株式会社eWeLL
全国3,000事業所以上で利用されている訪問看護向け電子カルテ「iBow(アイボウ)」を展開する株式会社eWeLL(証券コード:5038 本社:大阪市中央区)は、訪問看護の最適な予定とルートをAIで自動作成する新サービス「AI訪問予定・ルート」を2025年7月24日にリリースします。
“増え続ける在宅療養者(利用者)× 多様化する要件 × 頻繁な予定変更”
――複雑さを極める現場に対し、AIを活用した本サービスは電子カルテ「iBow」と完全連動することで、ベテラン管理者が作成するような予定とルートを自動作成。
効率的でスタッフの負担が平準化された予定策定により、ケアの質向上と経営の安定化につながる“チーム運営”を実現します。

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■背景――複雑化する訪問看護運営
高齢化や医療・介護報酬改定を背景に、訪問看護の利用者数は2013年の約41万人から2023年には約122万人と、過去10年で約3倍に増加。(※1)
訪問看護ステーションでは、1ステーション当たりの月平均利用者数は86人(※2)、月間訪問予定の組み合わせ数は平均1.3兆通り以上という状況です。(※3)
ステーションの管理者にとって、様々な疾患・状態の利用者や、そのご家族の希望、訪問時間、移動距離、スタッフのスキルや経験、業務負担の偏りなど、多くの要素を加味した訪問予定を作成することは大きな負担となっています。
また、訪問看護の特性上、新たな利用者の受け入れや入院による急な予定変更、オンコール明けの勤務体制の確保といった法令対応など予定の変更は頻繁に発生しています。
そうした中で、特定のスタッフと利用者が1対1の関係でサービス提供する形のプライマリ・ケア中心の体制では、スタッフに業務が偏りやすくなります。
その結果、担当スタッフの不在時には24時間体制でのサービス提供が難しくなり、さらにスタッフ自身にも過度な身体的・精神的負担がかかる恐れがあります。就労環境の悪化は最悪のケースは離職につながり、新たな患者の受入れができなくなったり、オンコールに対応しきれなくなるなど、看護の質低下や経営状況の悪化を招くリスクが高まります。
eWeLLが2024年末に実施したアンケート調査(※4)では、日程調整で最も苦労している点は、「急な予定変更への対応」(38.3%)、「スタッフの公平性の確保」(18.8%)の回答が多く見られました。こうした調整の複雑さが増している背景もあり、管理者の4人に1人が「週3時間以上」をシフト調整に費やしていることがわかっています。
このように、人の手だけで行う訪問予定とルートの調整は既に限界を迎えており、効率性を高めた柔軟な“チーム運営”が必要不可欠となっています。

■サービスの特長
様々な日程調整ツールと異なり、訪問看護事業の特性を踏まえた以下の特長があります。
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チーム運営に最適な訪問予定とルート案を自動で作成
多数かつ多様な利用者、スキルや経験が異なる看護師、移動距離など、あらゆる条件を加味してまるでベテラン管理者のように訪問予定とルート案を自動で作成。偏りのない配置を実現して属人化を防止し、チーム全体の対応力も向上。
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訪問スタッフの負担の平準化を実現
移動距離やストレス度の高い訪問も考慮し、訪問スタッフの業務負担や訪問件数の平準化を実現。
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1日〜1ヶ月分を一括自動作成。突発的な変化にも即応
日々の調整だけでなく、急な入退院やスタッフの欠勤にも即対応可能。予定変更による全体の影響もすぐに可視化でき、再作成もワンクリック。
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慣れ親しんだ「iBow」との完全連動
電子カルテ「iBow」のユーザーは直感的に操作可能。また、完全連動により既存の利用者・職員情報、希望や稼働条件などを加味した予定調整ができます。
さらに、急な予定変更時など、AIが組んだ予定の共有も簡単に連携。

■もたらす価値 ―訪問数の増加による収益性向上と事業所経営の安定化―
平均80名を超える利用者や最短ルートも加味した最適な配置案の提案により、人の手で調整する以上の訪問をすることが可能です。
また、これまではステーションの要となるベテラン看護師が多くの時間を費やしていた予定調整ですが、「AI訪問予定・ルート」なら急なオンコールやスタッフの欠勤が発生した1日だけの調整から最大1ヶ月分の訪問予定を自動作成できるので、調整業務の時間的・精神的負担から解放し、本来注力すべき訪問やスタッフマネジメントに時間を使えるようになります。
結果として、訪問の増加による収益性の改善やマネジメントの行き届いた体制を整えることで、スタッフの定着や教育につながり、経営の安定化にも寄与します。
■今後の展望 ―訪問看護を支えるのは“チーム力”という時代へ
これからの訪問看護において、ケアの質向上と経営安定化のカギとなる“チーム運営”――「AI訪問予定・ルート」はAIとデータを活用し、チーム力を効果的・効率的に高めることができます。
こうした“チーム運営”を行う訪問看護ステーションをサポートすることは、eWeLLの目指す「ひとを幸せにする」社会に一歩近づくものだと考えます。
eWeLLは「在宅医療のプラットフォーマー」として、訪問看護の声と真摯に向き合い、持続可能で誰もが質の高いケアを受けられる地域医療の実現にこれからも貢献してまいります。
■eWeLLについて
「ひとを幸せにする」をミッションに掲げ、DXで在宅医療の業務支援を推進し、医療従事者の業務効率化と患者QOLの向上を実現するサービスを提供しています。
訪問看護向け電子カルテ「iBow」、地域全体の医療リソースを最適化し病院の退院支援を効率化するマッチングプラットフォーム「けあログっと」等を展開し、全国47都道府県で5万4千人の看護師等(※5)の業務で日々利用され、延べ74万人の在宅患者(※6)の療養を支えています。

社名 :株式会社eWeLL
上場市場 :東京証券取引所グロース市場(証券コード:5038)
代表者 :代表取締役社長 中野 剛人(ナカノ ノリト)
本社 :大阪市中央区久太郎町4-1-3 大阪御堂筋ビル13F
設立 :2012年6月11日
事業内容 :在宅医療分野における業務支援事業(訪問看護ステーション向けSaaS型業務支援ツール(電子カルテシステム「iBow」)等を提供する事業、診療報酬請求業務を代行する「iBow 事務管理代行サービス」など)
URL :eWeLL公式サイト https://ewell.co.jp
eWeLL IR情報 https://ewell.co.jp/ir
iBow公式サイト https://ewellibow.jp
けあログっと公式 https://carelogood.jp
受賞歴 :2021年『第16回ニッポン新事業創出大賞 経済産業大臣賞 最優秀賞』
2022年『第21回Japan Venture Awards 中小機構理事長賞』
2023年『EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2023 ジャパン』
2024年『KANSAI DX AWARD 2024 近畿総合通信局長賞(総務省)』
2025年『経済産業省 DXセレクション2025 優良事例賞』
同年 『看護DXアワード home nursing賞』
※1 厚生労働省 各年「介護サービス施設・事業所調査」より、医療保険・介護保険の合算。
※2 公益社団法人 日本看護協会「2024 年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査」より。
※3 利用者数86人、利用者1人あたりの月訪問回数8回、訪問スタッフ数6人の場合の月間スケジュール組み合わせパターンを算出。
※4 eWeLL調べ。<調査概要>対象者:全国の訪問看護従事者/実施期間:2024年11月22日~2025年1月31日/調査方法:オンラインアンケート/有効回答数:261件。
※5 2024年12月末時点におけるiBow上で稼働中職員の看護師、准看護師、専門看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、看護助手等の総数。
※6 2024年12月末時点における発行されたiBow上の訪問看護指示書の延べ対象患者数。