株式会社講談社
講談社VRラボ企画・制作、講談社製作のVRアニメーション映画としては『Thank you for sharing your world』(2022)以来、2度目のヴェネツィア映画祭ノミネート‼
株式会社講談社(東京都文京区)が製作したVRアニメーション『猫が見えたら』(英題:IF YOU SEE A CAT、以下本作)が、2025年8月27日~9月6日に開催される第82回ヴェネツィア国際映画祭のVR部門コンペティション「VENICE IMMERSIVE」にノミネートされました。本作は、国際的評価の高いアニメーション作家・和田淳(『グレートラビット』で2012年ベルリン映画祭銀熊賞受賞)と、VR映像プロデューサー石丸健二(株式会社講談社VRラボ)がタッグを組み、日本における精神医療の難しさや課題、そして希望をVRの臨場感とインタラクティブ機能を最大限利用して表現した作品です。

【あらすじ】
現在、日本では20人に一人が何かしらの精神疾患で治療を受けていると言われています。そんな日本の精神医療の現場は歴史的な背景や精神医療そのものの難しさ、精神医療の構造上から来るひずみなど様々な問題を抱え、それが精神疾患に苦しむ人の回復を阻んでしまう可能性をはらんでいます。本作では、愛猫を亡くしてしまったことで、その猫の幻覚を見るようになった少年が、「猫が見える」というだけで精神疾患と診断を受け、強制的に入院させられ治療を受けることになります。VRの中では、プレイヤーは幻覚として見える「猫」の視点で、少年が病院でどんな経験をするのかを見守ります。精神医療の問題、母子の関係性、そして少年にとっての救いとはなにかをリアルに感じられるVRならではの作品になっています。
【和田淳監督 コメント】
今回、精神疾患だと母親や病院に決めつけられ、周りの環境に翻弄される少年を描くにあたり、そういう経験のない私は、ある種部外者として描くことになるのですが、常に意識していたのは、明日自分が同じ立場になるかもしれないということです。
【石丸健二プロデューサー コメント】
『猫が見えたら』というタイトルは、「幻視の猫が見えたら何が悪いのか?」という主人公の少年のセリフから取りました。この言葉の中に、私たちが取材で感じた精神医療の問題や難しさが込められています。この少年の物語を通じて、精神医療の課題を知るきっかけになれば幸いです。
【ヴェネツィア国際映画祭について】
ヴェネツィア国際映画祭は、イタリアのヴェネツィアで毎年8月末から9月初旬に開催される国際映画祭で、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつ。その部門の一つである「VENICE IMMERSIVE」には世界中から優れた作品が集まり、50以上のノミネート作品が展示されるXRクリエーター、スタジオにとってあこがれの映画祭である。
https://www.labiennale.org/en/cinema/2025
【作品概要】
・作品名:猫が見えたら(英題:IF YOU SEE A CAT)
・作品尺:約37分
・ジャンル:VRアニメーション
・企画・制作:株式会社講談社VRラボ
・製作:株式会社講談社
・完成予定:2025年8月予定



【メインキャスト(英語)】
なおき:佐藤聴成
みどり:恒松あゆみ
医師・稲居:利根健太朗
看護師・高頭:竹内恵美子
看護師・三木田:駒田 航
【メインスタッフ】
プロデューサー・VRディレクター:石丸健二
監督・脚本:和田淳
CGディレクター:Omar Espinosa
音響監督:滝野ますみ
ラインプロデューサー:鹿野由美子
【和田淳監督について】

1980年兵庫県生まれ。大阪教育大学、イメージフォーラム付属映像研究所、東京藝術大学大学院で映像を学ぶ。2002年頃からアニメーションを制作しはじめ、「間」と「気持ちいい動き」を大きなテーマに制作を続けている(代表作『私の沼』(2017)、『半島の鳥』(2022)、『いきものさん』(2023))。
【制作会社:株式会社講談社VRラボについて】
2017 年10 月に総合出版社の講談社と国内最大手のデジタルアニメーションスタジオであるポリゴン・ピクチュアズにより設立された、VRを中心とした新しいエンターテイメントを企画・研究するスタジオ。「最新のテクノロジーを最大限生かしたコンテンツとは何か?」を探求し、それを形にして世界に向けて発信しています。
代表取締役:石丸健二