車の購入を検討している方が「車の安全性と品質」に対して高い信頼と期待を寄せている一方で、その前提が一度揺らぐと、購買行動や製品選定に影響が及ぶことが明らかになりました。
約9割が、車の品質や安全性は「当然担保されている」と考えているようですが、リコール報道を見ると、「自分の車が心配」と感じる方が約4割おり、次に車を購入する際、その企業の車を購入するかには「しばらく様子を見たい」「少し不安だが条件次第で判断したい」といった慎重な姿勢をとる方が多く見られました。
また、安全性に対して重視されている項目として最も多く挙げられたのは「品質管理と工程保証」で、事故時の対処技術や衝突安全性能よりも、そもそも「不良を出さない設計・管理体制」への関心が強い傾向にあるようです。
このような意識は、「見えない部品の品質」や「部品供給元」にまで広がっており、約9割が「見えない部分に対しても信頼したい」と回答するなど、車の構成要素一つひとつに対して高い透明性が求められています。
情報開示の在り方については、過去のリコール対応の内容や、品質検査状況、第三者機関による評価といった「検証可能な証拠」が重視されており、単なる商品スペックの記載だけでは安心感が成立しにくい実態も明らかになりました。
こうした傾向は、「品質認証の有無」に対する反応にも表れており、約8割が「認証があれば安心できる」と評価する一方で、その効果は「絶対的な保証」というより「判断の補助材料」として受け止められているようです。
そして、車の電子化・自動化が進む中で構造の複雑化が進み、車の安全面や品質が「とても不安」または「やや不安」と答えた方が約6割に達していることからも、今後の自動車開発においては「使う側の理解と納得」まで視野に入れた製品設計や情報提供が求められます。
今後は、走行性能や価格だけでなく、「どう作られ、どう保証されているか」というプロセスに目を向ける時代を迎えていると言えるのではないでしょうか。
「ISO」の新規取得・運用サポートなら『ISOプロ』

今回、「車のリコール問題と安全性」に関する調査を実施したNSSスマートコンサルティング株式会社は、ISOの新規取得・運用サポートサイト『ISOプロ』(https://activation-service.jp/iso/)を運営しています。
「IATF16949」とは、自動車産業に関する品質マネジメントシステムの規格です。
その内容には、「ISO9001」における品質マネジメントシステムをベースとしつつ、さらに自動車産業に特化した要求事項が追加されています。
「IATF16949」が制定された背景には、自動車業界における部品の多さがあります。部品供給は自社の内部で調達するのではなく、部品メーカーなどのサプライヤーによってその大半が行われていました。
そのため、自社だけでなくサプライチェーン全体の自動車の品質管理を確実にすることを目的として、IATF16949が制定されたのです。
<「IATF16949」に関するコラムはこちら>
https://activation-service.jp/iso/column/7247
ISOプロは、ISO審査員資格保有者やISO構築コンサルタント経験者が多く所属するISOの専門家集団です。
当サイトで発信する情報を通じ、サイト利用者様がISOの構築や運用などISOに関わる業務を円滑に進め、事業の成長につながるよう信頼できる情報発信を提供します。
ISOプロについて:https://activation-service.jp/iso/philosophy
その他ISO各種規格のコラムはこちら:https://activation-service.jp/iso/column
『ISOプロが訊く』ISO取得企業へのインタビュー掲載中
『ISOプロが訊く』とは、ISOを取得した企業様にISOプロがインタビューをする企画です。
その企業が、ISOを取得した理由や取得する上での課題、ISOを取得して何が変わったのかをうかがっています。
ISO運用企業様の生の声をぜひご覧ください。
ISOプロが訊く:https://activation-service.jp/iso/interview
ISO・HACCPコンサルタント募集中
ISOプロでは、全国各地のISO・HACCPコンサルタントを募集しています。
『お客様の実情に合わせた各種ISOやHACCPの構築、運用』をポリシーとして、サポート業務を行っております。
私たちの想いに共感いただける方、少しでもご興味がある方はぜひお問い合わせください。
ISOプロについて:https://activation-service.jp/iso/philosophy
お問い合わせフォーム:https://activation-service.jp/iso/lp/form-collabo-entry/
【会社概要】
会社名:NSSスマートコンサルティング株式会社
所在地:東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー21階
代表者:安藤栄祐
URL:https://nss-smart-consulting.co.jp/
事業内容:ISOコンサルティング事業、労務コンサルティング事業、オフィスサポート事業